170 白峯異聞
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To : 櫻子
From : レイ
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屋上が真っ白な景色に
なるのが見えた
大事な話があるから
死なせないけど
[ 送信してから『 大事な話 』なんて表現は
大袈裟すぎたか、と小さく溜息。
休息の睡眠を取りたいがさて、
バレずにとれるだろうか。 ]
『宛先:鳳先輩
差出人:櫻子
屋上が真っ白?
よう分からんけど、了解。こっちでも気ぃ付ける。
ん、うちも死ぬつもりはあらへんよ。
大事な話はちゃんと後で聞く』
[白い景色とは一体なんだろうか。
外からの異能による攻撃は防げるはずなのだが――と、まさか消火器を使われるとは考えもしない櫻子は首を傾げるのだった。]
―――――――――――
To : 櫻子
From : レイ
―――――――――――
消火器らしい
あっちも視界が狭くなる
さりげなく応戦する
[ まるでスパイのような自分の行動を嘲笑する。
―――全ては、世界の混沌のため
鍵の在処を知っている者は見つけた。
あとは場所だけ。
楽しみで、楽しみで。
見える未来が赤に染まる日を夢見て―― ]
『宛先:鳳先輩
差出人:櫻子
了解や。
一応、風を使える部下は置いといたけど…正直使い物にならんやろうし、頼りにしてる』
[それにしても消火器を選ぶとは。
大方煙で屋上から出すつもりなのだろう。やすやすとハマってやるものかと独り言ち。]
死んでもええよ。
[そう、世界が実現するのならば。
この命くらい、投げ捨てたって構わない―――]
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