189 とある結社の手記:8
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[村の様子をゆるりと見渡した。村の様子はいつもと同じく静かなもので、確かにイアンの言う通り、誰も見えていないようだった]
…………こちら側…、…………ああ、 うん。 そうらしい。
…あんたも死んだんなら。 ご愁傷様。ざまあない。
[興味なさそうに自分の死を肯定して、 いつもは飲み込む悪態をぼそりと吐いた。 …遅れて、ざまあないのは自分も一緒か、とも思った。 自分の周りの嫌いな奴らを消してくれる神様は、 こうしてひとり死んでしまったのだから。]
[見上げる狼へ視線をやって、ゆるゆると外す。 死んでもなお、癖は抜けきらない。 イアンの顔を見ないまま、幽霊はぼそりと問うた]
………村長の七光りの。 くそったれのアーヴァインを殺したのは、あんた?
(+30) 2014/08/17(Sun) 17時頃
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あはは。驚いた?”私”はこの姿はあまり好きじゃないんだけどね。何なら人間の姿に戻るよ。
[>>+29 謳うように答えると目を細めた。風に合わせてふわり。尻尾をなびかせる。穏やかな振る舞いは、人を襲う化け物には見えないだろう。ただの野生の狼のようである。]
まぁ、”私”自身なんでこんな事をしたのか解らないね♪ でも、元々、死にぞこないの命。 ――――……こんな風に死ぬのも、また、私らしいというか。
[懐かしむように何処かをみやる声は。 私だったか。”私”だったか。 問われた事には、一瞬考え込む様に耳を伏せて。]
…………ああ、あの人はアーヴァインというのか♪ ごめんね、初めて知ったよー
[くっく、と下卑た嗤いを零す姿は、獣のくせに厭に人間らしくて。やはりこの狼が異形のモノである事が解るだろう。]
なになに?なんか感謝されちゃったのかな、私。
[そうして好奇の目を青年に向けた。]
(+31) 2014/08/17(Sun) 17時半頃
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いらない。 無駄に爽やかなあんたの顔見るよりは、 獣の顔見てた方が、まだまし。吐き気がしない。
[もっとも吐くものなんてこの身体には無いのだろうが。 獣に襲われて死んだ身だ。恐れが一切無いかと言えば嘘になるが、それよりも人の顔を見る方が不快感を覚える。 まるでただの狼のような素振りのイアンへ、またため息をついて静かに頭を振った。]
……………自分の命が一番、なんていっておいて。 とんだ嘘吐きだ。
…………………じゃあ、あんたの大事なものって、 結局なんだったの。
[イアンの言葉>>2:312を思い出しながら、懐かしむような声の先へ悪態を吐く。 言葉通りの憎しみは声に乗らず。微かに冗談めかしたような。嗤うような色が僅かに淡々とした声に乗っていた]
(+32) 2014/08/17(Sun) 18時頃
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[初めて知ったと、下卑た嗤いを漏らしながら心にも無さそうな謝罪を言う。そんな人間らしい「化け物」へ頭を振った。謝罪はいらないというように。]
……………あんたは嫌いだけど。
感謝はしてる。………ありがとう。
……………でもどうせなら。 全部、消してほしかった。
[好奇の目も、幽霊と目が交わる事は無い。]
(+33) 2014/08/17(Sun) 18時頃
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えー。そうかな。 私ってそこそこに恰好良い顔していないかな?
[そう言って、拒まれなければ彼の脚元に擦り寄ろうとした。 拒まれてしまえば、媚びたような視線を送って。ひとつ吠えるだろう。]
……うーん。何だろうね? 詰まる所、特に無いかもしれない。
[自分の言葉の矛盾に気が付くと。何かを考え込む様に暫し俯く。 ”私”は喧噪を嫌い、慎ましく過ごしていたはずなのに。 享楽に誘われるがままに、足を運んでしまった。 泡のようなひと時の先には、何も無いと解っていたはずなのに。 ただ、麻薬の様に刹那的な幸せを噛み締める事に勤しんでいただけだ。]
ん?どういたしまして? ラルフ君はなにか、大事なものはあるのかな。私はそれに貢献をしたのかな。
[長い四足を地面に伏せて。青年を見やる。]
(+34) 2014/08/17(Sun) 18時半頃
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[擦り寄る狼へ「きもちわるい」と言って半歩引いて拒むと、媚びた様な視線を送ってひとつ吠えられた。狼に殺された苦痛を、無意識に覚えてしまっているのか。その声に僅かに肩を跳ね上げる。皮肉なものだ。苦痛を覚える身体などもう無いというのに。]
…本当、あんた。嫌な奴だな。
[僅かに顔を顰めてぼそりと返した]
[考えるように俯いた狼をちらりと一瞥し。 地面へ伏せた狼が、こちらに視線をやるとゆっくりとその視線を逸らす]
(+35) 2014/08/17(Sun) 19時頃
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……………………… 大切なものは、あったけど。
[―――きれいなものを、大切なものを仕舞う為の 誰にも見つからない「柱時計」の部屋は、もう主を失った。]
