123 霓虹鬼故事
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露蝶、止めといてね。
来たら面倒だし。 ……他も。
[さて、彼は協力してくれるだろうか。
特に期待はしない。]
―ちっ…上手くやれよ?
[小さく舌打ちをする。
露蝶に手を貸す黍炉を見ながら、声を飛ばす。
誰かが近づきそうであれば、留めるつもりではあるが。
ふわふわとして捉えどころのない相手の事、何かしでかしやしないかと。]
おい、佩芳と黍炉がそっちに向かった。
爺さんの方はもう終わったか?
取り敢えず、その場から離れろ!
[佩芳の動きは完全に誤算。
焦りといらつきの混じった声が明夜の耳に届くだろうか。]
ん、終わってるよ。
[研究所内をうろつく。
リビングに戻ろうとはしていない。]
……俺、うっかりちょっと食べちゃったんだよねえ。
[一応言っておこうか、とさっきやらかしちゃったことを正直に告げておいた。]
はぁ…?おい、いきなりばれちまうだろうが。
あんた生き残るつもりあるのか?
…あー、俺がどうにか誤魔化す。
爺の遺体は何処にある?
[研究所内を探し回りながら、苛々と声を飛ばす。]
我慢できねーから しかたないのよねー。
[鬼は衝動を完全には制御できない。]
喰い散らかさなかっただけ褒められてもいいぐらいなんだけどなあ。
えーっとね場所は……
[リビングから、その場所までの道を説明した。]
ったく…そういう体質も厄介だな。
[食い散らかさなかっただけ、という言葉に眉をひそめつつ。場所を告げられれば。]
あぁ、分かった。取り敢えず向かう。
[上手く黍炉達から離れられればいいのだが。
最悪、彼らの目の前で偶然を装いつつやらなければいけないと考えるとげんなりする。
けれど次第に、どう喰った後を誤魔化そうかという事が頭を占めていった。]
…何か重いもんで痕をつぶせばいいか…?
[目の前には研究者の遺体。
それを目にして顔が歪む。
自分の他にいる人間が二人。
―早く、何とかしてしまわねば。]
くそ。
くそ…っ。
ああ…、くそ。
[手を見て茫然としたふりをしながら、喰らった痕跡を握り潰したのを確認し。]
…一応、やったぞ。
[まだ手に残る感触。
声には苦々しさが混ざっていただろう。]
お、もう見つかったのかな。
はやいねぇ。
[誤魔化しはできたのだろうか。
どうなっているかはわからない。
状況が分かるものは悲鳴程度しか聞こえていない。]
誤魔化しできたんだね。
よかったよかった。
[苦々しい声なのに気が付いて]
んー?……死体見て欲情しちゃった?
[茶化すようなことをいってみたり。]
人、集まって来たな。
…何とかお前の噛んだ痕を握り潰せた、と思う。
[何処にいるのか分からない男に状況を教える為に声を飛ばす。
偶然を装うとはいえ、派手に転び過ぎた。
おかげで血塗れだ。]
…あー、シャワー浴びてぇ。
[茶化した口調で聞かれれば、飛ばす声を荒げ]
はぁ?ふざけんな…!
こちとら血塗れなんだよ!
[死体に倒れ込んだとは言わない。
―やがて、知れるかもしれないが。]
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