1 とある結社の手記:6
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[マーゴの言葉>>484に、驚いて瞬きを数度落とし]
………使ってくれるなら、とても嬉しい。
[ふいに綻ばす表情。便箋は引き出しで眠るより、 誰かの想いを届けてくれた方が幸せだと思うから]
…わっ。
[自分に怖がることなく、触れてくれるマーゴ。 そのことが、嬉しくて、悲しくて、――…。 額のキスへは虚をつかれたらしく、 少々年相応の少年らしい表情を零した]
(488) 2010/02/27(Sat) 03時半頃
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―広間→キッチン―
[広間から廊下へと出る折―――…。 影から此方を眺めていた車椅子の人影>>460と、 鉢合わせる格好になるだろう。
彼女の涙は、もう乾いていたか否か。
彼女の一番大切な人を奪った少年へ、 向けられた言葉はあったのか]
……………………。お元気で。
[言葉に詰まり、惑い、結局、ただそれだけを呟く。 彼女に下げられた頭は誰に対するよりも深く、長かった]
(489) 2010/02/27(Sat) 03時半頃
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―キッチン―
[其処には、まだウェーズリーの姿があっただろうか。
黒い手紙を持って戻ってきた少年を見て、 彼は何を思ったのだろう]
……ごめんなさい。ウェーズリーさん。
折角、守って貰ったのに。
ばれちゃった。
[今にも泣き出しそうになるのを、 何とか堪えるようにして笑う。 それが彼の望む笑顔で無いと知っていても。 そうすることしか、少年には出来ないから]
(492) 2010/02/27(Sat) 04時頃
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ごめんなさい。……ごめんなさい。
[生きて、と言われた。その願いは果たせない。
あと、自分の命は何刻あるのだろう。 広間では押し隠していた、差し迫る恐怖。 覚悟していても、やはり、こわい。
震える自分の指先を見つめた後、 視線を彼へと返して、ふふ、と情けなく笑う]
(493) 2010/02/27(Sat) 04時頃
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そうそう。一つだけ、お願いを、聞いてもらおうと思って。 何でも聞いて、くれるんでしょう?
[まだ微かに震えを残しつつも、 にい、と少年らしい笑みを浮かべてみせる
そして懐から取り出したのは、一通の手紙。 宛名の何処にも書かれていない、古びた白い飾り封筒]
―――……手紙も。一人ぼっちのままでは、寂しいから。
これは、ある人が、 この村の誰かに、届けたかったものなんです。
[大事そうに一度手紙を抱きしめて]
(499) 2010/02/27(Sat) 04時頃
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ただ、残念ながら、宛先がありません。 誰に届けて良いのか、分らない手紙です。
――――――……でも、ウェーズリーさんなら。 「正しい持ち主」の元へ届けば、分るんですよね? どうか、この手紙を、「その人」へ渡してあげてください。
[少年は、穏やかに微笑む]
どうぞ。
[確かに手渡された手紙。 十年以上の時を経て、ずっと焦がれていた人の元へ]
(500) 2010/02/27(Sat) 04時頃
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――――…あぁ、そうだ。
僕が、…此処を出るまで、 皆で食事をしようという話になったんです。
[此処を出ることが何を意味するのか。 少年はあえて曖昧な言葉を使う]
お料理。……一緒に、しませんか?
[先程、途中止めになってしまっていた提案。 何処か無邪気にそう告げれば、彼はどんな顔をしたか。
もし叶うならば、ラルフも呼んで来ただろう。 2回目の料理教室は、何だか切なくて。 でも、楽しかった。とても、楽しかった]
(505) 2010/02/27(Sat) 04時半頃
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―広間―
[やがて、彼は広間へと戻ってくる。 残された時間は、あまり多くない。 それでもその大半を、彼は常のように過ごした。 そうしている時間が一番幸せなのだと、主張するように。
結社の人間がやって来たなら、 開票が始まる前に静かに立ち上がる。 既に、結果は出ているのだと、そうして示す]
皆さん。
……さようなら。
[扉を潜る時の言葉は、彼が今まで死者へ向けてきたもの。 *単調な、永遠の、別れの挨拶*]
(506) 2010/02/27(Sat) 04時半頃
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