162 絶望と後悔と懺悔と
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− 回想 −
[マユミの所作の優美さに満足そうに口角を上げる。
眷属の品格は支配者の品格でもある。
それが血の海の上に築かれたものであるかは
全く意に関するものでは無かった]
面白い質問をする。
[珍しく問い掛けて来たその内容に首を傾けた]
私が愛するのは私の役に立つ者だ。
役に立たない者は必要無い。
人間達もそうだ。
餌だから生かしている、それだけではない。
惨めに這い蹲り、足掻き、悲鳴をあげる。
その様が愉しいから外で生かしてやっているのだ。
[首を傾げたが、考えるまでも無く答えを返す。
全ては己の為に存在しているのだ]
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うわっ
[>>2ぐいっと安吾に引かれるとバランスを崩し ずるりと地面に落ちた]
安吾にぃ…少し手加減しろや 今、少し血が足りないんだから
[眉をしかめながらもにぃっと口の端をあげ憎まれ口を叩く。 よく見れば左側頭部に血の塊がみえるだろう。]
(14) 2014/02/12(Wed) 00時半頃
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―父への問いかけー
お父様が愛するのは、お父様の役に立つ者、
それ以外には由はないと以前伺いました。
たとえば、もっとお父様のお役に立つために、
お姉様の全てがほしい、と言ったら、
―――その許可はいただけますか?
[ 役に立つから覚えがある、というのなら、
“お姉様”より役に立つ者があれば、父にとって“お姉様”は不要な存在だ。まるで悪趣味な遊戯でも提案するような穏やかさで、少女は告げた*]
帰るぞ。
[命じる声は短いものだが、僅かに昂揚が混じっている事を
気付く者はいただろうか。
このまま再会の延長を区切りなく続けさせるつもりは無かった。
余計な流れが生まれ、それに飲み込まれる前に。
一旦引き離し、互いに考える時間を与えた上で。
彼らがどう動くか、それを愉しみに、退く事を命じたのだ。
いかに愉しんでいるのか。
その証拠は城に戻った後に告げる言葉で判るだろう]
よく頑張った。見事な働きだ。
[城に戻れば彼らをまず労い、落ちた直円の事も口にするだろう。
落したのは憎い守護部隊とだけ告げて。
誰とは言わず眷属達を見渡し]
直円の事は残念だった。
お前達には彼の仇を討つ権利がある。
[暗に仕留めろと瞳を輝かせ]
お前達を一人前の吸血鬼と認めよう。
城の出入りの自由を与える。
[許可も同行も不要の自由を与えて微笑んだ。
これから彼らがどう動くのか、加速するだろう娯楽に
綻ぶ表情は、獲物を捕える前の魅了の色を湛えていた]
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くっそ あいつ あの時のあいつだ
[安吾の肩越し底冷えするほど非情な目をした 輝く金色の吸血鬼がみえた そしてバイクにつきたてられたサーベル
もし安吾に引きずりおろされなかったら、今頃あそこに自分が串刺しになっていたことだろう その姿が消えたころやっと安吾へ返事を返す]
安吾にぃ、わたしは絢矢の元へ戻る
(56) 2014/02/12(Wed) 01時頃
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− マユミの問い掛け −
[あの時、祈りや孤独については答えなかった。
縋るものがあるから祈るのだろう。
始祖より強い者はいない。
だから縋るものなどありはしないし必要は無い。
始祖は世界に数名はいるが、この城には1人だけ。
1人を孤独と言うなら今更何を考えると言うのか]
ホリーの全てが欲しい?
[その願いに見えぬ相手に首を傾げた。
慕うと言う意味か、それにしては言葉選びが違う。
だが『役に立つため』と示された言葉に、
何かを企んでいる事だけは予想出来た]
それ以上のものになれる自信があれば。やってみると良い。
素直にホリーが頷くとは思えないがな。
[手を放した駒は何処へ進むのか、増えた愉しみに。
マユミが戦っている方向に紅焔の色を揺らめかした*]
おとう、さま。
……トルドヴィン、さま。
[伺いを立てる聲。]
ひとり、連れて帰っても……宜しいで、しょうか。
あなたが昔、殺さなかった―――男のひとりです。
叶うなら、御前で。
………捧げましょう。
[聲が届く。
雛達の中で年長の様に見えて、一番飛ぶ方向を失った様に
思えた雛鳥だった。
戯れに血を与えた時も忠誠や恭順の意以上に
何か含んでいた様に感じたが、
そこに敵意や悪意を感じなければ捨て置いていた。
お父様と呼ばれても、それは間違いの無い事。
役に立つ間は大切な子だ]
気に入った者でもいたか?
