1 とある結社の手記:6
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[サイモンは机に座り、頭を抱えている。 その彼から発される言葉に、ローズマリーは眉を寄せた。
逃げろ。──逃げろ。と、そう繰り返す相棒に
やっぱり、占い師の力は、自分にはよくわからない。 と、そう顔に出して、サイモンを一瞥した。]
(@0) 2010/02/19(Fri) 03時半頃
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…どういうこと?
[それに対して、ふぅっと溜息をついたサイモンが、 説明するために、口を開くまでを待つ**。]
(@1) 2010/02/19(Fri) 03時半頃
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─集会場、広間─
[椅子に座って、手に持った猟銃はを杖代わりのように、 持ち手に両手を乗せて、サイモンを見送った。]
……慌しぃんだから。
[夜の間に、集会場の入り口は補強され、 獣でも易々とは破れない錠がかけられている。]
(@2) 2010/02/19(Fri) 03時半頃
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皆、説明は、きぃたわねぇ? じゃぁ──『大人しく』しててくれると助かるわぁ。
[ちゃら──。と、入り口の鍵を持つ女は、そういうと 冷たく鈍い銀色の鍵を鳴らして、席を立った**。]
(@3) 2010/02/19(Fri) 03時半頃
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[「人狼宛」の手紙が来たと聞いたとき――――…、
心臓が止まるかもしれないと思うほど、ぞくりとした。
―――――もう、ばれたのかと思った]
―深夜・自室―
[そうでなくとも、薄々は感じていた。
あの、見慣れた村の夕焼けを見上げながら。
縁起が良いと言われている流れる雪雲を見つめながら。
少年は、ずっと考えていたのだ]
………きっと。
[きっと、生きて帰ることは出来ないのだろうと]
『…これほどまでに能力者が多いとは。
最悪の憶測は、得てして最悪の現実を呼び寄せるものらしい。
たかだか1日の観察では到底見分けが付かなかった。
しかし彼等は間抜けなのか。私の前で能力を明かすなど。失笑を抑えられない。
それとも…これは罠だろうか。
まあいい。それはそうと…』
――――……嫌だ。
しにたく、ない。
[青白い顔で苦しげに呟くと、去っていく結社員の男の背を見送る。
一瞬少年の瞳に浮かぶのは、感情も何も篭っていない色]
あぁ。
「なんとか」しないと。
[そのまま顔を上げれば、
周囲を見渡す彼と目が合っただろうか。
強張ったままの表情で、それでも僅かに微笑んだ]
[囁きが聞こえる。
人狼の巣くう村があるという、酒の肴の噂話を聞いたのが十数年前。
やがてこの村に辿り着き、以来遠巻きに見守っていた異国の同族達。]
…恐れるな。恐れは悪魔を呼ぶ。
[諭すような、だが慰めるような囁き。
しかし継いだ言葉は苦々しい。一瞬目が合う。
慎重に、等分に見渡すはずの表情に鋭い光が宿った。]
結社を呼び込んだのは、お前か?
この村の民を襲うとはこらえ性のない…。
[ふいに頭に響く声。
自分以外の「声」を聞いたのは、本当に久しぶりで。
幼い頃の記憶に残っている、唯一の同属の正体は――…]
―――――……父さん?
[思わず此処にいるはずの無い父を呼び、
次いで青年の鋭い眼光に気づいてはっとする]
ヤニク、さん…。
[周りの者に悟られぬように、
視線はそれ以上合わせず俯いたまま。
けれど床をじっと見つめる瞳は、何度も何度も瞬いた]
貴方も、僕と、同じ………?
