22 共犯者
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>>*27
なるほど?
ならば、ラトルの娘の口を塞ぐか。 この先余計な力は使われたくない。
[ 淡々と声は宣告する。]
(*29) 2010/08/03(Tue) 21時半頃
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>>*27 もしかしたら、俺は、最後まで アンタの側に居られねえかもしれねえ。
ラトルの娘を一応は手なづけて置いたから、 今すぐ俺が狙われる事は無いと思うが…。 ……あーあ、ドジっちまったよなあ。
なんだかよ、急に、 アンタの声が聞きたくなったのか、 アンタの匂いが嗅ぎたくなったのかわからねえが…。 気が付いたら、ここへ来ちまってた。
(*30) 2010/08/03(Tue) 21時半頃
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─昼間・工房にて>>*30─ [ 既に身支度を整えた彼は、じっと同胞を見詰める。]
何を気弱なことを……
[ 一笑に付したが、眸はそれ程笑ってはいない。]
(*31) 2010/08/03(Tue) 22時頃
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[話している場で、ノックスが狼の血を引く者だったと言う話を聞いただろうか>>*20]
そうか、アイツが……。
[確かに、思い当たる節は有る。]
俺と対峙した時>>*4のあの少年の目。
覚悟を決めたあの眼は、 獣のごとき鋭さと気高さを確かに持っていた。
(*32) 2010/08/03(Tue) 22時頃
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>>*28 オスカーの姉妹? 「ホリー」か……。
俺はあの娘こそ 我らの血を引く者かと思っていたが。
確かに方割れを喪った少年が、 どの様に豹変するか、見てみたくはある…。
(*33) 2010/08/03(Tue) 22時頃
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>>*29 [マーゴを狙うかと告げる同胞の言葉を じっと考えているようだ。
マーゴへの、一種言語化し難い感情が ヘクターの中で無意識に揺れ動いて居るのかも知れない。
同胞の身を護るには…それも止む無し、 と言うのは理解してはいるが。]
(*34) 2010/08/03(Tue) 22時頃
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>>*34 [ 同胞の考え込んでいる様子を観察した後、]
──ならば一日猶予しよう。 お前の決心が付くように。
だが思い出せ。 儀式を完遂するには、あの娘も手に掛けねばならない、と言うことを。
[ それは事実であり、冷酷な宣言だ。]
(*35) 2010/08/03(Tue) 22時頃
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>>*31 [一笑する同胞に近づき、心を落ち着ける。 そして真剣な顔で真っ直ぐに彼を見つめると、口を開く。]
俺にもし何かあった時は、「キツネ」を頼れ。 アンタの命令なら、喜んで命を投げ出すような奴らばかりさ。 表向きには出来なくても、色々と今以上に援助できるだろう。
[ヘクターが墓地でマーゴに話した伝承は大筋事実であった。
実際、彼の家の人間をマーゴが視たならば、濃さの程度はあれ、同じような違和感を感じ取っていただろう。
中には、ヘクターの子を宿した女も何人か居るかもしれない。]
(*36) 2010/08/03(Tue) 22時半頃
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>>*36 [ 同胞の瞳の奥の真剣な色を読み取り、 それを真正面から受け止める。]
──ああ。
[ 短い応(いら)え。 だが彼はどこまで同胞の言葉を守る気であったか。]
(*37) 2010/08/03(Tue) 22時半頃
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>>*36 [同胞に、万一自分が先に還った時の事を伝える。 それは杞憂かもしれない。だが―――。]
ヴェスパタイン…。 アンタの肌に、ちょっとだけ、触れてもいいか?
俺は、きっと、たぶん、 アンタより先に………。
[それ以上は言葉にならなかった。]
(*38) 2010/08/03(Tue) 22時半頃
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>>*38 [ 同胞を見詰める宵月の瞳は揺らがない。 だが。 無言で腕を開き、愛しいものを呼ぶように誘(いざな)った。]
(*39) 2010/08/03(Tue) 22時半頃
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>>*39 [始めに腕に触れ、肩に触れ、長い髪の懸かった背に手を伸ばす。 やがて彼に抱かれるよう懐に入る。人の子とは違った感覚。 自分の心が落ち着き、また同時に湧き立つのを感じていた。]
(*40) 2010/08/03(Tue) 23時半頃
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オスカー、ホリー、オスカー……。 [夜の森で一人呟く。]
(*41) 2010/08/03(Tue) 23時半頃
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>>*40 [ 広い背に腕を回し、近付いて来た肉体を抱き取る。 腕の中、招き入れた赤毛の同胞は彼よりも大きく、圧倒的な存在感を持っているのに、包み込むのは同胞ではなく、彼、なのだった。 そのまま、静かに腕の中の同胞に身を委ねる。 仰のいて、祝福を与えるように額に口接けた。]
(*42) 2010/08/03(Tue) 23時半頃
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[ 彼が望めば、そのまま抱かれることもしただろう。 触れ合った同胞の汗の匂い、呼吸と鼓動の音に包まれ、『かれ』は宥めるように背を撫で続けた。]
(*43) 2010/08/03(Tue) 23時半頃
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>>330 [マーゴ・ラトル… 我らが宿敵の「視る者」の一族。 我らの敵、只の贄の筈なのに、 あの娘に覚えるこの感情はなんだ?
―――俺は、人に混じり過ぎたのか? 自分でも制御できない感情に戸惑っていた。]
(*44) 2010/08/03(Tue) 23時半頃
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>>356 ホリー・アレクサンデル…。 あの少女、何か恐怖を察知しているようだ。
我らの眼に気付いたか、それとも「人の手」が怖いのか――。
片割れが邪魔だ。襲う際に上手く引き離せると良いが。
[彼の眼は同時に樵の少年や白いシャツの女へも向けられていた。]
(*45) 2010/08/03(Tue) 23時半頃
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[ オスカーには、闇をも見通す捕食者の眼が彼の姉を見据えているなど、知る由もない。]
(*46) 2010/08/04(Wed) 00時頃
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>>*43 [まるで獣同士がじゃれ合う様に、肌を合わせると、彼の体温を、肉体をより強く感じる様になった。 彼を抱いているのは俺の筈なのに、ずっと彼に抱かれている様だった。]
(*47) 2010/08/04(Wed) 00時頃
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