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【人】 説法師 法泉そういや狐狸は昔から、争うものじゃと、決まっていたか。 (84) 2014/02/18(Tue) 01時頃 |
ほっほ、すまぬすまぬ呆けが酷うてのぅ
……やはりあの時の鞠は影であったか……ふむ。
[放った柿が蛇を模した影に弾き落とされる。尤も柿はただの柿にすぎないので、別にいいのだが。
相手は幼いとはいえ、老いた自分の体力も高が知れている。それに加えて得体の知れないこの”力”。]
まずは冷静に策を練らせない……それから余裕を見せ相手を激昂させて自分はいなし、牽制する側に回る……と。
……このような策を取らねばならぬとは…老いたのぅ。
[余裕がいつまでもつかわからない。少女の力は大部馴染んでいるようにも見える。影の、力の目測を誤れば……きっと押し負けるだろう]
[確かな手応えに、唇がにやりと笑むも、次の瞬間には傷の痛みに唇が歪み。
とっさに刀を地につけ体を支えなければ、崩れ落ちていただろう。]
は……。
そんなん……じゃぁ……風なんて、呼べないんじゃない?
[女自身も、先に受けた右肩の傷で、刀を振るう手は鈍るけども、それでも、まだ戦う事は可能で。
ましてや己の血が流れているなら、打てる手が増えたと言うこと。
乱れた呼吸のまま、女は*哂った*。]
琥珀の帰還、そこの角に来た気配からの助太刀、夕顔の昏倒……こんなところかの。
[独り、行動指針の確認とこの場での自分の”勝利条件”を考える。
おそらくは相手よりも多い『経験』、その一点においてのみ老人が優位に立てる。]
それとまずは……ほれ。
[平時ではあり得ぬ伸び方を見せ迫ってくる影に対し、手近な葉を数枚毟ると鋭く横に腕を振るう。
放たれた葉もまた、矢のように真っ直ぐに飛んでいくと影を縫うような軌道で上から襲う。
『柿を払えた影が物理的に撃退できるものなのか』。これを試す。
同時にひっそりと大樹の根に意志を送り、少女の足元から拘束するべく地中から*狙わせる*]
[追撃を覚悟し身を固くするも、眼前では相手もまた刀を地に突き、どうにか体を支えているようだった]
いや……まだ、だ。
たかが腕一本、だろ……。
[右腕の袖を裂き、血が止まらない傷口より上をきつく縛る。
利き腕がまともに動かせないのは痛かったが、今はまだ虚勢を張っていたかった]
まあ、余り長くは……もたないけど。
[状況はまだ拮抗していると感じつつ。
哂う女の表情に、警戒を強めた**]
【人】 説法師 法泉(嗚呼、名乗ったな、一度だけ) (98) 2014/02/18(Tue) 02時頃 |
【人】 説法師 法泉[狐のような目を更に細め、坊主はじゃらん、と錫杖を鳴らす] (99) 2014/02/18(Tue) 02時半頃 |
[ぐ、と足踏みしめて。
大きく息を吐いてから、刀を左手に持ち替え、握り直す。]
たかが、ね……。
だったら……。
[ぽたり、傷口から流れるままの血が指先を伝い、地面に落ちた。]
もう一本も、もらうのみ……っ!
[数歩の距離を、大きく踏み込み。
もし日向が風を吹かせようとも、それ事斬り裂こうと袈裟に、叶うなら続けて逆小手に斬ろうとするが。
太刀筋は先よりも*劣るもの*。]
[右腕の付け根を縛りながら、雪客が刀を持ち変えるのを見た]
さすがに、両方はまずいな。
[相手の口にする狙いに、ぽつりと零す。
跳ぶのは間に合わぬと、咄嗟に二人の間に風を生みつつ、体を捻るようにして左腕を逸らす。
しかし雪客の太刀は、その風を易々と切り裂いた]
は、…………
[重傷を覚悟していたのだが、左腕の傷は思ったよりも浅い。
負傷や左で太刀を扱ったことが、雪客の太刀筋を鈍らせたか。
だが、息をつく暇もなく、返す刀が再び左腕に向かう]
ただの風には、止められんか。
――なら、
[左腕の指を握り、風の帯を手繰る。
帯は日向の意に答えるように、何十にも折り重なっていく]
く――――!