[この村に自分の他に人狼がいることを、
少年は今日のこの日まで知らなかった。
変死体の話を聞き、まさかとは思っていたが、
それが確信に至ったのはまさにこの瞬間]
僕、襲って、ないです。
[彼の疑問に答え、押し黙る。
つまるところ、この村には彼ら以外にも人狼がいて、
その者達が村民を襲撃したということなのだろう]
…………。
人を襲ったことも、ないです。
[人狼としては、あまりに情けない台詞。
相手はなんと思うだろうかと、呟かれる声は暗い]
[少年は生まれた頃から虚弱だった。
辛うじて人狼としての特性は備わっていたものの、
狩りをするほどの強さは無かったのだ。
そのことが父をどれほど落胆させたのか、
彼は身に染みて感じていた。
だから、何とか期待に応えようと頑張った。
認めてもらえれば、
また父と一緒に暮らせると、思っていたから]
でも、僕、大丈夫です。
絶対に足手纏いには、なりません。
[必死に、この村で始めて出会った「同属」へ告げる]
[年を経るに連れて、少年の人狼としての能力は
ゆっくりながらも覚醒してきた。
もっともそれと反比例するように、
今まで人間を食べてこなかったことの負荷が
体に掛かってきているのだが。
少年の体は年齢の割には小さい。
体調の不調も、多くなってきた。
これらの原因を、少年は本能のレベルで悟っていたのだ]
[襲った事がないと告白する声に、微妙な間を挟んで言葉を返した。]
……そうか。まあいい。
であれば我らは無実の虜囚。目には目を。歯には…歯を。
お前の言うとおり、座して待つ必要などない。
災いを転ぜよ…。お前は人狼なのだ。囁くだけが能ではないと証してみせろ。
[煽るような囁きに熱が纏う。
そして声の色が、唐突に優しさに似たものに変わった。]
カルヴィン。お前の父君には、世話になっている……
[昨日の、彼の肩を叩いた意味が伝わっただろうか。**]
『囁くだけが能では無いと、証してみせろ』
[その力強い言葉は、少年の心を揺さぶるには、十分過ぎた。
膝の上で握られた拳。それは怯えるだけではなく、
「生きる」のだと強い意思を帯びていき]
―――――……はい。
[真っ直ぐな声が返る。
続く彼の声の優しさに、その内容に、はっとするように息を呑み]
えっ。父さ……、父を、ご存知なんですか…?
[そうして思い出す。
昨日手紙の話をした折に、肩を叩いてくれたこと]
……ヤニクさん。
貴方は、沢山ご存知なんですよね。
父のことも。人狼《ぼくたち》のことも。
[一度小さく深呼吸して、続けるのは真剣な声]
お願いします。僕の、先生になってくれませんか?
僕は「人狼」として。
色んなことを知りたい。…学びたい。
…甘えるな。
[その突き放すような台詞とは裏腹に、いつもの愉快げな声で囁く。
少し間が空いた後、さして気負うふうでもない囁きが続いた。]
俺の国では…
人狼は珍しい存在だったが、決して特別な存在ではなかった。
父は人間だったが、数千人の奴隷を恣にしていた。
たまに俺や母が人を食らおうと、何ほどでもなかった。
父と俺が仕えたカリフは、俺に興味を示したが嫌悪はしなかった。
人狼などその程度のものだ。…我々は人狼だ。…だがそれだけだ。
[己の存在を、カルヴィンはどう思っているのか、思い巡らせて後を継ぐ。]
とは言え…
お前の父君は、この俺の述懐に酷く御立腹だった。
カルヴィン。お前の父君は誇り高い御方だ。お前は…どうかな。
[そう言って、苦笑気味に笑った。]
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─集会場─
[中と外をはっきりと隔てる入り口の錠が、がちゃん。と音を立てた。
狼のマフに、コートを着た女は、 ぱっぱっ、と、自分の肩にのった雪を払い、 銀色に木製の持ち手の猟銃を持ちなおして、広間へ向かう。]
(@4) 2010/02/19(Fri) 21時頃
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じゃ、そこで待っててねぇ?
[銀色の鍵だけは、外で震えながら突っ立っている、 下っ端の新人結社員に預けられる。 ──【施設の施錠は、外から】が、鉄則だ。]
(@5) 2010/02/19(Fri) 21時頃
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→集会場、広間─
[音も無く挨拶もなく広間の中に滑り込むと、 広間の中、キッチンの方、各自の自室に繋がる階段の方、 それぞれを見回してからコルクボードの前へ。]
──はい、はい。
"二人"も名乗り出てきたんだものぅ。 それは、気になるわよねぇ?
