25 花祭 ― 夢と現の狭間で ―
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はい。
[華月の名に返事をする。故に今は花。 主の浮かべる微苦笑に、浮かぶ感情――哀しい。
心配、その単語に頷きを一つ返す。 続く言葉に、緩く唇を噛むのは否定か、それとも。 少しの間、俯く。]
[けれど、途切れる言の葉に、苔色を黒檀に合わせた。 沈黙を持って、先を待つ。 まだ、鵠とは手をつないだままだったろうか。 そうであれば、少し握るを強めた。]
(+91) 2010/08/09(Mon) 22時半頃
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御意。もちろんや。
[主の願いに惑うことなく告げる。 鵠の言葉は聞かずとも判る。 それは、主の言葉途切れた時の、鵠の言葉にも見てとれる。
もしかすれば、 また双花の答えは重なったのかもしれない。]
(+92) 2010/08/09(Mon) 22時半頃
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あるじと呼ぶ 其の時から
繋ぎとめられるのは 花だけでなく
[静かに呟く 瞳は現世を映し]
迷い断ち切れぬのは キミも、同じじゃないのかい明之進
(+93) 2010/08/09(Mon) 22時半頃
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説法師 法泉は、メモを貼った。
2010/08/09(Mon) 22時半頃
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[熱さは感じず。ただ花主と花の様子を見ている。 抱いた花の頭を撫でる。
もうすぐ――]
お前の歌を、もう一度聴きたかった。
[眸に移るのは寂しげな色]
(+94) 2010/08/09(Mon) 22時半頃
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[秋色の髪に触れた手 気付くに間が空いた]
主さま 歌も、笛も、足が治れば舞いも この身が覚えた芸事は 幾多もありましたのに
[腕の中、背を靠れさせたまま 主の顔は見えず]
…――
(+95) 2010/08/09(Mon) 23時頃
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───ああ。
[冬の花の言葉。 己にはそれで十分。 そう思えば、何処かから聞こえる喧騒。
───姿は消え。
そしてある場所に降り立つ。 視界には、歎く椿の姿]
(+96) 2010/08/09(Mon) 23時頃
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[彼は、椿の事を何と呼んでいたか。 その椿へと、一つ、二つ。 足音のない歩みは近づく。 少しためらったが迷いはない。 椿の背から、そっと。守る様に両の腕を伸ばして、包むために。
確か研師はこう呼んでいなかったか]
───明。
[一度で反応がなければ、もう一つ。 自分に気づけば、合わせるようにと鉄色の瞳は無言で告げる]
(+97) 2010/08/09(Mon) 23時頃
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本屋 ベネットは、聞こえる自分の扇の音に少しだけ口元を緩めたが、笑みはすぐに消える。
2010/08/09(Mon) 23時頃
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―――――御意。
[ごく丁寧に、答え。 それさえ重なり、しろい鷺の花が 小さく揺れた。]
(+98) 2010/08/09(Mon) 23時頃
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屋敷なくしては 保てぬ ……きっと
[琥珀伏せる姿に ぽつり、囁き落とす]
(+99) 2010/08/09(Mon) 23時頃
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本屋 ベネットは、メモを貼った。
2010/08/09(Mon) 23時頃
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[二つの声、重なった返事が戻れば黒檀を伏せて]
―――…うん、
[少し、幼い頷き。下りた髪が揺れる。 安堵したかのように浮かぶ笑みは、 死に際にも浮かべた憂いの乗らぬ穏やかな…]
(+100) 2010/08/09(Mon) 23時頃
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[少し遠くから聞こえるのは儚き花を呼ぶ声。 炎は止まぬ、花を留めようと呼ぶ声も。]
(+101) 2010/08/09(Mon) 23時頃
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生者は、生者の道を 死者は、死者の道を もし 同じ道を望むなら 生者死さねば 叶わない
[呟き、溜息ひとつ 視界が紅くあかく]
望みはひとつ 願いはひとつ
ふたつ心懐いたなら
(+102) 2010/08/09(Mon) 23時頃
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[するりと。 手元に残ったものは何もない。 椿は既に、向こう側に]
───。
[驚きのあと、小さく苦笑が零れた]
こちらへと招く手は、必要なかったか?
[椿に尋ねる。 主と呼ばれた男に、決別を進めたのは自分。 そこまで情が深くなったというのであれば、行方知れずの椿の主のかわりに 椿をこちらへと招くための手を差し伸べてこそと思ったけれど]
(+103) 2010/08/09(Mon) 23時頃
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[2つの同じ返事、受けて主は幼く頷いた。 それに愛惜の念を持つ。
―――2つが花であるとき。 それは、主が花の名2つ呼ぶ時。
鵠と呼べば白鷺が。 華月と呼べば胡蝶が。
それぞれ花に身をかえて、糸を頼りに蒼穹より舞い降りよう。]
[今は花として、主の隣に控え、同じものを見る。 駒鳥の啼く唄に想いを馳せながら。
望みはひとつ――蝶でありたい。 願いはひとつ――花でありたい。
ふたつ心懐いて。]
(+104) 2010/08/09(Mon) 23時半頃
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[邦夜達が無事な場所まで辿り着けたのを確認して。 ゆらり光は人影に。
手には主が持つ笛を強く意識して構え。 別れ告げる長い音色]
されど。 こころはきえることなく。
[現の風には乗らぬ一音を吹いた**]
(+105) 2010/08/09(Mon) 23時半頃
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虎鉄……――― お前はどうしたいん?
