162 絶望と後悔と懺悔と
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……サミュエル、
[その目蓋の熱さは、切り裂いた熱じゃない。 せりあがるような喉の熱さ、震える声音。 傷ついた目と、それを隠すもののおかげで、きっと零れる滴はない。でも、だめだった、溢れる声が濡れていた]
ごめんなさい、わたし、きっと、 あなたに殺してもらわなくちゃいけないのに、
……今、あなたにそれをさせられない。 みんなのためには、きっとそうするべきだと思うのに、 あなたの障害にならないためにも、そうすべきだと思うのに、
だって、
わたしを殺して、 ……あなたは、幸せになってくれる?
(56) 2014/02/19(Wed) 22時半頃
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[ならば自分で死ねばいい、
そう思うのに、 彼の前では死ねない、 彼の知らない所でも死ねない、 思考は、堂々巡りで]
……ごめんなさい、だめなの……、 わたし、あなたのことしか、考えられなくなった……
家族が、あの子達が、 少しでも平穏に生きられるように、そう思ってたのに。 そのために、やれることはしようと、思ってたのに、
[嗚咽交じりの声は、最後にただ呆然と]
あなたのことを、考えてしまう……
[存在を確かめるように伸ばした腕が、彼に触れる。触れて結局、離せない]
(57) 2014/02/19(Wed) 22時半頃
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[認めたくない。 これは死だ。 認めたくない。
家族の死。 目の前で見た、家族の死。 5年前と何も変わってない。]
リッキィ? どこ、行くんだ?
[ふらりと立ち上がるリカルダを見上げる。 見上げるだけ、引き止めることはせずに。]
(58) 2014/02/19(Wed) 22時半頃
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サミュエルは、マユミの言葉に瞬いて、縋ってくる手を握り返した。
2014/02/19(Wed) 22時半頃
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[血の匂いが増える。 さすがにジャニス相手に余所見をする程、 相手を侮ってはいない。 だが匂いが覚えのある香りと上がる聲で、 零瑠が傷を受けた>>48と知る]
まだ、戦えるな?
[部隊の刃で受けた傷なら容易には塞がるまい。 それならばまだ他の部隊員が駆け付ける前に この戦いを終わらせるべきかと、 斧の柄を振り回す手に力を込めた]
(59) 2014/02/19(Wed) 23時頃
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>>56
おでは、 もし、おでがお前を殺しだなら、 きっど、もう、生きて幸せにはなれないだな。
[マユミの言葉に、表情は悲しげになる。 いや、こちらも少し泣きそうだった。声も少しだけそれを伝えるだろう。
悲しいのは、もう、生きる選択肢がマユミにはないように思えたこと。 死ぬべきと思いながらあるというのは、どんなに哀しいことだろう]
マユミ、大丈夫だ。 お前は生きてていい。
でも、どうしても、それが許されないどがいうなら 大丈夫だ。 お前の命はおでがもらう。
(60) 2014/02/19(Wed) 23時頃
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[縋ってきた手をとって、その頭を自身の胸に押し付けた。 そう。言っていることと意味は逆だ。 いつでも、マユミになら、心臓貫かれても構わない。 自身の命は、
もう、あの5年前からとっくにマユミのものなのだ]
だがら大丈夫だ。 お前は、おでが殺すがら、 おで以外に殺されるな。それだけでええ。
[そして、マユミを背に背負う。 移動速度は落ちるけれど、もう、十分言葉はきいた。
もう、手放すつもりはない]
(61) 2014/02/19(Wed) 23時頃
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/*
な に
ここで、戦いやめるの か?!
