3 ビー玉坂〜卒業式の前に視るその場所は…
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――お前
……、
だった、のか。……そう、か。
[声が、重なる。
バーナバスのぽろりと零した一言には、
にらみを利かすような気配があったか。]
そういや、知らんな。誰だ?
[やけにバカ呼ばわりするやつぁ]
見に行くか。
可愛いおっさんになればいいよ。
その顔じゃ、無理だろうけど。
[軽口に返された一言にはまた軽口。]
…… ん。そう。
[おっさんと王子様の遣り取りには苦笑する気配。]
ああ、そうだ。
ケイトは 自分の居場所を、知らない よ。
[見つけられれば、一番なのだろうか。]
そうか、知らないのか……。
[自分の遺体の居場所を知らない女子高生の霊]
[なぜか嫌な想像しかできない。]
……好きにしたらいい。
[見に来る、と謂う言葉には不機嫌さの残滓が残る]
――知らない?
……自分のことなのに、
知らないのか。
[――どうして。]
[知らない?]
……「本当の自分」 ……「遺体」 を しらない?
[くろく あかい 雨。
一瞬戸惑い 反応が遅れた。]
…… って、おっさん も
戻れ 戻れよ!
――……、 もど れ、
そうだ、 もどれ、 莫迦、 …
そうか、あいつだったか。
[ずうっと憎まれ口を叩く声の生徒]
助ける
あんたは、もう戻って くんな。
きついんだろ、血は。
…… ほんっと、ばか。
[溜息は それでも 厭そうな雰囲気は無く。]
でも、戻らなくても大丈夫…… 消えた よ、ケイトは。
莫迦、ばかめ。ばか。莫迦。ばか、
…ばかやろう…っ
――っ、何…
[消えた。 と。
僅か、気抜けたような気配。]
闇に、ね。
…… 闇が
[隠した。]
まだ少し残ってるけど。
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