25 花祭 ― 夢と現の狭間で ―
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[しかし、そのときは明は近くにはおらず、 部屋を出ると、使用人が噂話をしているのを訊いて、さすがに取り乱したか。]
屋上か……ああでもどこの。
[まずはB棟の屋上を上る。]
(307) 2010/08/08(Sun) 01時頃
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落胤 明之進は、一度振り返り、戻れば主が傍らに。
2010/08/08(Sun) 01時頃
落胤 明之進は、小さくその袖を引く。
2010/08/08(Sun) 01時頃
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それとね、誰に聞いたんだったかなー ひどいんですよ、センターでは 獣を隠し飼いしてるんだって! ロミオも、ザックも、ギリアンも獣なんだって!
……チャールズを殺したのに、 獣がのうのうと生きてるだなんて…… この件が終わったら、俺が、ちゃんと殺すんです。
[にこにこと、笑ってそう、報告して。 したためた名前もセンターから派遣された 相棒の名前だったなんて]
(308) 2010/08/08(Sun) 01時頃
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―表座敷―
だって僕は売れ残りで。普段も器用ではなく。
[手を握ったまま引き寄せられ、邦夜の体温を感じる。 最初は落花にしたのと同じものを求めたつもりだった。後で傷付くことになってもいいから今一時の温もりをと。優しくしてくれた人に。 けれどこの花主は、そうでない手を差し出してくれた。 その鼓動を感じながら話を聞く]
発作? それはご家族の方も邦夜様を心配なされたのでしょうけれど。 …寂しいです。
[同じ年頃の子供達の声を外に聞いていた時間や、表の嬌声が消えるまで土間で蹲っていた時間に似たものを想像する]
今回は出してもらえたというのは。 まさかそのために? だとしたら、何て危険な。
[危ないとはそれのことかと、顔を見上げる]
(309) 2010/08/08(Sun) 01時頃
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…探してきて、貰えないか? [頼み込んで送り出せば、暫くは戻ってこないはず。
そのうちに着替えるは武家風の地味な羽織。 化粧っけの無い顔に、長い髪をキリと結い上げれば、 余程親しい物以外は、同じ顔の片割れと区別は付くまい。]
(310) 2010/08/08(Sun) 01時頃
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―刷衛の部屋、前庭― [一度庭に下りた黄泉花は、見上げて。 再び室内へと戻ったのだけれど、小さく呟く]
空を……
[白い桜花の傍らの冬もまた、見上げていた。 浄土への道しるべのように、登る煙を。 穏やかに、哀愁帯びて伸びていく。
もの言わぬその気配は、彼の傍にあるだけ。 無邪気に話すはセシルに任せ、空を見ていた あの頃のように]
(@45) 2010/08/08(Sun) 01時頃
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― B棟屋上 ―
[屋上につくが、誰もいない。 はあっと息をついて、どうしたものかとまた階段を下りる、 その途中、袖を引っ張られて向く。]
明……
(311) 2010/08/08(Sun) 01時頃
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……本郷、…すまないが…
[苦しむ本郷をここで追い返していいのか。 ここで留まらせれば、華月の持つ刀が為すことも 先送りとなるだろう。黒檀は迷うように憂い、]
…暫し華月と二人にさせてくれるか?
[対を喪ったばかりの花と、花を喪ったばかりの主。 それだけで、本郷には通じるだろう。 刀のことを問われれば、手向けの演目の為とそう答えて。]
[もしかしたら本郷は気付くかもしれないが、 それに対して高嶺が何かを明かすことはなく。]
(312) 2010/08/08(Sun) 01時頃
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――…また、後で…話せたら。
[それが叶うのかは、わからないけれど。 そう言ってから華月の方を見た。]
(313) 2010/08/08(Sun) 01時頃
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記者 イアンは、懐刀 朧は霞の血縁なんですよ、とチャールズに一人々説明している。
2010/08/08(Sun) 01時頃
記者 イアンは、懐刀 朧に話の続きを促した。
2010/08/08(Sun) 01時頃
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―B棟・階段―
……たなびく煙が見えました、 本邸の屋上の方に。
それと、あまり……根をおつめになりませぬよう。
[頭を抱えたようなその、仕草に。 普段はいくら背伸びしても、届かないから。
階段の段差、一段後ろから そっと肩に手をまわし、小さく抱いて離した。 それはやはり、冷たいのだろうけれど]
(@46) 2010/08/08(Sun) 01時頃
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―高嶺の部屋前―
ほな、失礼しますわ。
[主の声に促され、身を室内へと滑らす。 黒檀の視線が、腰に佩いた刀に向かうのを感じる。]
[まさか、その言葉に返すのは、淡い笑み。 それは笑みに笑みを返す形になる。]
本郷様が来られとったんですか。 嗚呼、そうや、謎かけの答えの茶淹れても……―――
[本郷の姿を見止めて、紡いだ言葉は途中で途切れる。 一度、はたりと瞬く苔色。 眼差しは、本郷の退室を願う真意を問うように、主に注がれた。]
(314) 2010/08/08(Sun) 01時頃
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落胤 明之進は、もしかしたら、2段3段くらいは、後ろだったかもしれない。
2010/08/08(Sun) 01時頃
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霞は俺が昔から話してる旧友です とっても琵琶がうまいんです。 それで、迦陵は霞の花で…とっても仲がいいんですよ 華月は高嶺の花なんです 死んじゃったけど鵠も。 おめでとう、ぐらい、言いたかったなー 華月に二人分言えばいいでしょうか?
