88 吸血鬼の城 殲滅篇
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[寝込む少年を看るは必然。 彼が目を覚ますまでは教会に泊り込み 幼きその傍らに付き添い夜を明かした。
次第に回復し元気になってゆく姿に 娘は安堵したのを覚えている。
“元気になってよかった” “私ね、クレアっていうの”
“あなたの名前、おしえてくれる?”
彼の過去は問わず名だけを尋ねた]
(139) 2012/04/29(Sun) 16時頃
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[それは長いようで短い時間。 湖上の影を見詰めながら城主の事を少年に語る。
クレアが幼い頃に城に迷いこんだ事。 城の中庭に深紅の薔薇が咲いていた事。 薔薇の花がとても綺麗だった事。
城主がクレアの髪に薔薇をさしてくれた事。
嬉しそうに幸せそうに。 それはまるで夢見るような響き]
(140) 2012/04/29(Sun) 16時頃
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[或る日、クレアは少年に言う。
“ドナルド、喜んで” “私、お城で働ける事になったの”
“きっと城主さまにもお会いできるわ”
娘は自らの身に起こることを知らぬまま 城にゆき城主に会えるだろうことをとても喜んでいた]
(141) 2012/04/29(Sun) 16時頃
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/* 回想捏造のターン!
と思ったらクラリッサが回想回していたので 待機のターン。
(-33) 2012/04/29(Sun) 16時頃
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/* お。待機していてよかった。
ちょっと修正してこよう。
(-34) 2012/04/29(Sun) 16時頃
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ジェフは、クラリッサに話の続きを促した。
2012/04/29(Sun) 16時頃
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[眼裏をも灼く閃光が収まると、錬金術師は咄嗟に両目を庇って掲げた腕を下ろした。]
……最後の悪あがき、でしょうか。 逃げられると厄介ですよ。 吸血鬼の中には、霧や狼に形を変えられるものもいると申しますから。
[それは、エリアスの黒犬への疑念を強化するのか、それとも逆に逃亡した城主に注意を向けさせたか。 眼鏡を指先で押し上げ、螺旋階段の先を視線で促す。 声もレンズの奥の瞳も真剣なのに、相変わらず口元だけが笑んでいるかのようだ。]
(142) 2012/04/29(Sun) 16時半頃
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レオナルドは、ラルフの首筋を見て。
2012/04/29(Sun) 16時半頃
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[城主ヘクターに見逃された幼き獲物は 蕾であった華を綻ばせて彼の手の内へと舞い戻る。
“――城主さま”
城内で彼の姿をみつけ娘は声を掛ける。
“覚えておられますか?” “以前迷い込んだクレアです”
ヘクターにとってはささやかな出来事だったろう。 覚えていて欲しいと思いながらも 覚えていない不安も確かにあり声が微か震えた。
“あの時は、薔薇の花を、ありがとうございます”
長く言いそびれていた礼の言葉を 娘は漸くヘクターへと伝え華の笑みを浮かべる]
(143) 2012/04/29(Sun) 16時半頃
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[地下深くで蠕動する闇は、なおも濃く、深くなっていく。 僅かに苛立ちの波動を放つ闇の中、 意識が描くのは、鮮やかに浮かぶ過去の情景。 再び城に訪れた、あの娘の姿。
粗相した城の召使いをひとり辞めさせ(処分し) 新たな召使いを雇うべく、人を捜させた。 そのとき、彼女がやってきたのだ。
幼い頃の面影を残しながらも、美しく成長した娘は
闇の領主の心を強く掴んだ。]
(144) 2012/04/29(Sun) 16時半頃
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[耳朶の下に何の傷痕もないのを確認し、心の底から安堵した顔で微笑んだ。]
良かった。 傷は付いていませんね。
吸血による呪いは私には治療できませんので……
(145) 2012/04/29(Sun) 16時半頃
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[血に塗れたクラリッサの手には深紅の薔薇が一輪。 それは黒犬の残した薔薇の花。 傷を塞ぐ為の魔力を女は薔薇を手繰り寄せる為に使った。 愚かだと人は笑うかもしれない。 けれどクラリッサにとっては大事で――]
――…ヘクターさま
[二人きりの時にしか紡がぬ名を紡ぎ 薔薇の花を見詰める女は儚い笑みを浮かべた**]
(146) 2012/04/29(Sun) 16時半頃
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/*
わんこをぎゅーしにいきたいのを たえた …!!!
