229 流水花争奪鳥競争村
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でも、…神殿のみんなは、私の事を心配してくれてるし ちゃんと元気に成長して欲しいって 思ってるのも解るから、 …、結局、できないまんま、今に至るなんだよね。
[ははは、とから笑いをしてから、紅茶を飲み干して手を合わせる。]
…ごちそうさま。 美味しかったよ、ラルフ。
(10) wallace 2015/07/08(Wed) 22時半頃
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…、あの夜、ラルフが持ってきてくれた サンドイッチと果物…、食べられなくてごめんね。
(11) wallace 2015/07/08(Wed) 22時半頃
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[そう言えば、膝を伸ばして立ち上がる。 ふわりと淡い空色のワンピースが風に揺れる。]
……、あの晩、あれから 何があったのか 誰も教えてくれなくて、 聞いちゃいけない事みたいな気がして、 ずっと気になっていたのに、
あの後、また遊ぶ機会はあったのに 聞けずにいた。
(12) wallace 2015/07/08(Wed) 22時半頃
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―――…… それなのに、 ラルフは私を好きでいてくれたんだね。
本当に驚いたけど、 嬉しかった。
[それでも、立ち止まる事はせず、 裸足のままシートから出て、紫陽花がちょんと乗ったサンダルを履く。 ちょっと泣きそうな顔だし口はへの字だから背中しか見せないで、]
ここまで、ありがと。 ちょっと、思いっきりぶつかってくる。**
(13) wallace 2015/07/08(Wed) 22時半頃
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ラルフは、アマルテアを、後はまっすぐというところまで送り届けて見送る。
sin 2015/07/08(Wed) 22時半頃
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──昼、神殿待機室──>>1:100
[びくう!と部屋を行き来していた侍女が、 っふぁあああい!! と大きな返事をしてぐるんと振り向いた。髪がぶんと慣性で肩のあたりを叩いておちる。]
…、
[予想範囲外の反応だった。 目を丸くして瞬く。]
(14) miseki 2015/07/08(Wed) 22時半頃
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[今度は、頭を下げる勢いで ぴょんとお下げがはねた。]
…、っ、く
[つい肩を震わせて、笑いを押し殺す。拳を当ててはみたが口が隠しきれている気はしないまま、ああ。と抑えているせいでがたついた声で返事をした。]
(15) miseki 2015/07/08(Wed) 22時半頃
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… いや、いい。 まあ、気にもかかるよな
[噴きだすまでは耐えて、はー。と笑った顔のままで息を吐きだした。許可に、わかった。と答え、]
あ。 あと、あー…。
…あー………
[深すぎるぐらいの見送りを、 そこで一度ふりかえった。]
(16) miseki 2015/07/08(Wed) 22時半頃
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んん
[こういうのは入れ知恵になるんだろうか。まあ、それならそれか。と思う。]
テアが好きな花とか。 ……わかるか?
[尋ねながら視線を逸らして顎を手の甲で擦る。流石に多少これは、質問自体が気はずかしくも*あった*。]
(17) miseki 2015/07/08(Wed) 22時半頃
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──神殿前、大通りの花屋──
[店先に置かれた籠いっぱいの花が、ひとつまたひとつと人の手に渡っていく。昼をすぎ夕が近くなれど、祭の賑わいはまだまだ続く気配を見せている。]
そうそう、あー。 そのダイアモンド・リリーだとかで。
[これですか? と花屋の娘が束になった花を差し出す。白に薄紫がかかった花びらが、きらきらと陽射しを受けて光る。]
(18) miseki 2015/07/08(Wed) 23時半頃
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じゃあ、そいつを、包んでもらっ …うおっ!?
[はい。と頷く間に、膝裏に軽い激突をかまされた。膝かくくんをされた恰好で上半身が沈む。]
おい、あぶねえから
[なんとかこけるまではならず、後ろを振り向くと、きゃらきゃらと子どもの笑い声が上がった。 「エフー、屋台のあげパン買って!」と、無邪気な声で強請られる。2、3人それよりちいさい子どもらが、「かってえ」と唱和する。]
(19) miseki 2015/07/08(Wed) 23時半頃
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お前ら、あんま食い過ぎると 夕飯入らなくなんぞ [ぐりぐりと頭を押さえつける。きゃーっとやはりかんだかい声が上がった。仕事で家を見回るときに知り合った子どもだ。引いた水路の点検も仕事のうちだ。]
っと。ああ、さんきゅ
[たく、ちょっとだぞ。と子どもらに言いおきながら、できましたよ、と渡された花束を受けとった。]
(20) miseki 2015/07/08(Wed) 23時半頃
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[よろしくとお伝えお願いしますね。と、花屋の娘が笑う。]
ああ。 …ってわかった、わかった。 ひっぱんな
[まるく咲いたネリネの花束を抱えて頷く。 子どもに、はやくー。と急かされて あげパン屋の屋台前に引きずられた。]
(21) miseki 2015/07/08(Wed) 23時半頃
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たく、お前ら俺をなんだと…… 少なめでいいからな
[きつね色の小玉のパンが油の中で上下している。屋台のおやっさんに笑われながら、砂糖をまぶしたあげパンを一袋ぶんを買う。やったー!と歓声があがった。]
メシはちゃんと食えよー!