(+106) 2010/08/09(Mon) 23時半頃
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[――朧月は、笑む。 憂いの乗らない笑みに、 自然、つられるように顔がほころぶ。
頷けば ――りん、と鈴が鳴る。
双翼は蝶であり白鷺。 華月であり鵠。
朧なる月の傍に舞う。]
(+107) 2010/08/09(Mon) 23時半頃
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繋いだ手はここに。 見失う事は無いでしょう 死期を悟ったそのときに、体は勝手に動くもの
[虎鉄の笑みに混じるいろ あの微笑み方を知っている]
燃える、もえる あかく、紅く
黒煙のぼる その先は 現し世か 移し世か
ゆく先は、ありやなしや?
(+108) 2010/08/09(Mon) 23時半頃
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門下生 一平太は、メモを貼った。
2010/08/09(Mon) 23時半頃
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[遠く、唄う声が聴こえた気がした。 ―――…気のせいかもしれない。 辺りを包むは触れることできぬ現世の業火。 唸る焔の唄に周りの音は掻き消され
――…りん、
傍に在る鈴の音が炎の中涼やかに鳴る。]
(+109) 2010/08/09(Mon) 23時半頃
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[弟弟子の、自嘲気味な言葉を拾って尋ねた。]
死にたい場所が、あったんやろか? なぁ、ずっと手は繋いでられへんけど。 そゆ場所があるんなら、連れていったりたい。
[片手は鵠と繋いだまま。 けれど、もう片手を、 誰かに暫しの間、伸ばすことは出来るだろうと。
ええやろか?と言葉なく尋ねるのは、 鳴る鈴の音の元に。]
(+110) 2010/08/09(Mon) 23時半頃
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[其処を離れようと思わないのは願いがあるから。 重なる二つ、添う花主と花。想いあう月と鳥。 その二つが燃え尽き消えるその時まで、 ちゃんと寄り添えていれるようにと…。
蝶と鳥の名を持つ花達がこの場を離れようとも 主は何も言わないだろう。離れても繋ぐ糸は此処にある。
月の片割れは、業火に混じる唄を聴きながら二人の姿を見守っている。]
(+111) 2010/08/09(Mon) 23時半頃
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…――
[華月を、胡蝶を見て。 ひとつ、頷いた。]
(+112) 2010/08/10(Tue) 00時頃
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───好きにするといい。 どうせお前も、私とはゆくところが違う。
[空っぽの手をひらりと振って。 まるでそれは好きにしろと、 冬の花をからかっていたあの手に似ていた]
(+113) 2010/08/10(Tue) 00時頃
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門下生 一平太は、笛降ろし、静かに耳を傾ける**
2010/08/10(Tue) 00時頃
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[相方の是を貰えば、柔らかく微笑む。 瞬く琥珀に、苔色を合わせた。]
わてと鵠さんが、一緒に探したるし、運んだるわ。 なぁ、花と花主の絆って、そんな柔いもんやろか? よう、自分の周り見てみい。 まだ縁(よすが)が、のこっとるかもしれへんやん。
[細く細くなっていたとしても。 もしかすれば、虎鉄にも糸が絡んでいないかと。] 還れんおもたら、還れるわけないで。 なんや、そんな後ろ向きなん、虎鉄らしゅうないわ。
[ほら、と差し出す片手。]
(+114) 2010/08/10(Tue) 00時頃
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[柔らかな笑みに笑みを返す。 主の方を、一度見て。 それから、琥珀へ視線を移した。]
……探そう。
[と、言葉 繋いで。]
(+115) 2010/08/10(Tue) 00時頃
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本屋 ベネットは、メモを貼った。
2010/08/10(Tue) 00時頃
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[薄れていく椿の姿。 どうせあの研師は生きるだろう。 どんなに死に急いでも生き残るものというものはいるものだ]
───時間か。
[がら、と遠くで崩れる音がした。 廊下の美しかった色硝子は熱と煤で見る影もなく]
(+116) 2010/08/10(Tue) 00時半頃
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[倒れ伏せる同じ顔の月に話しかけることもない。 花達が弟弟子の姿の元へと行くのを見届け、
―――…業火の中、静かに佇む。
焔が二つの姿を包んでいく… 溶けて、白から赤へ…赤から…ひとつに。]
(+117) 2010/08/10(Tue) 00時半頃
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[焔の向こう側、離れた廊下に佇む背が見えた。]
―――…本郷、
[一瞬脳裏に浮かぶ、不思議な記憶。 童の傍に添う、獣の姿。]
(+118) 2010/08/10(Tue) 00時半頃
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[一際大きく聞こえる、崩壊の音 冬色の瞳を静かに閉じる] 現し世のゆくさきに ひととけものの交わる道はなけれども――
[視界は紅い あかい]
逝く先に みちは……
[翳んで]
(+119) 2010/08/10(Tue) 00時半頃
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執事見習い ロビンは、主の腕の中で静かに息を一つ吐いた**
2010/08/10(Tue) 00時半頃
説法師 法泉は、執事見習い ロビンの手を離す事なく、寄り添うように引いて
2010/08/10(Tue) 00時半頃
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[本郷が振り返ることがあるならば、 鉄色の瞳と目が合ったかも知れず]
[崩れる音がして、その姿は焔に包まれ見えなくなった。]
―――……
[ゆっくりと、瞳を伏せる。 赤と、白―――…点滅の色は花へと変わり 赤い果実は―――…銀の、月の形へと。**]
(+120) 2010/08/10(Tue) 00時半頃
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