[朝。二人名乗りが上がったコトを思って、くすりと笑う。 ざっと内容を確認して、服の内側からメモ帳を取り出した。]
(@6) 2010/02/19(Fri) 21時頃
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…まず──…、雪をバケツにいっぱい? まあ、これくらいは、かまわないけどぅ。
[持ち出しの必要なメモについては、 とめているピンを抜いて、メモそのものを手帳にはさんだ。]
【コルクボード】
『>ラルフ宛>>68
OK。次に来るときにでも、 真っ白くて冷たいのを差し入れるわ。』
(@7) 2010/02/19(Fri) 21時頃
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【コルクボード】
[Catharine・Fowler.宛のメモに重ねるように赤いピンでとめてある。]
『二人いる可能性については──
もし、同じ能力者が近くに二人いるなら、 相手の近くに行けば、調子がおかしくなって気ける筈よ。
誰の傍によっても、普段と変わりないのに 二人も名乗りがあるなら、 それは、相手がうそつき。ってコト。』
[書き出されている字は、丁寧だがどこかしら素っ気無い。]
(@8) 2010/02/19(Fri) 21時頃
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[集会場の前辺りに、一歩でも出ることは出来ないのか?との Bennett Barclayの署名入りのメモに重ねるように青いピンでとめてある。]
『 できないわ。 』
(@9) 2010/02/19(Fri) 21時頃
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[Pippaの署名入りのメモに、重ねるように緑のピンでとめてある。]
『Q1:占い師が二人いって場合もありうるかもしれないけど、 それなら、お互いに近づいたら、体調がおかしくなる筈よ。
Q2:【サイモンが人間だ、と判定した人なら】、 お外に出してあげてもいいわ。
それ以外の人については、答えはNOね。』
(@10) 2010/02/19(Fri) 21時頃
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……うぐ。 すみません。
[突き放すような台詞に、小さく声を零す。
けれど彼の語調が柔らかかったことも手伝って、
めげずに何とかヤニクの続く言葉に耳を傾ける]
む。むむっ…。
[彼の語る世界は、文化の全く違う国のことだ。
本などでの知識もあまり多くは無く、
全てを理解するのはきっと難しかったけれど]
人を食べても、――…殺しても、
逮捕されない国、だったということですか?
でも、嫌悪、…怖がられなかったのは、
良いことなのかなと思います。
[此処ではきっと、そうはならない。
だから、隠して生活してきた]
[人狼が、どういうものなのか。
自分を人狼と知りつつも、人間と同じように
生活してきた少年にとって、それは難解な問いだ。
けれど話の中に父のことが出れば、どきりと心臓が鳴った]
父は自分が人狼であることに、誇りを持った方です。
とても高い理想を持った、強い人でした。
[だから相手の話に怒ったというエピソードには、酷く納得がいく。
自分について問われれば、暫くの間を置いて]
僕は、………。
僕は父さんのように、なりたい。
[けれどそれは少年の父親とは似ても似付かぬような、
どちらかと言えば無邪気な声]
1人は偽物か。
[カルヴィンの無邪気そうな囁きに、まるで被せるように嬉しそうな囁き声。
いずれ彼の真摯な思索に答えるつもりでも、それでも目前のニュースに声は弾む]
俺が人狼なら…ふふふ。
人狼に都合の良い占い師とやらが居てくれれば、どれだけ有り難いことか。
そうだな…その手があったな…。
[―――勘違いとしか、思えなかった。
だって、人狼でもない彼らが嘘を吐く必要性を、
感じなかったから]
……ど、どういうことでしょうか…。
に、偽者……!?
[あっさりと答えを出した同属の囁きに、驚いた声を返す]
…………??
ええと、ええと……。
僕達に味方してくれる人がいるということ、ですか…?
[何処か声は呆然としている。
少年にとって、あまりに意外な展開だったからだろう]
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