[今までにない力の使い方に、眉が寄り全身から汗が滲んだ。
切っ先が迫り、肌に強く喰い込む感覚に、数歩たたらを踏む――が。
見えぬ壁がそれ以上進ませず、刃を押し留めていた]
どうにか、か。
[雪客の動きが先と同じであったなら、恐らく間に合っていなかっただろう。
激しく息を乱しながら、強張った左手の指を、再び開く。
同時に口にするは、力放つための言葉]
――――解き放て!
[折り重ね押し込めた風の帯を、再び元の形へ解き放つ。
間合いを少しでも離さんと思ってのことだったが、爆発的な暴風は、日向自身をも後方へ吹っ飛ばした*]
そこから おとしてあげる !
[この力をどれ程使って良いのか、自分の身体がどこまで持つのか。
そんなことを考えるほどの知恵も持ってはいない。
大樹から見下ろす老人を睨み付け、激昂のまま老人が身を預ける枝のその根元へと影を伸ばす。
それが老人の狙い
─── え ?
[伸ばした影が、狙いに届くより先、地に落ちる。
一体何が起きたのかと、まぁるく目が見開いて。
影が落ちた地に、数枚の葉が突き刺さっているのに気付くと、目の形が丸から三角へと変わった。]
じゃま しないで!
[本来影は実体を持たぬもの。
己が操ることで形を得るも、力持つものに阻まれれば元へと戻ってしまう。
抵抗されたことに激昂を煽られ、もう一度影を向かわせようとした所で、足元にしゅるりとした感覚を感じ。
見下ろすと、地から伸びた根が足首に巻きついているのが見えた。]
な に?
[慌てて逃げようにも、確りと巻かれていて動けない。
悔しい、苛立たしい、憎らしい。激昂が更に、煽られて。]
わたしのじゃまする あなたは きらい
[蛇の様に鎌首をもたげた影を何本も、伸ばし。
その軌道は猛る感情のまま、無軌道に老人へと向かっていく。*]
【人】 説法師 法泉― 通り ― (106) 2014/02/18(Tue) 21時半頃 |
む、干渉は受けるようじゃな。まず好都合かの。
[放った葉が影を地に縫いとめる様子を見て呟く。加えて隙をつけたのか拘束もうまくいったようだ]
あとは何とか……しかたない、絞め落とせれば…
っとと…。
[が、すぐに表情には緊張が走る。
立て続けの妨害と拘束が気に障ったのだろう。先より増え、何本にも別れた影が少女から老人目掛けて伸びてくる
……しもうた、ちと急いて煽り過ぎたか……!
[放たれた影の群に意識を取られ、少女の足をつかんだ根の力が緩んだことまで気が回らず。
葉をまた毟って放つにも出遅れ、仕方なく寸前で枝から身を投げる。駄目元で琥珀を逃がした時のように葉を散らすので精いっぱいの有様である]
[最初の風は、切り裂けたものの。与えた傷は浅いもの。
ならばと続け、風に逆らわぬ様に刀を流し、返せば。]
――――――!!!!
[刀から伝わる衝撃、阻む、見えないなにか。]
小癪なっ!!!
