162 絶望と後悔と懺悔と
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[そして彼の代わりのように、増えた眷属]
……周、
[名を呼ぶ響きは、それ以上の言葉もなく]
ごめんなさい。
[零瑠を留めたあの時に、本当は彼を逃がしたかったのだ]
(*22) 2014/02/17(Mon) 22時半頃
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― in the distant past ―
[初対面の少女がまさか同意を示すとは思わなかった。 しかも媚びたものではない、単純に興味だけの声色]
お前も随分面白い。 部下達は私に気に入られようと躍起でいるのが見え見えだが。 お前も退屈だから、更に退屈そうな私を暇潰しに 見に来たのだろう?
その度胸も気に入った。 飽きる迄、城に留まると良い。
[黒衣の少女は仕えると言ったが、部下として迎え入れた わけでは無かった。 飽きたと言って出て行くなら止める事の無い、 永い永い客人として迎えたのが始まりだった]
(*23) 2014/02/17(Mon) 22時半頃
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ホリー、東の端にある『日本』と言う国があるのを知っているか?
[ホリーが客人から、城にいるのが当たり前になってから どれだけ経った頃か。 全くの未開の地。 他の鬼達はあまりに離れた地へと食指はなかなか向かぬ様で]
全く我等を知らぬ国は、どんな歓迎をしてくれるだろうな?
[まだ他の力ある鬼が手を出していない地。 始祖と呼ばれる最上位の鬼が眠りに就いたと言う報せもあった]
(*24) 2014/02/17(Mon) 23時頃
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ふん。 愉しみを探す事を止めた枯れ木は朽ち果てると良い。
その国を最初に落すのは私だ。
[そうして渡った異国は、退屈を暫し忘れさせた。 戦い方を知らぬのに挑み、消えて行く命。 始祖を追い掛けて、この国の戦士に鬼と戦う術を教えた 戦士達との激闘。 そして文化と全て物珍しく高揚させた]
(*25) 2014/02/17(Mon) 23時頃
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ホリー、まだ死ぬ理由を私は持たぬな。
[左腕を落した戦いの中、命のやり取りに昂揚し嗤いながら ホリーに告げた言葉をまだ覚えている]
(*26) 2014/02/17(Mon) 23時頃
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いいの、かな。明にーさん。
円を連れてかないで、帰って来ても。
[迷う。 どの道が円にとって幸せなのか。
だってこんな、吸血鬼とニンゲンの戦いに乗り込まないで、平和に暮らすのが、 僕の考える幸せの中では最良の形だから]
(*27) 2014/02/17(Mon) 23時半頃
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あなたを逃がせなかった。
[>>+8 それだけの理由を告げて、続く言葉はない]
(*28) 2014/02/17(Mon) 23時半頃
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[名を、呼ぶ声がした。>>*16 零瑠だけを呼ぶ声が。
現状をふと冷静に考えて見れば、そもそも零瑠の一択しかない。]
は。
[応じたのは、まだ視界に真弓の背があった頃。]
(*29) 2014/02/17(Mon) 23時半頃
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[暫く掴んだままの理依の手を右の方向へ放ると、守護隊の一員が悲鳴を上げた。彼の顔を打った腕が地に落ちきる前に、軍服を更なる赤に染め上げた。
駆けながら、主に報告を。]
―――真弓が、あなたに弓を。 反逆の意を示しました。
(*30) 2014/02/18(Tue) 00時頃
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……良いんじゃないかな。
[5年ぶりの我儘。>>*27]
リッキィの、やりたいようにやってごらん。
[自分の我儘にも重なっていた。 自分が手を伸ばさなければ助かっていた人がいたことに、 それは通じている。]
(*31) 2014/02/18(Tue) 00時頃
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[指の先までも支配する絶対的な命。>>3:406 感情も意志も捩じ伏せられる――のは、自分だけなのか。周の様に、拒絶出来ずに居るのは。 同じ命は今も真弓を縛っているはずなのに。 それとも、ホリーを討ったから楔は消えたのか。]
……
[あぁ、どんな表情をされるのか。 直接見れないのが残念だ。
此もまた、喜びなのか。 愉しいと笑うのか。
主を想えばこそ、何が最善であるのか、迷う。]
(*32) 2014/02/18(Tue) 00時頃
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……ホリー様の剣を前に、芽を潰す事が出来ませんでした。
申し訳ありません。
[随分と言い訳めいている。 仕方がない。
真弓に武器を向けた守護隊員しか、殺して居ないのは事実なのだから。]
(*33) 2014/02/18(Tue) 00時頃
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真弓が?