[再会した大事な雛か]
構わぬ。
[それからどうする気かは尋ねずにあっさりと許可を降ろす]
私への贄か。零瑠お前は父思いの良い子だ。
[数え鬼に参加していた顔を思い出すと、
嘗ての仲間の末を父に奉げると言った子に。
良い子だと珍しく柔らかな声で心を撫でてやる。
使える間は大切な子なのだ]
―吸血鬼の城―
[涼平の身柄を一先ず己の部屋に置いて、
すぐに召喚があるのなら、最低限の始末のみで
月影の許に参じた。
家族の中で深手を負ったのは自分だけ。
不徳を晒すようだと眉を下げるが、一人欠けている]
……そんな……
[直円の悲報に接し、色を失う。
守護部隊の手によるものだと聞いて、歯噛みした。
暗赤色の眼に明瞭な復讐の灯を、月影は見ただろう。
――それが家族の手だとは微塵も思わない。
だって、涼平は明之進には矛を向けなかったから]
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[駐屯地の東の端まで戻る 吸血鬼たちの姿も消えていた戦場の跡 絢矢の姿を捜した]
絢矢…にぃに
[転がっている機動隊仲間の遺体。 その中に浮かび上がる白い少女の細い四肢と兄の体]
(74) 2014/02/12(Wed) 02時頃
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―駐屯地東側・撤退前の事―
ごめんね…ごめん
[気を失ったままの絢矢の頭をかき抱く]
直円にいちゃんも、絢矢も ふたりとも…
ごめんね
(78) 2014/02/12(Wed) 02時頃
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[そして、一人前としての身の自由を賜り、
退室の許可が出た後で、しばし残る事を願い出た。]
……お願いが、あります。
家族をひとり、連れて戻りました。
傍に置かせて頂く事は、叶うでしょうか。
感謝、致します
[近くに在ればこそ好機だと、そう思うは事実だが
そんな未来は実在しないとも思っていた。]
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[絢矢の腕の中の直円の首は ―あの日のジョージの顔にだぶる。
兄さんは絢矢の腕のなかで眠っているようにみえた]
(81) 2014/02/12(Wed) 02時頃
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[その後か、明からも許しを乞われたのは。
奉げる意志を見せなくとも、機嫌を悪くする様子は見せず]
飼うならしっかり世話をしてやると良い。
[あの場から連れて来た人間が家畜で済まされる筈は無い。
許可を与えた後、他の吸血鬼達から
不満や不安が漏れるだろうが]
だから愉しいのだ。
[身近に敵がいる等なかなか体験出来る事では無い。
零瑠の願いもあれば、2人を暫し生かしてみると言う
選択肢が浮かぶ]
[心を震わせる聲に、感嘆の息を漏らす。
滅多に聞けぬその柔らかな音が、ずっと欲しかった。
良い子だと褒める言葉が、欲しかった。]
あぁ……
ええ、
純血のお姉様の血を――全てを。
お父様の許可があれば、
お姉様の意思は関係ないのでしょう?
[ 支配する者は“父”ただひとりだけなのだから*]
それにお姉様がご存知ない方が、
――……“愉しい”のではありません?
[もちろん、それは姉の力と命を奪うということだ。
“姉”に刃をむけたところで、叶わなければ滅ぶは自身。
――己を賭けた悪趣味な遊戯*]
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[後から来た介護班がそばに寄れば]
…そのまんま連れて行って、なんてやっぱり無理だよね
[絢矢の腕の中のものを指さす]
もしだめでも その…その吸血鬼の首と体は 綺麗にして連れて帰ってくれないかな 私たちの兄なんだ。
(85) 2014/02/12(Wed) 02時半頃
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[眷属達を労い、自由を与えた後、次の目標を示す]
次は残党達が逃げ込んだ地で遊ぶつもりだが。
偵察に行って来ると良い。
[目標への偵察を命じたが、駆けて行った者は誰か。
そして羽ばたいた鳥が、
何処で何をしようとも気にする事無かった。
それこそ密告をしようとも想定内なのだから**]
……ありがとうございます。
[伏していた面を、更に深くした。
涼平に聞けば、他の家族の居所もきっと手繰れる。
遠からず、また皆で、一緒にいられるようになる。
けれど、そこに直円の姿はない。
喪われて、戻らなくなってしまった]
――赦さない。
[けれど、傷は重い。次を動くには、手当と時間が必要だ**]
[マユミの更なる返答に口元の牙が光った。
ただの人形かと思っていたが、随分成長したようだ]
面白い。
何処まで成長したのか、私に見せて見ろ。
[美しい人形達の戦い。
また1つ愉しみが増えた。
あっさりとホリーと言う駒の隣にマユミの駒を並べて、
どちらがクイーンに変わるのか、ただそれを思うだけで
退屈な時間は潰れていった**]
|
わたしは、いい。 少し走りたいんだ。
[ホリーへと投げつけた片刀を草叢から回収すると エンジンをふかしひとり暗闇へ向かって走る。
走れるところまで走ると海岸に出た。 ライトをつけ声ならぬ叫びをあげ兄の名前を呼ぶ。]
―兄さん、兄さん 直円と円はまるでつながってるんだ。 円ってどこまでもきれることないんだよね、 兄さん。
[泣いてもここでは波音に消されるから、 思いっきりひとりで泣いた。子供みたいに**]
(89) 2014/02/12(Wed) 02時半頃
|
― 始祖の城 ―
全く、教育って難しいですわね。
お父様の愉しみを一つ無くしてしまってごめんなさい。
[皆が去った後。
直円に関しては素直に詫びた。
雑草とトルドヴィンが呼んでいた彼が失われた事に関しては、ホリーの育成方針に間違いがあった可能性もあるのだから。]
その代わり……と言うわけではないけれど。
此方側に引き込んだら愉しそうな子も見つけましたわ。
いずれ、お父様にも紹介できたらと思いますの。
[特に何も言われなければ退出し。
絢矢と円とサミュエルとの戦闘を思い出しながら回廊を歩む。
それぞれ個性があった子達だった。
ああ、そういえば。
サミュエルとは結局、まだ戦ってないと思い。
次に出会った時は直接戦うのも良いだろうと思っていた。]
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