299 さよならバイバイ、じゃあ明日。
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[葬儀屋の元へ向かおうとしたところで、不意に声がした。
ソランジュ、と上がった名前には、ひとりびくんと肩を揺らして。]
――ソランジュ、か。
見かけたとも。……見かけたとも。
[嘘は言っていない。これから狐がこちらにやってきたら粉屋に会えるなどとは言っていない。
しかし、声はずいぶんと震えてしまった。
喉から出す声より、ずっとこちらの声は平静を繕いにくい。]
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─ 黒鉄機関車の機関室 ─
[ボーッ]
[ボーッ]
(6) 2019/10/12(Sat) 01時頃
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[今日も変わらずに、黒鉄の機関車は街をレールに沿って巡る。心臓部に赤々とした火を灯して、煙を空に吐き出しながら。 ゴーグルをつけた犬が、火が絶えないように石炭をザラザラと炉の中へと放り込む。 煤けた毛を拭って、ふーッと彼は息をついた。
それから、チラとガタゴトと揺れる機関室の端っこを見やった。]
……
[正しくは、機関室の端っこに座している白い大鷲をだ。]
(7) 2019/10/12(Sat) 01時頃
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[鳥は何も言わないし、犬も何も言わなかった。だから機関室には煌々と燃える炉がときどき弾ける音がするばかりだった。
犬は触らぬ神に祟りなしと思って居たし、 鳥の方は、今は話す気がないらしかった。
流れていく外に目を向けると、 いつもなら大鷲がうるさく叫んでいる広場が見えた。
だいたい、一日で、街をひとめぐり。
そういうサイクルで機関車は街を走っている。]
…… ウム。
[広場が見えて、鳥は漸く声を発した。
少しびくっとした犬の方は、それでも無言を通している。ときどき鳥は列車の運行を邪魔しにくることがあったので、注視はしているようだったが。]
(8) 2019/10/12(Sat) 01時頃
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[広場が見えて、鳥は漸く声を発した。
少しびくっとした犬の方は、それでも無言を通している。ときどき鳥は列車の運行を邪魔しにくることがあったので、注視はしているようだったが。]
ティムよ。今しばし、炉を頼む。
[そう言って、大鷲は翼を広げた。犬の方は、言われるまでもないことを言われた。という顔をしたが、やはり黙ったままを貫いたため、鳥が空を飛ぶのを邪魔はしなかった。
ばさり。と羽音を一つ残して、鳥は空を行く。 翼が目指す方向には、粉屋があった。]
(9) 2019/10/12(Sat) 01時頃
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→ 粉屋 ─
[街には、雨の気配が漂っている。ファサァ、と軒先に降りた鳥は、主人がいなくなった粉屋に、狐の来客があるのを見つけた>>2:93。]
……粉屋なら。今しばらくは帰らんぞ。
[そう狐に伝える鳥は、いくらか難しい顔をしていた。 葬儀屋の手の中だ。とだけ、狐には伝えた。
狐が残念がるのなら、そうだな。と鳥は答える。 今、粉屋が色粉を作れないのは事実だったからだ。
粉屋の中には、ソランジュが潰して作ったそれはそれは色々な種類の粉がおいてある。 狐が好んで使う粉も、葬儀屋に渡されるはずだった粉も>>1:122。]
(10) 2019/10/12(Sat) 02時半頃
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……
[身辺整理のようなものは、されていないように見えた。 それで。だから。鳥は粉屋の死は、やはりいきなりだったのではないかと、そう思った。本当のところなんていうのは、結局鳥の頭でどれだけ考えても、もしかすれば鳥の頭でなくともわかりはしないのだけれども。]
(11) 2019/10/12(Sat) 02時半頃
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祈祷師は、 ……ああ。そのカラフルか。
[色粉にしてもらいに来たのか。とそんな調子で鳥は狐の来訪理由を勝手に推測した。]
…… …… 残念、か。 さみしいは、ギロも言っていたな。
… … また。あっさりしているものだな。
それだけか?
[狐の感想は、鳥には諦観めいて聞こえる。それは少し、不思議な気もした。 鳥は粉屋には、以前に儀式の舞台を整えるときに注文をした以来の、客と店主のちょっとした付き合いぐらいだった。狐の方が、きっとよく会話をしていたくらいの。]
(12) 2019/10/12(Sat) 02時半頃
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[だからか、狐の態度は、鳥にはよくわからないものだった。粉屋と親しくしていたように思えていたから、余計に。]
我には、そういう態度は。 正直、よくわからん。
いや。……非難をする気はない。 ないが、……
…… この街にいるせいか。 慣れる、ものだろうか。
[それも、鳥にはやはりよくわからなかったけれど。]
しかし、
(13) 2019/10/12(Sat) 02時半頃
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それは……それは、なんだか。嫌なものだ。
(14) 2019/10/12(Sat) 02時半頃
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[大鷲は、半眼に視線を落として空を見上げた。 いい。とも悪い。とも言い難い。
ただ、嫌だ。とだけ言って、 そのままその場所を動かずに、 暫くまた、黙りこんだ*。]
(15) 2019/10/12(Sat) 02時半頃
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[見送った3人のそれぞれの最期を思う。
彼らは死を良いものにできたろうか。
少なくともソランジュは、意図しないものだったのではなかろうか。
虚しさに少し、目を細めた。]
……どうだろうな。
[いずれ訪れる死をいいものに。
したいか、と自分に問えば、答えはなかった。
何がいいのか、良くないのか。
それすらもよく、わからない。]
[痛い、苦しい、自分の身体が自分の意志で動かない。
それは本当に怖かった。
せめてそんな時間がほんの一瞬であれば。
自分にとってのいい死に方はそれかもしれないと思ったが、どう死ねばそうなるのかもわからない。
死を迎えるための準備をするというのもどうも性に合わない。その間ずっと不安に震えてしまいそうだ。
怖がりの耳長は、ただその時が来るのを平然と待つばかり。]
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