(-39) 2014/02/19(Wed) 23時頃
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/* は。そういや、周が一緒に死んでくれるって。 いやいや、俺だけじゃないんだろうけど。
(-40) 2014/02/19(Wed) 23時頃
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[零瑠の語る夢物語>>35を聞き逃す筈は無い。 ジャニスと鍔迫り合いを繰り広げる中、口角が僅かに上がる。
鬼と人間との共存。 それは人間が牛や豚と共存出来ると言っていると同じ。
生まれながらの鬼には有り得ないその案を、感覚を やはり面白いと思う程永く生き続けていたらしい。
もっとも面白いと思うだけで、それを現実のものに するつもりなど欠片も無かった]
(62) 2014/02/19(Wed) 23時頃
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[それはちょうど肩に傷を負った頃。>>59]
……えぇ、まだ戦えます。 俺の心臓は動いている。
刀を持つ手も、動いている。
[地に膝が着いても起き上がる脚が、ある。]
(63) 2014/02/19(Wed) 23時頃
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/*
いや、続くか? でも、どう入っていこうかとは悩んでいるというか、
零留は、絢矢と絡みたいよね?と思うわけで。
(-41) 2014/02/19(Wed) 23時頃
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[鬼に殺された人間が。 家畜に殺された鬼達の誇りが。
それを許す筈も無いだろうと。
人と鬼の間を沈みそうになりながらも泳ぐ中、 掴んだ藁なのか]
(64) 2014/02/19(Wed) 23時頃
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落胤 明之進は、メモを貼った。
2014/02/19(Wed) 23時頃
記者 イアンは、メモを貼った。
2014/02/19(Wed) 23時頃
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やはりお前達は面白い。
[ジャニスには聴こえぬだろう、闇の嗤いが漏れた]
(*10) 2014/02/19(Wed) 23時頃
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………、うん。
[僕は頷く。生きてるって意味では大丈夫だし。>>47
キャロライナにーさん、治療道具持ってる。誰かの怪我を手当てしようとしてたんだろうね。 その途中に僕らに出くわして、そして―――、
僕が倒しただけの“敵”に、とどめをさした。>>46
それを見てた時の僕は本当に笑ってたのかもしれない]
(65) 2014/02/19(Wed) 23時頃
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……解らない。
[大丈夫かと問う絢矢の声に答えるのは己の事でなく。 視線を僅かに周囲に巡らせると、 微かな血の繋がる名残を感じ取った。 ただ、彼女を探さないと、という事は解る。
つんと隣の小袖を少し引くと、リカルダのいると 思える方向に歩き出す]
(66) 2014/02/19(Wed) 23時半頃
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――でも、…僕、
[キャロライナにーさんに腕を掴まれればそれ以上の言葉は出なくなった。黙って手当てされるがままになる。
そういえば円もよく受けてたよね。手当て。 薬を塗ったり包帯巻いたり。 でも今の円はそれじゃどうしようもないくらいに赤くて、――紅くて、でもこのまま放っておくわけにはいかなくて。
だからキャロライナにーさんにお願い、したんだ]
(67) 2014/02/19(Wed) 23時半頃
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……リッキィ、僕が解る?
[血を通じて呼び掛ける。 解るなら、おおよその方角さえ掴めれば、 いずれは相手の場所に行き着く事が出来る。]
(*11) 2014/02/19(Wed) 23時半頃
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[袖を引かれ歩き出す。]
──…、待って。
[倉庫を出た所で一度明之進を止め 入り口横の壁にくないで印を残した。
隊員の間で使われるサイン。 意味は──『リカルダを探す』。]
(68) 2014/02/19(Wed) 23時半頃
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[マユミを連れて、移動しはじめる。 そのとき、さっきの倉庫のほうを通ることになる。
明と絢矢、そして、キャロライナ 彼らも始祖のところに向かうだろう。 もしかすると、まだいるかもしれないと立ち寄れば、そこはもう空だったが]
(69) 2014/02/19(Wed) 23時半頃
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[もしかしたら、最初から “みんな”を彼に託してしまったから、 だから自分も同じものを背負っていたかったのかもしれない。
大切だと思っていたものを、 自分は本当に大事にしていたのだろうか。 それすらも、不安になる。
こんな時にこんな風に誰かのことしか、 考えられなくなるなんて、きっとどこか壊れたのだ]
……、うん、
[彼を殺してしまうか、彼を不幸にするか、 そのどちらかの選択しかないことが、苦しくて]
(70) 2014/02/19(Wed) 23時半頃
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いいや、そよ風程度で心地よかったぞ。
[>>29まさか吸血鬼とこんな他愛もない話を するとは思わなかった。 腹の探り合いにもなっていないかもしれないが]
何を……まさかッ!
[右手は三日月斧を、左手は金色の腕を掴んだまま引き寄せられ 迫るうつくしい顔と光る牙、これに捕まったら最後]
楽しいわけが、あるか……!!!