[左手だけでは無理だと、痛む右手も柄を握り、力任せになにかを切り裂こうとするも。
日向の声と同時、女の身体を弾き飛ばすが如く吹き荒れた暴風。
真正面から受けた瞬間、受身を取ろうと転がった。]
うぐっ………ぁ……けほっ……。
[受身をとったものの、全ての衝撃を殺すことなど叶わず。
うつ伏せに転がったまま、咳とともに口の中の鉄の味を吐き出せば、女の唇は更に紅く染まる。
受身はとったものの、肋がやけに痛み、すぐには起き上がれない。 ]
は……
[視線を、自身の右側に向ければ、刀は転がっているも、手を伸ばしただけでは届きそうにない位置。*]
つっ……
[暴発にも等しい強風に、日向もまた後方へ叩きつけられるように倒れた。
そろそろと体を起こし、土煙の向こうを目を細め見れば、唇を紅く染めた雪客の姿が見えた]
雪、さん。
[体の内を痛めたのだろうか。
自身の為したことを目の当たりにし、顔を顰める]
まだ、続けるの?
これ以上は……。
[刀は雪客の手から離れている。
あれを奪いさえすれば無力化出来るかとも思ったが、力を派手に放ったばかりの日向には、素早く近付くことも十分な風を起こす事も出来ない。
故に、言葉でそれを為そうとする]
その体では、他の人とだって戦えんでしょ。
もう、止めると言って。
[警戒を解いた訳ではない。
が――風の力は未だ戻らず、凪いだまま*]
は……。戯言、を……。
[声のする方へ、一瞬だけ視線を動かすも、直ぐに刀へと戻して。
腕の力で、刀の方へと身体を引きずる様に動かし。]
あんた、も、さ……。
気づ、いてるんじゃ……?
共存、なんて……無理、だって、さ……。
なら……殺す、か……殺されるか……それしか……。
[刀までもう少しのところで、腕の力ががくりと抜け、崩れ落ちた。]
葉で幾らか隠れればよいが……うぐっ!
[地面に落ちる直前に落下地点から葉のたわわな木が育ち、緩衝となって働く。が、降りる時に走った衝撃が足に響く。
こちらの葉も姿を隠してはくれるだろうか。しかし如何せん身動きがうまく取れず、影が茂みに突っ込んで来れば避ける術がない]
[感情のまま伸ばした影は、獲物を狙う蛇そのものの様な動きで向かう。
大樹の枝を、老人の足を、腕を取ろうと鎌首をもたげる。
激情にかられたその動きは、冷静に見れば簡単にいなせてしまうだろう。
そのことに気付けぬ幼さのまま、影を操り、嗤う。
足を捉えた木の根の力が緩んだことにも、気付かない。]
うふふ
このまま ころしてあげる
[
老人へと届いた影を首へと巻きつかせようとした所で、先程と同じ葉の雨に視界を覆われた。]
──── !?
[そのせいで集中が途切れ制御を失った影が地に戻る。
首に巻きつかせようとした影は、老人を苦しめるに至ったかどうか。
そんなことに意識が向かう訳もなく、ただ邪魔をされた苛立ちが心を占める。]
じゃま しないでって
いってる のに !
[いまだ降る木の葉の雨に向け、乱雑に影を伸ばして薙ぎ払う
鞭のようなその動きは幼子の意図なきままに、葉の影に隠れた沼太郎のその足元をも払おうと*]
気付い、て……?
[雪客の方へ一歩、踏み出し掛けた足が止まる。
尽くしても伝わらぬ言葉に、胸の奥に澱みかけている感情。
止めるため、と自らに言い聞かせつつも、相手を傷付け捻じ伏せんとしていることに変わりはない。
それは、共存を拒むことと、何が違う?]
雪さん!
[そんな迷いと、相手の言葉を認めたくない思いが。
崩れ落ちる雪客を見た瞬間、日向の体を突き動かした。
攻撃の意図も何もなく、倒れた雪客にただ駆け寄る。
そんな、迂闊とも言える行動だった*]
まだ……目を、背け……てたい……?
だったら……甘い夢、見たままでさ……。
[ぐ、と、左手に力を籠めて這いずり、右手が逆手に刀を掴む。]
……死ん、じゃいなよっ!
[半ば叫ぶ様に、女は声を上げ、左手を地につけたまま、駆け寄る日向の方へと刀を振るった。*]
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