162 絶望と後悔と懺悔と
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―廊下にて>>3:*143>>3:*144―
……リッキィは? 体以外に、何も変わってないって?
[謝り、走り去るリカルダの。 何か別のものを見るような眼差しに、それ以上は何も言えなかった。
手の内にある小さな春を、知らず、握り締めた。**]
(*0) 2014/02/14(Fri) 00時半頃
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……なんで? 俺に殺されてくれるんじゃ、なかったの?
[柄を握る力を強め、押し込む。 と同時に左の肩が動くのが見え――]
っ!
[頭突きをせんと、頭を前に。]
(7) 2014/02/14(Fri) 00時半頃
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っ!!
[一瞬見せるは、悔しさ。>>13 がんっと鈍い音が周囲に響く。
ぐらりと身体を傾げ、痛む頭を抑える。]
……あそんでなんか……
(22) 2014/02/14(Fri) 01時頃
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良いから、今は大人しく、気絶でもしてろよって!
でないと、足、……落とすよ?
[額をごりと押し付けあい。睨む目は近く。 曲げた膝を、腹に。]
(25) 2014/02/14(Fri) 01時頃
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………はぁ、はぁ……
ふぅ……
[周の腹に膝が沈む。肩に触れた真弓の手によって、零瑠の身が離れる。崩れ落ちた周の腕を掴み、零瑠は前髪を掻きあげた。]
……殺すなら、お父様の前で。
[息を整えた後にようやく真弓の方を向き。]
ありがとう。ちょっと、熱くなった。
(33) 2014/02/14(Fri) 01時半頃
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/* 謝っておこう。 ごめんよ、時間軸を上手に動かせなくて!
これは、もう周死亡フラグはないと思った方が良いのだろうか。
(-20) 2014/02/14(Fri) 01時半頃
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[気絶させた周の身体を肩に担ぎ、自室に運ぶ。首筋の2つ孔から流れる血。指で掬って舐めた。ふと、己の首筋に手を当て。褒美を頂いた日の事を思い出し。次いで手は頬に。]
……急がないと。真弓。行こう。
[そう、呼ばれているのだ。>>3:252 5年前に戻った様な感覚。 かぶりを振り、心の奥へと押し込む。 起きても逃げられないようにと、身体を寝台にくくりつけた。
舐めてみる? と周の血のついた指を真弓に差し出したりして。主の待つ場所へと急ぐ。*]
(37) 2014/02/14(Fri) 01時半頃
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―決起集会―
[明日の夕暮れの出陣。>>3:*77 吸血鬼が太陽光に弱いだの、浴びたら灰になるだの、そんな『迷信』を信じる隊員は居ないだろう。けれど、夜目が利かないのは『人間』の方だ。
主の睨む視線は遠くつい、同じ方を向き。 鼓舞に頬をやや上気させたが、冷たい三日月は勿論零瑠にも向けられる。>>3:*80こくと神妙に頷くより他はない。*]
(*4) 2014/02/14(Fri) 02時頃
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―自室―
[真弓の言葉に偽りはない。>>26 気が変わることも、ない。
それでも。1秒でも長くと思ってしまうのは何故だろう。 零瑠の為に、零瑠に殺される為に、サミュエルを逃してまで残ったのではないのか。
何故、諦めてくれないのか。 何故、無効にするのか。
周に問うても、眠ったままの耳には届かない。時間だけが、過ぎていく。]
(53) 2014/02/14(Fri) 02時頃
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―当日、襲撃前の城―
はい。
[遂に呼び出された。>>3:412 背筋を伸ばし、声に応える。]
……宜しければ、今すぐに此方に連れてきても宜しいでしょうか。
一度、お目通りが叶えば、と。 あなたに捧げるのはこの部屋か―……
或いは……
[膝を折り、紅の眸を見上げる。 零瑠の目には雫など有漢ではいなかった。静かに、微笑む。**]
(54) 2014/02/14(Fri) 02時半頃
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或いは、補給基地への襲撃の前に。
斥候隊の突撃する、その前に……。
[まるで見せしめの様だ。**]
(*8) 2014/02/14(Fri) 03時頃
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―回想・城内・周との散歩―
ねぇ、周。 吸血鬼は銀に弱いって、そういう話、知ってる?