[丁寧に、指折り説明をして]
(315) 2010/08/08(Sun) 01時頃
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……もしかしたら、そうだったかもしれない。 今、「獣」探しに協力してるんだ。 そう、だから俺の側は危ないと言った。
……危ないけど、さ。 ……全員探し出すから。一緒に帰ろうな。 [頭を撫で。獣を探し出す理由が増えてしまったな、と思う]
(316) 2010/08/08(Sun) 01時頃
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本郷は凄く、俺を欲してくれました。 蓮の花のいい香りがするんです あ、でも大丈夫ですよ、俺はチャールズの花!
邦夜は人と獣を生きてるうちに判断できるんです! 凄いですよね! 夜光は……これから伸びる笛を吹くから 先が楽しみな花です …俺、この仕事で怯えられちゃってますけど
芸といえば月瀬の芸は絵を描くことなんです 珍しいですよね、凄いなー でも、獣のお手つきだから 人でも殺したほうがいいかもしれないですね
(317) 2010/08/08(Sun) 01時頃
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[先程使用人に託した書状は、そろそろ夜光の名を継ぐ若き花の元へと届くか。 名前を伏せたそれは、イアンの件で折り入って話が、と。
閑話休題。 この時代、指紋や遺伝子解析などの鑑識の高度な技術は既に絶えて久しい。 そうでなければ、皆の勘に任せて投票で処刑するものを決めるなど、そんな馬鹿げた手段をこのような重大な事件の中で取りうるはずがないのだから。]
(318) 2010/08/08(Sun) 01時頃
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記者 イアンは、これで、生きてる人は全部、かな。といって笑う
2010/08/08(Sun) 01時頃
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[しかし、また明はきえてしまったか。 そう、いなくなる。
ひとり。]
さて、でも、俺は、 しっかりしなきゃな。
(319) 2010/08/08(Sun) 01時頃
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[ひとりで来るよう指定したのは、人のあまり通らぬ裏庭の納屋。]
(320) 2010/08/08(Sun) 01時頃
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― 回想・少し前の事。南角の離れの鳥籠にて ―
[主が部屋へ戻ってくれば、家人に用意していただいた果汁を差し出して。 その事を褒めて貰えば、少しだけ恥ずかしげにはにかんだ]
僕にはこの位の事しか出来ませんから……。 えと……鏡、ですか。いえ、見ておりません。
[ふるり首を振って]
よほど大事な手鏡なのですね。 はい。探してきます。
[主から命を貰えるのが嬉しくて、 鳥は長い袖を翻しながら部屋の外へ――]
(321) 2010/08/08(Sun) 01時半頃
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― 高嶺の部屋 ― [本郷からの謎掛けの答えは出たのだろうか。 少し興味を示すように本郷と華月を見たが、 結局は本郷には出て行ってもらうことになった。]
―――…見られる方が、好きか?
[真意を問うような苔色の瞳には微苦笑を浮かべる。 黒檀が映すのは憂い、寝台へと向かい]
…湯浴みを済ませたにしては少し早いな。 ―――…構わぬが。…来い、華月。
[指す先に続くのは部屋を出る前に告げた添い寝の話だ。]
(322) 2010/08/08(Sun) 01時半頃
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[ふわり、棚引く煙を追う。 月瀬から、わずかに香った気がする煙管の煙]
眼差しは一度、何処を彷徨った。 聞こえる こえ が増えているような、気がする。
現世の躯持ったまま、 心だけが“こちら”に引き寄せられている。
そんな存在があることを知らず、 現世よりもはっきりと、狭間よりも小さく響く やけに明るいような こえ]
(@47) 2010/08/08(Sun) 01時半頃
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>>@46
ん?