…………………………もうきっと。叶わないし。
[「彼女」の為に幽霊が用意した「柱時計」の部屋の中には、 これから先、誰も入ることは無いのだろう。 静かに静かに、人知れず。 誰も入らぬまま知らぬまま、朽ちていくのだろう]
………叶えてもらったんだとも、思う。
[…誰にもその場所を隠したまま。 主自体が、「きれいなもの」の中へ消えてしまったのだから]
(+36) 2014/08/17(Sun) 19時頃
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だからもう。あんたと同じ。 ……たぶん。無い。
[淡々と話す声には、僅かな落胆と諦観。 …そして、ほんの僅かな、幸福感がのった]
[愛想の無かった幽霊には珍しく。微かにだけ、口の端に笑みを作る。 感情を隠す為の口を隠す癖は出なかった。 幽霊にも、自分が笑っていると気付いていなかったから]
…………………貢献は………、さあ。 どうだろう。
………少なくとも。 アーヴァインとサイモンが死んだ時。 良かったって。 ………そう思った。
だから、感謝はしてる。
(+37) 2014/08/17(Sun) 19時頃
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それは褒め言葉なのかな?あはは
[>>+35 皮肉の言葉は解らないと言わんばかりに。前足の間に顎を乗せて、小さく嗤った。 視線を決して合わせようとしない男の、その琥珀色のなかは。一体何を映しているのだろう。 どこか遠くを見ているようで。その実は、何も彼のなかには観えていないのだろうか。]
――――……ふぅん
[彼が、微笑んだ。]
[日が落ちていく。ヒグラシが鳴いている。 村は影を濃くしていく。 けれども、一人と一匹には。影すらない。]
……誰かを探していたんじゃないの?行かなくていいの?
[落ちる夕日を眺めながら、狼は尋ねた。 >>+25 夢遊病者のような背中は、誰かを求めていたのように見えたのだけれども。]
(+38) 2014/08/17(Sun) 19時半頃
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[嗤う狼を睨むように一瞥して、すぐに視線を逸らし。 幽霊は小さく舌打ちした。 …逸らした目の先には、遠く小さく湖が見えている。 狼の察する通り。その実は、何も見えていない。 ただ、視界に入るものが汚いものと決めつけて、 拒否しているだけ。何も見ようとしていない。]
[日の暮れる街並み。影すらも濃くなるというのに、 幽霊の色は一切濃くならず。ただ霧のように透けている。
一人と一匹の話す声すらも、生きている者達へ音を届ける事は無い。たかがヒグラシでさえ、こんなに五月蠅く鳴けているというのに。]
(+39) 2014/08/17(Sun) 20時頃
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[狼に尋ねられて、幽霊はゆるゆると僅かに頷いた] [狼へと背を向けて。ぼそりと呟いた]
……………。 もう一匹の狼に。 なんとかよろしく言っておいて。
………あんたなら、きっと。知ってるんでしょ。
[お互いの声が生者に届くわけも無いのは知っている。 朝に同じくらい勝手な事を言われたな、とぼんやりと思った]
[そのまま振り向かずに、幽霊は再び影も無い歩く霧となって、 暮れた街をふらふらと歩いていった]
(+40) 2014/08/17(Sun) 20時頃
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―村長宅―
[…やがて、幽霊は村長の家の前に辿り着く。 意志の薄いようなゆったりとした足取りで 彼の家へと入っていった]
監視の為だろうか。中に居る結社員が 無言のまま入ってきた彼を咎める事は無かった。 彼の姿を見る事は出来ないのだから、当たり前だ]
[部屋の奥。苦しげな息を繰り返し、横たわるホリーの姿を見つけると、幽霊はゆっくりと枕元へと膝をついた]
(+41) 2014/08/17(Sun) 20時頃
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……………………………………お嬢さん
[霧のように静かなぼそぼそ声で、声をかける。横たわるホリーがこちらを見る事も無い。誰の鼓膜を動かす事も無い] [苦しげなその顔へ手を当てても。触れた感触などは一切無く。 彼女もただ苦しい息に胸を上下させるだけだ]
……………。 …………………、きれい。
[長い彼女の髪を掬い上げようとした。 霧のように霞む白い指先に、彼女の髪が絡むことは無い]
………………………仕舞ってあげたかった。
[呟いた声は、生者はもちろん。死者でさえも届かないほど小さく] [幽霊は彼女の髪に顔を埋めるように。彼女の枕元へと、静かに静かに自らの額を置いて、目を閉じた**]
(+42) 2014/08/17(Sun) 20時頃
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掃除夫 ラルフは、メモを貼った。
2014/08/17(Sun) 20時半頃
掃除夫 ラルフは、メモを貼った。
2014/08/17(Sun) 20時半頃
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