[迷信だけれど。床を掃除させられている『家畜』がちらり、見上げてきた。零瑠は一瞥して歩を進める。]
……へぇ、円かぐれたって? 予想外。名は体を表すと言うけれど。 角ばってしまったみたい。
[『周』はびっしりと一面に彫刻が施された成り立ちがある。行き渡る。5年前とは変わらない、周。]
(68) 2014/02/14(Fri) 18時半頃
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[では、『零瑠』は? 先の初陣で、幾人の命を散らしたか、分からない。 幾人の命を散らし損ねたか、分からない。
都に降る――… まだ足りないのだ。まだ……
……まだ。]
(*28) 2014/02/14(Fri) 18時半頃
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[『みんな』の様子を聞き、此方の話を返す。吸血鬼のこと、家畜のこと、守護隊内部の事まで話は及んだか。
まるで世間話のように。けれど時折、零瑠は手首から掌の方へと掴む手を降ろした。
肉の厚み。指の付け根。柄を握り、刀を振るい、堅くなった豆、皮膚、古傷。指の先に到れば、関節部分の骨の膨らみ、節と節の間の骨、甘皮、爪と肉の間……。 背肉を裂いた爪で軽く引っ掻くのも、 じゃれているからではない。]
情報の精査は此方がするものだって、言ったじゃないか。
[隠そうとするなら、いつでも折れるのだ、裂けるのだと。見上げて微笑む。*]
(69) 2014/02/14(Fri) 18時半頃
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―主と>>*15―
[『嘗ての仲間』と主は言う。 零瑠の中では今でも『大好きな家族』だが、『仲間』ではない。 守護隊は倒さねばならない。だから頷く。
――是、と。]
……は、此方、に?
[最後の言葉は主の口から聞くには意外なもの。 けれど。ぐらりと天秤が傾く。 主の愉しみのひとつになりそうだと、それは言い訳めいていた。**]
(*29) 2014/02/14(Fri) 18時半頃
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―自室―
[周に関する主の許しを得て>>58>>59、零瑠は自室に戻る。部屋に居なければ探し出すまで。]
行くなって、言ったのに……。
[寂しげに呟き左肩を外す。 部屋に居ても、視線に諦めの色が見えなければ、結局は同じことをするのだ。
この程度で心折れる周ではないだろう?と、眼差しは語る。]
(71) 2014/02/14(Fri) 18時半頃
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…………周。良いことを教えてあげよう。 日没間際にこの城を出なければならない。
この意味が、分かる?
[次の襲撃があることを示し、白の手袋を両手にはめていく。きゅと端を歯で噛み引っ張る。 そうして、おいでと白の掌を開いて見せ。彼の手首を掴んで引く。]
その前に。 ……お父様が、周に会って下さるって。
なかなかないよ? こんなこと。
[良かったねと指先に力を込め。 やがて到るは主の待つ場所。*]
(72) 2014/02/14(Fri) 18時半頃
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/* 理依の在り方は好きだな。(突然の告白) 気にはしていたんだもの。
割りと比較している。
(-40) 2014/02/14(Fri) 18時半頃
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/* 真弓が話し掛けてきた!わぁ、嬉しい!!
愛されたい、のかな?零瑠は。
(-41) 2014/02/14(Fri) 19時頃
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[変わらなければ生きていけない。>>*18
6の雛のうち、一番変わったようで変わらなかったのは直円のように思えた。
間延びした癖のある口調。 相手の出方を伺い、対応を変える戦闘スタイル。
早々と諦めたのではないか。受け入れたのではないか。 それでいて、彼自身の中にどんな『陰謀』を巡らせて居たのか。
今となっては尋ねる術はない。**]
(*31) 2014/02/14(Fri) 19時頃
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―回想・城内・真弓と―
[真弓は凪いだ表情でついてくる。 手助けは必要ない。二人で運ぶのも変だし、真弓に運ばせるのは論外だ。周も嫌だろう。>>56]
……そう? 味、違うんだよ。……やっぱり。
[断られた指を口の中に含む。 珍しく、本当に珍しく彼女の表情が変わるものだから。
戦場で出会ったサミュエルを思い出して、ふと小さく笑った。理由を推測せぬまま。]
(*33) 2014/02/14(Fri) 19時半頃
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……ところで、真弓もお出かけ? それとも、偵察?