[でもそう感じた時にまた気配。 もう、わかっている、明がどんな存在なのかと。]
ああ、そうか。 わかった。すまん、助かる。
[その舞わされた腕に一度目を閉じてから、 また階段を下りて、今度は本邸のほうへ。]
(323) 2010/08/08(Sun) 01時半頃
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落胤 明之進は、ついでに、主様にこめかみの一つもぐりぐりしといたかもしれない。
2010/08/08(Sun) 01時半頃
始末屋 ズリエルは、目のツボに入って、ちょっと気持ちいい。
2010/08/08(Sun) 01時半頃
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― 本邸前の庭 ―
[主に命ぜられるまま、庭へと向かう。 黒檀の手鏡、と在るはずのない鏡を探して、 茂みの中や木々の枝葉を一つ一つ、丹念に調べて行く]
……ふう。 ここにも、ない。
[額に滲む汗を拭いながら、空を見れば。 屋根の上に薄桃色の桜が見えた様な気がして]
あれは……幸得? どうしてあんな所に……っ。
[呟き、水干の袖を翻すと駆け出した]
(324) 2010/08/08(Sun) 01時半頃
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―高嶺の部屋前―
[本郷に伝えることが出来たなら。 謎かけの答えに用意したのは――蓮茶であると告げた。 果たしてそれは正解だったか、否か。]
……見られても、構やしませんけど。
[本郷が去った後、向けた眼差しに返る言葉に、 微かに苦笑いを浮かべた。 好きか嫌いかではなく、構わないと答える。 大概の事は、厭うことはない。]
湯浴みは、すまへん。 おそなったらあかんかと思って……。 綺麗にはしてきたんやけど。
[そもそも湯殿には、人目を避けて行くことが多いのだと、 暗に背が原因だと零しながら、誘われれば素直に、 添い寝をしに主の傍へと寄る。]
(325) 2010/08/08(Sun) 01時半頃
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…まずは夜光を。
裏庭の納屋に呼び出して喰らいますから、これそうならば落ち着いた頃に。
記者 イアンは、メモを貼った。
2010/08/08(Sun) 01時半頃
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あ、じゃああの時に僕も。
[大広間でのことを思い出して、また納得した。 頭をなでられながら、はい、と穏やかに答えて]
生き延びて邦夜様の傍へと来られた事に感謝します。 僕は実は娼妓に拾われた、親知らずの子です。 でもおかげでこの笛であの曲を吹けるようになった。
あれは実は、呪いの曲なんですよ。 邦夜様から借りたこれの代わりになると思います。
[他愛ないおまじないと同じような気軽さで言った。 それからお茶がすっかり冷めてしまったと]
淹れ替えてきますね。
[席を立ち、外に出たところで手紙を渡された]
(326) 2010/08/08(Sun) 01時半頃
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小僧 カルヴィンは、本邸に向かう刷衛の横を駆け抜ける。その表情は、常とは違う必死のそれ。
2010/08/08(Sun) 01時半頃
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[話をするなら今だけ。一人で。 イアンが危ないかもしれないという話を思い出す。センターに協力していて、そちらからまで危険にさらされたら困る。 少し遅くなりますとの伝言を頼んで、裏の納屋へと急いだ]
(327) 2010/08/08(Sun) 01時半頃
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…本郷殿?
[かける声には僅かに心配の色。
元より、同胞とは言え利害でしかつながりのない仲のはずだったが、
…それだけでは無くなってしまいそうで、それが少し恐ろしい。
情に流されれば、きっと仕損じる。]
/*大丈夫ですかー?寝おちてはおりませんかー?
始末屋 ズリエルは、小僧 カルヴィンに吃驚した。は、はやい・・・。
2010/08/08(Sun) 01時半頃
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[返された言葉にむくれるふりをして一言]
心が篭ってません。
[ふりをして、告げたけれど、 月瀬の件も気になるが、胸の騒ぐは――明るいような声。 あれに似た声を壇上より聞いた。 主が勤めを同じくする者ではなかったか]
あの、そういえばお仕事……、 イアン殿とは、 姿を共になさっているところ見られませんけれど。
――あの方は、ご無事でしょうか。
[本邸へと急ぐその間、ぽつり零した]
(@48) 2010/08/08(Sun) 01時半頃
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落胤 明之進は、小鳥のかけていくさまに、瞬く。
2010/08/08(Sun) 01時半頃
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[納屋の中は、たとえ昼であろうと薄暗い。 灯火ひとつが目を引くように少し奥の行李の上に置かれ、己は影に身を潜めて待つ。]
(328) 2010/08/08(Sun) 01時半頃
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― 高嶺の部屋 ― [華月の出した答えに、本郷はどう答えたか。]
―――…私があまり好かん。
[苦笑いには、そう言って返す。 厭わぬ言葉、それは主を選んだ時も変わらず。 胸中宿る思いはあるけれども、 拒まれぬのは今は丁度――…都合がいい。]
……構わない。 …お前は楽しめんかもしれんが…、――…許せ。
[告げる黒檀には微かな艶が宿るだろうか。 羽織ってきた着物を乱すことなく寝台へとそっと押し倒し 華月に―――…己の花に、触れる。]
(329) 2010/08/08(Sun) 01時半頃
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[駆け抜けた所で、一旦止まって。 刷衛の姿を確認すると戻ってきて]
刷衛……さまっ。
あ、あの……っ。 屋根に、幸得が……っ。
[指を上へ向けたりしながら、乱れた呼吸で。 幸得を見かけた事を言葉足らずに伝えて]
(330) 2010/08/08(Sun) 01時半頃
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