(-35) 2012/04/29(Sun) 16時半頃
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[覚えているか。 問われて、薔薇の香りとともに出会った時のことを思い出す。
”ああ。あのときの薔薇の娘だな。” ”クレア、か。良い名だ。”
緊張しているようにも見える娘に笑いかけ、 礼には手を振って、それには及ばないと示す。
”おまえに似合うと思ったまでだ。” ”薔薇の方が喜んでいるだろうよ”
娘の口元に綻ぶ笑みに、目を細めて頷いた。]
(147) 2012/04/29(Sun) 16時半頃
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[それからすぐに娘を召し抱え、側近くに置いて愛でた。 花愛でるごとく、触れることもせず。 伸びやかに育つに任せ、手折ることもせず。
人間を食い散らかして平然としていた領主が、 このときはいくらか落ち着いていた。 消える領民の数は減り、監獄塔からの悲鳴も途絶えた。
しかし、穏やかな日々は、ひとつの報せで破られる。]
(148) 2012/04/29(Sun) 16時半頃
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[領民が、討伐隊を呼ぼうと相談していると、 領主を殺そうとしていると知って怒りを発し、 すぐさま中心人物らを喰い殺した。
血の匂いを染みつかせたそのままで 城にとって返し、娘を腕の中に抱きしめたのだ。
―― おまえを手放しはしない。 ―― オレのものになれ。永遠にだ。 ―― 誰にも、渡すものか。
衝動のままに娘に牙を立て、命尽きた娘に血を注ぐ。
薔薇咲き乱れる中庭で初めの血を与えられた娘は、 闇の色香を得て、いっそう艶やかに咲き綻んだ。 どんな薔薇よりも華やかに、美しく。]
(149) 2012/04/29(Sun) 16時半頃
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[それからほどなくして、城に討伐隊が押し入った。]
(150) 2012/04/29(Sun) 16時半頃
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[討伐隊が領地に入り込んだと知って、 娘に手紙と領主の印章を持たせて、血族のもとへとやった。
予感だったのか、覚悟だったのか、 今となっては自分でも判別がつかない。
結局、自分は人間共に討たれ、 この城で眠りについた。]
(151) 2012/04/29(Sun) 16時半頃
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[最後に、"娘"へと飛ばした思念は届いていただろうか。 目覚めたら聞いてみようかと思う。
―――いずれ、おまえの顔を見に蘇る。 なにかあれば、おまえの血を注いで名を呼べ。 いつでもおまえのために力を寄越そう。
元気でな、オレのシェリ。]
(152) 2012/04/29(Sun) 16時半頃
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/* 暇に任せて大連投。
そして、まだ続く(笑)
(-36) 2012/04/29(Sun) 16時半頃
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/* 心底、話とは関係ないのだけれども、 自分のものには、自分だけの名前を付けたい主義であった。 (笑)(笑)(笑)
(-37) 2012/04/29(Sun) 16時半頃
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― 屋根の上 ―
[黒犬の視線の先、 物見塔の壁の隙間に、鮮やかな深紅と亜麻色がひるがえった。]
……………。
[ぴんと耳を立て、風に飛ばされる小さな音を拾い上げて、 黒犬は、一、二度鼻を鳴らした。 よりいっそう濃くなる血の香に低く唸ったあと、 身軽に屋根を駆け下りて、塔へ続く石橋に降り立つ。
そこからなら、宴会場と塔を繋ぐ胸壁が、よく見えた。]
(153) 2012/04/29(Sun) 17時頃
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( さて。
オレの可愛い”娘”に傷をつけたのは、どいつだ? )
[残虐な衝動に、思念が歪む。]
(*5) 2012/04/29(Sun) 17時頃
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[一度倒され、封印されて、力は随分と弱まっていた。