[反旗を翻したと零瑠が報せる>>*30 続いて止める事が出来なかったと詫びる聲>>*33
思えば真弓は感情の操りが上手かった。 常に分厚い氷の上の姿しか見せず、凍えた水の下で 動き続ける感情を隠し続けていた。
あからさまに反抗を見せていた理依。 静かに静かに『機』を狙っていた真弓。 従順に仕え続けた零瑠。
最も、零瑠の心の内も本当は知ってはいないのだろうが]
なかなかに面白いな。
[それぞれの違いが面白い]
(*34) 2014/02/18(Tue) 00時半頃
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[雛がここまで育つとは想定外だが、だからこそ面白い。 だからこそ、まだ。
人間は全滅させるには惜しい。
餌と言う意味だけでなく]
私を愉しませるのに、やはり必要だな。
[その意味を理解出来るとすれば、永い永い時を生きた 鬼だけだろうが]
ホリーと並ぶだけの鬼が横にいないのは残念だな。
……零瑠、お前はどちらの横に並ぶ? 真弓か、私か。好きに選べ。
[寂しいと言う感情は未だ知らず。 ただ、誰も横にいないのも退屈だと。 少しだけ思った。それだけだ]
(*35) 2014/02/18(Tue) 00時半頃
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――……、ありがとう。
[僕は相変わらずうまく笑えないままだけど、明にーさんにそう言われて気が軽くなった。>>*31]
頑張れると、いいけど。……にーさんの分まで。
[さっきの口ぶりはまるで、誰かの幸せを願うことさえ、誰かの迷惑になるって思ってるみたいだった。>>*19
僕がここでうまくやれれば、明にーさんは誰かの幸せを願えるようになるのかな]
(*36) 2014/02/18(Tue) 00時半頃
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[記憶の欠片。>>46 『漣桜様と――お父様と、愛した結晶がこの子なの』
『贄』は『子』になった。 つまり、愛が実った事になる。
……いや、この理論は飛躍し過ぎている。
仲睦まじい『両親』と、それを主と自分に重ねて――例えば、主の私室で過ごした穏やかな時間がずっと続けば――とも、想う。]
(*37) 2014/02/18(Tue) 01時頃
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[反旗を翻した真弓がどれ程抵抗出来るのだろう。 零瑠に問い掛けた後、呼び掛けは真弓へと]
真弓、よく耐えたな。大したものだ。 褒めてやろう。 だがどうせならもっと抗って貰おうか。
吸血鬼以外、目に収めた命は全て殺せ。 その力で。
[ホリーの血が何処まで抗う力になるのか、知らないが。 今まで明確にしていなかった命令を彼女に告げた]
(*38) 2014/02/18(Tue) 01時頃
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[浮かんでは留まり消える、紅鬱金の瞳。 面白いと言うのなら、 そう望むなら、
あなたの額に鏑矢を――…]
……なに、が
[何が必要と? 分からず問いを落とし>>*35]
っ!
(*39) 2014/02/18(Tue) 01時頃
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零瑠。私の横に並ぶ技量があるか。示して見せろ。
[浮かぶ笑みは無慈悲に告げる。 選んだのなら、その覚悟を、能力を見せ付けろと**]
(*40) 2014/02/18(Tue) 02時頃
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………ねぇ、あまね。
おれは、家族を、うらぎってるの?
