233 逢魔時の喫茶店
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― 昼の街 ―
[野良猫の餌付けはダメだって、そんなこと僕だってちゃんと知っている。
走っていくパーカーの子に見つからないようこっそりキャットフードを持ちこんで、植木の影であるこの辺りなら、絶対誰にも見つからない。 それにこの時間帯なら、何時も居るベンチの居眠りの人は来ない筈だか。 ぴったり時間通りに現れた黒猫にご飯をあげて、僕はふにゃふにゃの顔で笑った。 植木から突き出た尻を女の子にゴム銃で狙い撃ちされたって、全然気にならない。
ペットフードの匂いをさせながら喫茶店に行く僕の後ろを、さっきの猫が付いて行く。 ここ動物OKだっけ?そう思うより早く猫は店内に滑り込んで、でもウェイターのお兄さんは気にしてない。お兄さんは黒猫と僕をちらりと見て、ヘビみたいな目で笑った。
相変わらずここはお客さんが少なくて、でも今日は少し多め。他の喫茶店に比べたら少ないけどね。]
(341) mzsn 2015/08/17(Mon) 02時頃
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[コーヒーを飲むおじさんは、少し先のバーの店主さんだって知ってる。どんなバーかは、意地悪な友達は教えてくれなかったけど。 あっちのテーブルで緑と赤の布を広げる二人組は、たまに見る常連さん。
店内をぐるり見まわしても喫茶店のマスターさんは今日は居ないみたいだ。 僕のテーブルの下で、黒猫がにゃあと鳴いた。]
(342) mzsn 2015/08/17(Mon) 02時頃
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[どうやら猫は喫茶店に向かってるみたい。
暗い夜の道で一軒だけ明かりの灯る喫茶店は、なんだかいつもと雰囲気が違う。
っていうかここって夜も営業してたっけ?
怖々近づく明かりの元、耳を澄まして聞こえたのは店内からの賑やかな声で、なんだ、店員さん同士で騒いでいるのかな。
それにしては、声の数が多い気も。
猫はと言えば緑の扉を引っ掻いて、…もしかして開けて欲しい?
ほんの少し扉を引けば、猫は昼と同じようにスルリ中に忍び込んだ。
いいのかなあ、入っちゃって。
少し遅れて僕も中へ。
「夜遅くごめんなさい。この猫ってこの店の――、」
続く言葉は途中で切れて、だってだって、このお店は、こんな場所じゃなかった筈で、
少し暗い店内と、カウンターの奥で輝く鮮やかな瓶の数々。
グラスを交わすお客さんはどう見ても人間じゃなくて、見回す店内、扉の傍でリラックスする角の生えた誰かは、いつか漫画で見た悪魔みたい。
けれど、カウンター越し笑うマスターは昼間と同じ人。
そして一体何時来たのか。
僕の目の前に、黒い髪にネコミミの、知らない男の人がいた。*]
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[いつまでも、いつまでも、 彼は自分の大事な人で、心臓を直接揺さぶる。 眦を赤く染めていれば、両腕を伸ばさずに居られない。
甘美な聲の、――なんて尊い事
幾度も名を呼ぶ唇に、キスを与えて。 柔らかな軟体に、甘い蜜を受け取る悦び。]
トレ……イ、ル……ッ、
[永久より美しい刹那を、君だけにあげる 恋情より確かな、愛情を、永遠に君に捧げる
その誓いとして、命の源を、純白に注いで**]
(343) flickeringly 2015/08/17(Mon) 02時頃
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[翌日の朝 たった一人のお姫様は 何よりも 冷えて、甘い、口付けで。眼を覚ました
されど間も無く温もりを与える翼で 端正で照れ屋な恋人の顔が隠れ、不満げに]
大丈夫だ。 お前は人間でも、そう簡単に、死にはしない。
私の苦痛に、昨夜お前は、 健気に耐えることが 出来たのだから
[彼の物言いに咽喉が震え、さらりと告げる真実 されど彼の初心な反応が 上手く余裕を唇で削いでいる気がして、口角を吊り上げ 恋人の躰を、強く抱きしめて、あやす心算>>331]
(344) flickeringly 2015/08/17(Mon) 02時頃
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――何?
[>>331されど彼の言には、続きが待っている 落ち着かない動作の彼の背を撫でて、待機し]
――ふ、 馬鹿……。
[>>333 あまりに一途で、優しい想いは
千年の冬に、春を呼んで 硬質な氷の精霊に、甘い笑みを作らせる
―――君が、誰よりも、愛おしいから]
(345) flickeringly 2015/08/17(Mon) 02時頃
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私はお前に際限を知らない。 どんなに求めても、完全には満ち足りない。
永遠を尽くしても、 きっとお前に惚れているだろう。
[自身の冷えた心に、 恋情という焔を灯せるのは君だけ、だから。]
ずっと傍に居て、愛し続けるよ。 私の恋人―――トレイル。
(346) flickeringly 2015/08/17(Mon) 02時頃
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[孤独が過ぎて、甘い日常を 幸福の象徴を、高鳴る胸に引き寄せ
柔らかい笑みに心奪われたまま 境界が無くなるまで、口付けで――溶け合う
トレイル。 君を―――求め合う**]
(347) flickeringly 2015/08/17(Mon) 02時頃
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ずっと傍に居て――私の最愛 …**
(348) flickeringly 2015/08/17(Mon) 02時頃
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