[よく似あってると、花の色に似た紫と袴姿を褒めながら、縛り過ぎた紐を緩める。あぁ、赤い痕が出来てしまった。血流を良くすれば早く消えるだろうと擦る。>>*24。]
(*35) 2014/02/14(Fri) 19時半頃
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………は?
[真弓の口から出た問いに、思わず声を上げてしまった。 愛されたい?]
何、言って……。 充分お父様からは……
[額が痛むのは、周と頭突いたせいだ。 『お父様』。何度口にしてもしっくり来ない呼び方。]
……周は、優しいよ。 どうなるとも分からないのに、この城に来てくれた。
殺しても良いって…、言ってくれた。
[俺だけ、という条件付きだけどと付け加え。]
(*36) 2014/02/14(Fri) 19時半頃
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……そうだよ。 俺は、俺の為に周を殺さなくちゃならない。
いや、殺すんだ。
お父様の――トルドヴィン=エメリッヒの為に、捧げなければならない。
周以外だって……。
なんだい、真弓。 言いたい事があるならはっきり言えばいい。俺の前でも隠そうとしないでよ。
真弓は――違うとでも?
[同じ金の祝福を受けたというのに。 色みの異なる紅の眸を背に向けた。*]
(*37) 2014/02/14(Fri) 19時半頃
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/* 直円からどんな教えを授かったか、好きに考えて良いってことなんだろうけど。
何だろうなぁ。何かあるかなぁ。思い出せ!って、 投げてくれそうだから、待とうかな。
(-43) 2014/02/14(Fri) 19時半頃
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―回想・真弓と―
へぇ? 『ただの』。 自由に出歩ける外の世界はどうだった?
気分転換は叶わなかった様にも見受けられるけど。逢ってきたんじゃ、ないの?
[物言いに、ただの訳がないと。>>*41
城の中に居たくなくて。 城の外に出たくて。
理依のように怪我でもしたかと様子を伺ったが、血の香りはしなかった。寧ろ、鉄の。油の。]
(*44) 2014/02/14(Fri) 20時半頃
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――その通り。 明にだって、直円にだって……勿論、真弓にも、ね……。
『俺を殺せ。でも、俺一人にしろ』って、他を庇う。
[彼の怒りの先を思えばこそ。]
……子が親に愛されたいのは……当たり前のことだよ。
[彼女は繰り返す。 確認させたその後が、分からない。 咎めたいのか、それで良いと認めるのか。或いは、自身の確認の為か。*>>*42]
(*45) 2014/02/14(Fri) 21時頃
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[全ては『家族』の為に――と。
すぐには言えなかったと、口を覆う。 目を伏せる。
桜花の。その向こうに誰かが居た気がして。 零瑠は手を伸ばした。**]
(*48) 2014/02/14(Fri) 21時頃
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/* 零瑠さん、多分、家族から愛されたいと思う。 って、何となく思った。
お父様に愛されたいのかと言われたらyes。 そうしたら、家族のためにもなるじゃんって思ってる。
お父様の望みは、鬼になることじゃない。 鬼になる過程を楽しんでいるのだから。 機嫌を損ねたら、首と胴体さよならしてるし。
うん。彼を愉しませ続ける限り。生きてるし。
(-55) 2014/02/14(Fri) 23時半頃
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―回想・主の私室―
[井戸から冥府へと渡り、鬼の傍に身を置く高官の物語。 女の手を取り逃げたが、鬼に呑まれてしまった男の物語。 猿雉犬を供にして、鬼を退治した少年の物語。
そんなに『鬼』の物語に気になるものかと思えば、帝都観光のススメや西洋菓子のレシピ本があったりと、本の種類は多いように見えた。>>3:*126]
安心させる為に……。 えぇ、敵わぬ存在だとしても。弱点がひとつあるだけで手が届くと思ってしまいますから。
[まるで夢のような。]
(*63) 2014/02/15(Sat) 00時頃
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