切り離した分身に力を送ろうとしても、 僅かばかりにしかならない。
いますこし、時間が必要だった。 完全に蘇るために。力を取り戻すために。]
(*6) 2012/04/29(Sun) 17時半頃
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( オレが顔を見るまで、死ぬんじゃねぇぞ )
[囁きながら、側にいることもせず、 娘が零した血を吸って力を得ている、矛盾。
それは、自分が蘇りさえすればどうとでもなるという 自負の裏返し。
満ちゆく力は今にも溢れそうに、地下の岩壁を揺らしている。]
(*7) 2012/04/29(Sun) 17時半頃
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/*ただいま旅館に到着しました。お昼間は旅行三昧で鳩用キーボードも持っていってたのですが、それどころではありませんでした…。 そして、ぷわーっと伸びたログを今から確認致します。 クラリッサさま死亡フラグ立て成功&へクター様起動開始的な雰囲気なのかな。 普段は薔薇フラグ専門に萌えるのですが、この村…クラリッサ様ものすごく可憐で愛らしいですよね。 他の方々への絡み方も拾えるところをがっつり拾って素敵過ぎる…。
ヒュー様→クラリッサ様の片思いも ドナルド様→クラリッサ様の甘く切ない思い出も クラリッサ様←→へクター様の吸血鬼的親子の結びついていく様も、どれもかなりときめきます。 */
(-38) 2012/04/29(Sun) 18時半頃
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/* …ログ読みの前にフラグを探してどうするんだ私… でも今ちょっと力尽きてるし、喉も無駄遣いしている安定仕様なのでちょっと…休憩…(ぱたり) */
(-39) 2012/04/29(Sun) 18時半頃
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── 城主の部屋 ──
[魔法の眠りから目を覚ましたヒューは意匠の細やかな、だが華美ではない天蓋つきのベッドの上にいた。 清潔な寝具に片頬を埋めた俯せの姿勢から、ゆるりと瞼をもたげる。
通気口の修理だとかチェストの移動だとか、そんな男手の必要な時に数度、入ったことがあるだけだったが、ここが城主の──クラリッサの私室だということは思い出せた。]
な… に ?
(154) 2012/04/29(Sun) 19時半頃
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[未婚の女主人の寝台である。 枕にほのかに亜麻色の髪の残り香を感じれば、混乱と羞恥が同時に押し寄せて、顔にカッと血がのぼった。
やむを得ぬ事情があろうと騎士たる者のすべきことではない。 不敬罪で自分を罰したいくらいだ。]
(155) 2012/04/29(Sun) 19時半頃
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―螺旋階段―
[血痕を追い、螺旋階段を上がる。 薔薇のような鮮血は固まり凝ることなく、 不自然なほどの鮮やかさで 追跡者を物見の上へと誘っていた] ……こっちか。
[二階から、三階へ。そしてその上へと。 響く靴音。 ――石を蹴る其れに、幼い日を思い出す。 飢えていた。凍えていた。 熱に浮かされて見上げた湖には―― そう、暗い影が聳えていた。 彼女は佇み、 全ての美しい思慕を込めた様に城を眺めていたのだ。
己に手を差し伸べてくれる、その時まで]
(156) 2012/04/29(Sun) 19時半頃
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[痛みのない拳を強く握りしめた時、不意にこうなるに至った「事情」が脳裏に甦る。]
(157) 2012/04/29(Sun) 19時半頃
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[クラリッサを魔物だと言って引っ立てて行こうとした男たち。 叩き付けられた欺瞞。強情。信仰。過去の憧憬。 張りつめていた空気が破れ、振り抜かれた刃。 炎。滴る血。黒い犬。 背に触れた陶磁の肌──
「私は大丈夫だから 少し休んでいてね」
そして身体を満たした優しい鈍麻。]
(158) 2012/04/29(Sun) 19時半頃
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