3 ビー玉坂〜卒業式の前に視るその場所は…
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『そうだね、考えておこう。』
『そろそろ、時間が迫ってるけどね。』
[闇 が 濃く ひどく、濃く。]
『ふふ、でも、盗み聞きの彼も向こうに行ってしまったら、』
『吃驚するかなぁ、皆。』
『今日は何人向こうに行くかな。』
[くすくす、と、嗤う。]
でもきみは ほんとうに 盗み聞きの子
おくって いい の ?
『じゃあ、先生を。』
『ちゃんと向こうにいけるように
間違いがないように送ってあげようか?』
(――先生)
(――間違わないように、)
(と、 闇が囁く)
|
― 保健室 ―
[此処ではない声は、捕食者の耳には届かない。 届くのは、獲物のあまやかな喘ぎ声だけ。 視界が捉えるのは、艶やかな痴態だけ。]
あぁ 何が 欲しい……―――?
[互いの熱で、蜜が樹液が蒸気して行く。 唇の端に滴った銀を、舌先で舐めとって。
シャツの端を握られたなら、びくりと反った背をベッドに押し付ける。舌は顎先を伝い、鎖骨を通り、肌蹴た胸へと落ちる。 胸の間を舐めて、左の胸の飾りの周囲を悪戯に擽った。]
セシ ル
[ドナルドがセシルを呼ぶ声も、蜜を絡めたように甘いのは、肌に塗り込めた樹液の所為か。 ボタリ、また触手から樹液が互いの身体を濡らす。]
(515) 2010/03/05(Fri) 01時頃
|
…そうだな。先生を。
絶ち切ってやらないとずっと迷い続けそうだ。
盗み聴きの彼も、覗き見の子も、共に深淵に近づきすぎて落ちてしまうと丁度いいかな。
…… ど うして?
[闇 が 揺らぐ。]
『送って』いい よ。
『…… だって』
[そうすれば 闇 が さらに 蝕むから。]
『悪い子 は 』
『それに 僕たちが 危ないじゃないか』
[言い聞かせるように 闇 は 塗りつぶす。]
『鬼 だから ちゃんと』
[みつけて。]
『送って』
[迷い子を。]
『あげよう。』
[迷わないように。]
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