94 眠る村
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[仲間を呪うなんて ―――― できるわけが、ない]
[クラリスが][ゼロごと燃えていくのをただ、見ているしかできない]
ボクは、"また"―――
――― ゼロを救えなかった。
[それは誰にも言わなかったエイトの名の由来に繋がる物語]
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[フィリップを地面へと引き倒した時。 丁度、蒼い炎がクラリッサを包みこんだ。 男は腕で顔を覆い、その隙間から様子を、見詰める。]
―――殺してくれても良かったんだけどなァ。 …――こんな、事になるならさァ…
[呟く声 向けられた顔はティモシーへ。]
(0) 2012/06/18(Mon) 23時半頃
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ごめんね…、ゼロ。
ボクがいたのに、――― 守れなかった。
ゼロ、返事をしろよ。
また、嗤えよ。
……ッ、―――― くそ。
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……――ティモ爺さん。 あんた、…人間なら、なんで邪魔してくれてンさァ……
[男は、見開いた眼の焦点合わさずに老人へと呟く。 はぁぁ、と吐く息は酷く遅く、怒りを抑える為に手が震える。]
――どういう事なんだ。 あんたは本当に「力」を持ってたって事なのか。 なら、俺の敵じゃないなら…――
…フィリップとケヴィンが、人狼、なのか?
[男はフィリップとケヴィンへと視線を向けて。 ふらり、椅子へと身を落とし――]
…あぁ、くそッ…
[机に突伏した*]
(2) 2012/06/18(Mon) 23時半頃
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[それでもエイトは演じ続ける]
[それがエイトの信念のように]
[内なるものを秘めていても]
[それを覆い尽くす冷たい氷のように]
[この男の手を取り続けることが]
[危険だとは、まだ、知らない]
ずぅっとケヴィンと、こうしたかったんだろォ?
なにを拒む必要があるっていうんだ。
ボクは ローズマリー、だよ。
[同じだからこそ][残酷なのだと知っている]
[――― そして、村に深い霧が覆い始めると]
[どんな状態であろうと、人は皆 眠る―――]
眠れよい子よ 庭や牧場に
鳥も羊も みんな眠れば
月は窓から 銀の光を そそぐこの夜
眠れよい子よ 眠れや
――― ねむれ
[眠りに落ちる男たちを見る瞳は冷たく]
ボクはやさしいねェ
…、シメオンの元に送ってあげるんだから、さ
[亡骸と共に泣いていたフィルの前でぽつりと落とす言葉]
あの世でクラリスに、振られちゃえば…いいよ
[クラリスの願いは叶えない]
[駒は残す]
[エイトは迷うことなくフィルへ牙を向けた]
さァて、本物様は どうするかなぁ
[裡で聞こえる嘆きの聲にくっくと喉を鳴らして嗤う]
ローズ、キミは弱くてェ、甘い
だけど …人を殺し続けても、もう、…慣れてきただろ?
[いたぶり続けるエイトは魂をがりりと削るように言葉を紡ぎ]
[――― 夜を、愉しむ]
[―――これは夢か][それとも唯の幻か]
はじめまして「ゼロ」
はじめまして「ゼロ」
キミの
ボクの
名前は
『ゼロ』
…ゼロ、
ボクをおいていくなんて
ほんとにキミは勝手だ。
[けれどエイトはそんなゼロが好きだから]
でも 大丈夫。
ボクの中に ゼロは無限に広がって存在している。
だから、
――― ボクは エイトなんだ。
[無限の闇の鎖に繋がれたまま]
[人に寄生し生き続ける獣]
[夜も自らが眠る事はない]
[やすらかに眠ることなんて]
[許されない]
[夜の眷属]
魔女様に逆らえなかった、か。
[仲間の最期の言葉を呟いて]
[自分の裡にもいる魔女]
…、ローズ
[成り変わって演じて]
[その境目が][狂い始めそうになる]
キミの大切なものを
沢山奪ってやったのに
沢山嘆かせてやったのに、
絶望しないんだ。
諦めないんだ。
キミなんて、
何もできない弱い女だってのにさ。
…、弱いくせに。
弱いくせに。
――― 人間の、くせに。
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[体を揺する手、男の細い身は大きく揺れて目を覚ます。 鼻腔擽る渋い香りに鼻をひくつかせ、半身を起した。 見えるがっしりした体の輪郭を、前髪の裡から追う。]
……――?
[一度、訝しげに見たのは椅子に彼が跨った後。 それもただ瞬きの間だけで、気だるげにカウンターへと凭れ。 男の言葉には言葉挟まず、ただ、じっと見つめる。]
(26) 2012/06/19(Tue) 14時半頃
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…――あいつらは、俺にとっては疫病神の何者でも無いさァ。 が、それは…――あの、華やかな兄さんと姉さんじゃねェ。
[目を眇め、机に手を伸ばす。 一度宙を掴んでから、サンドイッチを取り口へと運んだ。 コーヒーは、少しぬるくなっている。]
ケヴィンは情が深ェ。
[言って、尻から取り出した煙草、紙に葉を置くが 随分とそれは机の上、散らばって。]
(27) 2012/06/19(Tue) 14時半頃
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…――、人狼のお伽話しって奴、知ってるか。
[低い声で紡ぐのは、眠っている間に見た夢のこと。 随分昔、ラディスラヴァがまだ自分の腰程までの身長しかなかった頃。 彼女と一緒に、今はもう亡き祖母に聞いた事が、ある]
知らねェなら…――良いさァ。 知らねェ方が、…俺は、良い。
[知って居ても、男は少し困った風に口歪めるだけで。 煙草で口を噤み、出て行く男の広い背を見送った。]
(29) 2012/06/19(Tue) 15時頃
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…――4人? つまるところ…――フィリップが、喰われたのか。
[現われたローズの言葉に、息を吐く。 若い芽を、護りたかった。 その為に、昨日クラリッサと共に死ぬのも厭わないと思ったのに]
…――、
[ギリ、と奥歯を噛みしめる。]
(30) 2012/06/19(Tue) 15時頃
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…ティモ爺さんは人間さァ。 ――だから、あんたかとケヴィン、 もしくは――どちらも殺せば終わる。
[男が低い声で呟くのは、自身の立場からだけ見える世界。]
(32) 2012/06/19(Tue) 16時頃
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[望む死が与えられず、生き続けられる苦しみ]
[奥歯を噛む姿は誰かと重なる]
[それでも][エイトは、――― 宿主を演じ続ける]
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――何故さァ?
[問う言葉は、語尾上げて。 過ったのは、ひとりで死にたくないと言った女の言葉。]
(34) 2012/06/19(Tue) 16時頃
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…――つまりそれは、「自分が人狼」だという 宣言だと、俺はとるぜ?
[男にとって、残るはふたりだから。]
(36) 2012/06/19(Tue) 16時半頃
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