276 ─五月、薔薇の木の下で。
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――夢の中の邂逅――
……おは、よう。 ええと、ヒュー、だよね。ヒュー、ルック?
[暫く前に食堂で会った、という記憶はある。 名前を聞いて覚えたと思っていたが、まだどこかうろ覚えで。 ただ、包帯を巻くような怪我をしていた気がする、と探るような、疑問に満ちたような視線で、下級生を見た。]
(+0) 2018/05/23(Wed) 00時頃
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ヒュー。
[記憶力にはあまり特化していない脳は、後輩の名前がファーストネームだけになった>>+1のを喜んだ。 改めて確かめるように呼んでから、彼のポケットから出てきたものを見る。 ころり、転げるような小さな木彫細工に、軽く目を見開きつつ。]
(+7) 2018/05/23(Wed) 07時半頃
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あれ、これって確か先月の。 そうか、あの時そういえばそのままあげたんだったか。
……宝物……これが?
[仕上げの飾り彫りがまだ足りない木彫の翼。 それを宝だと言われれば照れくさいやら何やらで、憮然とした口振りになる。 人の宝物になるという感覚は、まだ未体験だ。 くすぐったくて、どういう顔をしていいかわからない**]
(+8) 2018/05/23(Wed) 07時半頃
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[戸惑いと面映さで所在なくしていた後ろから、不意に声がした>>+20。 誰もいなかったはずなのに、と瞬いて振り向けば、そこには同室の。]
……何してるの、こんなとこで。
[おそらくお互いさまな一言を、遠慮なく放り投げた。]
(+21) 2018/05/23(Wed) 20時半頃
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うん? 何、お前具合悪いの。 まったくマークといいお前といいどうしてこう連休だってのに……
[>>+22小言めいた言葉とあからさまに態度を変えるのは、同室ゆえの気軽さだ。 誰かが連れてきてくれた、なんて悠長に言うが、つまりここに来るまでのことを覚えていない――意識がなかったということだ。 熱はないかと柔らかな髪に隠された額に触れようとして、ふと。]
(+25) 2018/05/23(Wed) 22時頃
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……あれ、そういや俺、なんでここに。
[いるんだっけ。 人に聞く前に自分がここにいる理由が不透明すぎた。 確か図書室のソファで寝ていたはず。 そして今は、窓の外によると昼間に見える。 どれだけ寝ていたのだろうと辿るように、眠るまでのやり取りを思い出せば、耳の先が熱くなる。]
(+26) 2018/05/23(Wed) 22時頃
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[不意に、呼び声が聞こえた気がした。 は、と瞬くけれど、反対を振り向いてもそこには声の主はおらず。
小さな自己嫌悪に息をつきながら]
……お前、が、連れてきたとかじゃないよな?
[振り向いた行動を正当化するために、後輩に問いかける。 怪我のあった手で、それが可能とは思い難かったが、苦肉の策だ。]
(+29) 2018/05/23(Wed) 22時半頃
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――まだ、二人だった頃>>+37――
いや、まあ、好きにすればいいけど。 礼を言われることじゃないし……でも、ま、有難う?
[今まで褒められること自体は、なくもなかったが。 未完成の、特に何になるでもない小さなオブジェを大事に見せられて、面と向かって宝と称されるのはまずない経験だった。]
それでよかったの。
[ありがとう、と告げられた気持ちを受け取ったくせ、まだどこか否定したがりの自分が、逃げ道を欲しがる。 そんな時だ、同室の影が現れたのは。]
(+40) 2018/05/23(Wed) 23時半頃
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――それから――
マークは、どうだろ。 自分で具合悪いって言って、食堂から出て行ってたよ。 顔色悪かったし早く休みなって言ったんだけど、大丈夫かね。
[>>+32触れてみて確かめた額はいつもより少し熱い気がしたけれど、正確なところはよくわからない。 いつもなら紅茶を淹れて蜂蜜を溶かしたのを出してやるところだけれど、あいにくここは医務室だ。
首が傾いたが、特に指摘されなかったために赤くなった耳に気づかれているとは思わず、マークのことだろうと脳内で完結し。 お前は気にすんな、の代わりにくしゃりとフェルゼの髪を撫ぜた。]
(+41) 2018/05/23(Wed) 23時半頃
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[言うつもりのないやり取りは、胸の奥に秘めたまま。 様子がおかしい、と言われれば、知らぬ間薔薇に酔い、無自覚なままにおかしい筆頭だった己には、そうだったのかと納得するが。 >>+34イアンの名前が出れば微かに顔が強張り、その言動を聞けば>>+35、どくんと胸の奥が跳ねた。]
……ちがう、
ちがう、そんなの。
[反射的に否定を口にしてから、はっと口を噤む。 何をどう、されただとか。傷ついたか、だとか。 具体的なことは言わないまま、唇を噛んだ。]
(+42) 2018/05/23(Wed) 23時半頃
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そうだな。早く、終わればいい。 悪い事なんて、ないほうがいいな。
[誤魔化すように、終わりを願う。 様子がおかしいのリストに書き加えられそうな、あからさまな切り替えだった*]
(+43) 2018/05/23(Wed) 23時半頃
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……は? え?
[>>+39連れてきたのかと聞いた相手は、予想外の反応を返した。 今、何て言った。]
夢の、中、って。
[ぐるり、見渡す。 明るい医務室。そばにいる二人とは普通に話も出来るし、意思の疎通に問題はない。 夢の中などという言葉のほうが信じがたい。 外はどうなっているかと窓の側を見た時、先ほどまではいなかった人物>>+36がそこから中を覗いていてびくりと肩を揺らした。]
(+44) 2018/05/23(Wed) 23時半頃
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そうだ、怪我。
[>>+47していた、確かに。 今はどうだと後輩を見れば、ひらひらと振られる右手>>+54。 それはここが夢だと言う説得力を真っ直ぐぶつけてくる。]
そうか……
(+56) 2018/05/24(Thu) 00時頃
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