[どうしてそこまで誘うのか、もの好きなのか。 咄嗟に腕を掴む手を離して体をひねり、 首筋に噛まれることだけは回避しようと試みる]
(71) 2014/02/19(Wed) 23時半頃
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[物言わぬ家畜がその家畜としての生を、 受け入れているとでも思っているのだろうか。 言葉の通じてしまう人間と吸血鬼が 一方的な圧力からの共存関係でうまくゆくはずも無い]
甘ったれたことを。
[いっそ全てを吸血鬼で染めてしまえ。 捕食者と餌が共存できるはずなどないと、 零瑠の安吾へ向けた言葉には直接返さずとも 絵空事すぎて笑うことさえできなかった]
(72) 2014/02/19(Wed) 23時半頃
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ありがとう……、
[背負われたその温度は心地よかったけれど、 歩けるということは、一応主張した。 気配は感じられる、手だけ引いてもらえれば大丈夫、 それも十分足手まといだと思いながら]
……サミュエル、
[背にあって一度、その髪に頬を寄せる。 こんな時なのにこうしていると懐かしかったことを思い出して、 ――少しくらいは、自分も彼に幸せを送りたくて]
ただいま、
[小さくつぶやいて、行方は彼に委ねる]
(73) 2014/02/19(Wed) 23時半頃
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ありがとう―――…
[風に流されるくらいのか細さ。キャロライナにーさんには聞こえたのかな。 そうでなくても構わない。だって、もうこれで最後にするつもりなんだから。
僕からにーさんに、家族として感謝の言葉をかけるのは]
……。これから、どうするの?
[僕は振り返る。>>58 振り返るだけのつもりだったけど気がつけば一番訊きたいことを訊いてた]
キャロライナにーさんまで、“裏切り者”になっちゃってさ、 ただ、生きててくれれば、よかった、のに。
[だけど止められなかった。だったらこれも、――僕の罪?]
(74) 2014/02/19(Wed) 23時半頃
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[壁につけられる傷の意味は読み取れないが、 何らかの符丁のようなものだ、とは予測がつく。>>68 恐らく真弓にも無理だろうし、 書いた者が誰なのかまでを含めて読み取れるとしたら、 サミュエルやキャロライナだろう。]
良い……? 無理はしないで。
[どこかで気は急いている。 こうしている間にもどこかへ戦火は広がっていて、 誰かは血を流している筈だった。
二人、連れて去った真弓はどうなったか――]
(75) 2014/02/19(Wed) 23時半頃
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[恨みも憎しみも誇りも悲しみも。 此処で終わりにしようと、語る。
城の中で、まともに会話が出来たのは自分達『お気に入り』と、主とホリーぐらい。他の吸血鬼は表面だけ。
話を聞けば、皆が一笑するだろう。]
(*12) 2014/02/19(Wed) 23時半頃
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そうか? 私は愉しいぞ?
[身体を捻り、離れようとするジャニス>>71に嗤い掛けたまま、 咄嗟に首筋を守ろうと不自然な体勢を崩し、 あわよくば馬乗りになろうと、 踏ん張って力を込めているだろうジャニスの片足を払おうと]
(76) 2014/02/19(Wed) 23時半頃
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[倉庫で飲んだ鎮痛剤は即効性のものを一列分。 ──服用の効果は間もなく出るだろう。
無理をするなと言う明之進に頷いて 肩を借りて歩き出す。
光の当たる範囲に踏み入る前には 明之進へとキャロライナの軍服を差し出した。]
これ、着て。
これを着てボクと一緒にいれば 遠目には鬼だとは気づかれないはずだから。
ごめん、ね。 薬が効いたら、自分で走れる、から。
(77) 2014/02/20(Thu) 00時頃
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………、明にーさん、
[僕は霧みたいにかすれた声でにーさんの名前を呼ぶ。>>*11]
僕、……だめ、だった。やりたいように、できなかった。
(*13) 2014/02/20(Thu) 00時頃
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[目蓋を閉じた緋の世界、 己の心は悲鳴を上げたわけではない。
ただ揺らがぬ水面は千々に乱れて、 焦がれるような切望と行き場の無い諦念と、 暖かな底なし沼に沈むよう。
絶望を覚えるほどの希望は初めから無かった、 後悔を覚えるには幸福を感じすぎた。]
(*14) 2014/02/20(Thu) 00時頃
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