[嵐のごとく去っていく子どもの背をやれやれ。と見送って、見上げた大時計の針は夕刻近くを指していた。]
(22) miseki 2015/07/08(Wed) 23時半頃
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[そろそろ、アマルテアの昼時間が 終わるころだろうか。]
……──。
[落ち着かない気分で花束を抱えなおす。 少しだけ神殿へ続く道を眺めて、目を眇めた。]
(23) miseki 2015/07/08(Wed) 23時半頃
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[勢いだけで飛び出たが見事に獣道で、現在地を見失い迷う始末。 解る場所までラルフに送って貰ったけれど、まだ、陽が高い。
それから走ったけれどそんなに体力はないし、 あれだけ食べた後だからお腹の横が痛い。]
…、…
[あ、そういえば、と気付く。 試験の最後だからというのもあり、今日は侍女も衛兵もいない。]
(24) wallace 2015/07/09(Thu) 00時頃
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……これ ラルフ怒られるんじゃ。
[それは私の思う所ではない。 真っ直ぐ抜けた先はすぐに神殿だ。
門番に姿を確認されれば、侍女の姿も見える。]
ごめんなさい。 私だけ先に帰ってきたけれど、 私が決めた事だから彼を咎めないで。
(25) wallace 2015/07/09(Thu) 00時頃
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…それと、エフは中にいる?
[問えば、なにやら待合室を抜けて城下に出たと聞く。 は?という顔を一瞬だけした。一瞬だけ!]
(26) wallace 2015/07/09(Thu) 00時頃
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……、私も少し次までの時間、外にいたいわ。 誰かお願い。
[と、近衛を2人連れていく流れにする。 神殿の前の大通り。見渡せば、見つかるかも。 結構甘い考えできょろっきょろしながら足早に歩くと、]
っぶ。
[あまりの意外性の組み合わせに噴出した。>>23]
(27) wallace 2015/07/09(Thu) 00時頃
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似合わない。
[はっきりと言って、それからエフの正面に立つ。 背後には近衛が二人。首を後ろに向けて、]
行って。 …もうエフがいるからいいでしょ?
[近衛に、勝手に今から次の試験の開始を通達する。 はっ、と短い返事と共に近衛は神殿の方へと戻っていった。]
(28) wallace 2015/07/09(Thu) 00時頃
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[じゃあ、と花屋の娘に礼をして、 立ち去ろうかという段だった。]
…? ん、ん?
[大通りの向こうで、見慣れた恰好をした奴らを引き連れた、今しがた浮かべていた姿が見えた気がした。]
(29) miseki 2015/07/09(Thu) 00時頃
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[思う間にも、その三人との距離は近づき、]
…
[顔を合わせて真っ先に、噴出された。]
(30) miseki 2015/07/09(Thu) 00時頃
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うるせえ
[似合わない。すっぱり言われた台詞に反論はできない。そりゃあ、花が似合うような顔をしてない自覚はある。]
お前さんに似合えばいいんだ、 こういうのは。
[花束を見下ろして、ほら。と差し出す。]
(31) miseki 2015/07/09(Thu) 00時頃
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部屋に飾ってもらえりゃ、 と思ったんだが。
……、 思ったより早かったな。 探させたか?
[衛兵が一礼をして去っていく。]
(32) miseki 2015/07/09(Thu) 00時頃
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これって…ダイアモンド・リリーじゃない。 誰かに聞いたの?
[フランクと花の話をしたかは覚えてないけど、 薄紫色をしたそれを受け取って 視線を落とせば、ふ、と笑む顔が添えられる。]
ありがと。
…、… ああ。 うん、まあ、そんなとこ。
―――、ほら!さっさと全員終わらせたいじゃない?
(33) wallace 2015/07/09(Thu) 00時頃
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ああ。リッサに聞いた。 こういうのは、好きなののがいいだろ
[そう彼女の侍女の名前をあげて、 笑む顔に表情を緩める。]
俺と──、あと、そこの花屋からな。
[親指で示すと、店先にいた花屋の看板娘が「い、いつもありがとうございます!!」と、緊張気味にぴょこりお辞儀をした。]
(34) miseki 2015/07/09(Thu) 00時半頃
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…
あんまりさっさ終わるのも、… … 緊張はするな。
[さっさと。と言われて、吸った息を塊にして吐く。制限つき。それとはじめに了承してはいても、それが──痛むように思ってしまうのとは、別の話だ。]
…まあ。……それなら、今から行くか。 連れてきたいとこがある。
(35) miseki 2015/07/09(Thu) 00時半頃
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少し遠回りするが、 あそこまで。
[示してみせるのは、──時計塔の文字盤を。]
(36) miseki 2015/07/09(Thu) 00時半頃
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なるほどねぇ。 [リッサか。納得の相手だった。 花屋から、と聞けば視線をそちらへ向ける。 >>34元気な声に、淡い笑みを返して花を抱いたまま頭を下げる。]
どうもありがとう。
[巫女、完璧です。]
(37) wallace 2015/07/09(Thu) 00時半頃
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うん。
[薄紫の花を抱えたまま、エフの横に並ぶ。 目的地を示されれば、ぱく、と無意識のうちに口が開く。]
え、行けるんだ、あそこ。
(38) wallace 2015/07/09(Thu) 00時半頃
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けどちょっと遠いね。 歩きながら少し話そうよ。
[サンダルで、ぺたぺたと歩きながら、 白いダイアモンド・リリーではなくて、 毒の色を薄くしたみたいな、薄紫の方が好きだった。]
(39) wallace 2015/07/09(Thu) 00時半頃
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