[遠く問い掛ける声は、弱く震え、縋るよう。*]
(*41) 2014/02/18(Tue) 14時頃
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……真弓を選ぶとでも、お思いでした?
[返事を期待せずに問いを聲に乗せ。]
(*42) 2014/02/18(Tue) 15時頃
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選んでも裏切ったとは思わなぬな。
[零瑠が投げかけた問い>>*に笑みは深まる。 どちらを選ぶか、苦悩する過程が大事で、 結果は気にはしていなかった。 斃す相手が増えたと思う位だったが]
だがホリー以外が側にいるのも悪くは無い。
[ホリー並みの能力の鬼で無ければ、ただの邪魔であった。 今の零瑠がホリーに匹敵するかと問われれば、等記号で 結ぶ事は難しい。 しかしそのレベルで無くとも、側にいる事を許容は出来る]
(*43) 2014/02/18(Tue) 18時半頃
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私の傍にいるのは1人で良い。 零瑠、お前が選んだと言うなら人の心捨て、 仲間の首を持って見せて見ろ。
そうすれば常に私の一番傍に置いてやろう。
[毒を注ぐように零瑠に言葉を注ぐ。 人と鬼の合い間を溺れながらも泳ぎ続ける様を 面白いと眺めていた。 だがもうそれも終わりだろう。 ならば人を棄てて鬼となって見せろと、最後の決断を 誘惑と共に零瑠へ投げた**]
(*44) 2014/02/18(Tue) 18時半頃
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――……、
[>>+9 気に病む必要は無い、 その言葉には、すると言葉が滑り落ちた]
そうね、 最初からもっと、 死に物狂いで抵抗してくれたらよかったのに。
……ばか。
[喧嘩傷を諌めたような、 そんな物言いと似て、けれど確実に違う言葉*]
(*45) 2014/02/18(Tue) 21時頃
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……そうでしょう。何も裏切ってはいない。
寧ろ、あなたの命に逆らいながらも刃を向けた方が―――…
[息を吐く。]
俺は、あなたの機嫌ばかり窺っている。 どうすれば歓びに為るかと。そんなこと、を。
(*46) 2014/02/18(Tue) 22時半頃
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それ、は……
[どういう意味だろうか。>>*43 もしやと期待に胸が踊る半分、ただの自意識過剰だと胸が痛む。
誰のことを言おうとしている? 死んだ理依を忍んでか。 弓引く真弓か。 獣の周か。
それとも、それとも……。 その、一人とは…………。
安吾やジャニスの見えぬところで眉が寄る。]
(*47) 2014/02/18(Tue) 22時半頃
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[……あぁ。嗚呼。
甘い毒が零れ、耳から滑りこんでくる。 望む名を呼ばれた。一番の傍にと――。]
……あなたこそが、『冀望』
(*48) 2014/02/18(Tue) 22時半頃
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そうだ。お前は正しい。
[零瑠が歩み出そうとする足元を隠す様に、毒はその背を押す]
人間と共に歩めると思うな。 人間は、お前達を置いて死んで逝く。 どれだけ悲しもうが望もうが。
お前達と心通わせた人間がいたとしても。 すぐに死に、残るのはお前達を敵とみなした者達だけだ。 そして共に生きようとした人間達は、裏切り者と 鬼の私達より更に鬼と見られるのだろうな。
[後に続く呪詛は、恐らく自ら動き出そうとしている鬼達に。 現実を残酷に突き付ける]
(*49) 2014/02/18(Tue) 23時半頃
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――……ッ
[呪詛は強かに胸中を巡る。>>*49 喉の奥の呻きは、事実としてそれを知るからだ。]
(*50) 2014/02/18(Tue) 23時半頃
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………、く。
[言い返す気力まで奪っていく。 そんなの今さら覚悟の上だって。>>*49]
(*51) 2014/02/19(Wed) 00時頃
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