88 吸血鬼の城 殲滅篇
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ヒュー! 今日がお前の命日だ!
2012/05/02(Wed) 00時頃
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[眷属の苦悩を甘露と味わって、低い笑いを漏らす。 どれだけ抗っても、いずれ渇きに流される時は来る。
その時の葛藤と罪悪感にうちひしがれるさまは また格別な味わいだろうと、ほくそ笑んだ。
いずれにしても、近いうちに血の味を覚えさせる必要はある。 あの男を、永遠に下僕に留め置くためにも。]
(*0) 2012/05/02(Wed) 00時半頃
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……。
[どこからか聞こえる、低い笑み。 耳に纏いつく其れは嘲笑と揶揄を含んで、 ざらりと男の内側を舐め上げる]
……うる、せえよ。
[ぼんやりと血の抜けた思考の侭、囁きを返す。 酷く唇が乾く感覚には、経験があった]
(――脱水症状だな、コレ)
[補給の少ない荒地での戦い。 ぎりぎり足りぬ水を回し飲みした、あの時と似ている]
(*1) 2012/05/02(Wed) 01時頃
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[もう己がヒトでないことは知っている。 ……かつての同胞を殺めて、 それでも、ぎりぎりの正気を保っているのは
人を殺して、魔物を殺して。 そうやって今までも生きてきたからかもしれない。
殺すことを生業にして生きてきた。 殺せと、そう命じられて。 今も同じだ、と投げ遣りに思う。
だから己は共に旅をしてきた仲間も、 何の害さえもない魔物も、
……クレアさえも――殺せる]
(*2) 2012/05/02(Wed) 01時頃
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(いやだ) (なぜ、俺が)
(エリアスが何をした? なぜこの手に、)
(たす、けて )
(*3) 2012/05/02(Wed) 01時頃
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[――悲鳴に蓋をする。 だいじょうぶだと、いいきかせる。
まだたべていないから。 その水をあじわってはいないから。 いつもどおり。
――まだ、そちらにはゆかなくていい。]
(*4) 2012/05/02(Wed) 01時頃
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>>25 ――?
[誰かに呼ばれた様な気がして、ぴくりと目線を上げた。]
……アンタか…? 何か…、…
(*5) 2012/05/02(Wed) 01時半頃
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なに。ちょっとな。 上手くやったら褒美をやると言っていただろう?
その褒美を準備中だ。
[楽しみに待っていろといわんばかりの口調。]
(*6) 2012/05/02(Wed) 02時頃
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>>*6
……。
[思い切り眉を寄せ、声の流れて来る方向を睨む。
この男の『褒美』など、 最初から嫌な予感しかない。]
(*7) 2012/05/02(Wed) 02時頃
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[睨みつけてくる視線までうすうすと感じて、 押さえきれない笑い声を漏らす。]
心配すんな。 おまえもきっと気に入る。
泣くほど感謝してくれてもいいぜ?
(*8) 2012/05/02(Wed) 02時半頃
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……っかし、いてーな。
[うっかりと零れた声には、気付いていない**]
(*9) 2012/05/02(Wed) 02時半頃
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>>*8 ……っ、…。 ………誰が泣くか。
[言い返しながらも、声音は僅かに揺らぐ。 不審と、不安。 ――同時に、揶揄うような遣り取りが快くて]
(*10) 2012/05/02(Wed) 07時頃
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>>*9
……? 怪我でも、したのか…?
[零れた声に、瞬く。 ……暫くの無言と、 どうして良いかと迷うような気配。]
………何処にいる? 俺、行こうか?
[自分が何を言っているか困惑するように 唇を引きしめる。 ――行ってどうすればいいのかとも、 わからなかったが]
(*11) 2012/05/02(Wed) 07時半頃
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[深紅の波動が覚醒を促す。]
(*12) 2012/05/02(Wed) 09時頃
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あ…?
[呼びかけられ(>>*11)て、疑念がそのまま声に出た。 ややあって、自分がうっかりと零したこと(>>*9)に気付く。]
……ばかやろう。 おまえに心配されるほど、落ちちゃいねぇよ。
[投げ返す口調は、普段よりもなおぶっきらぼうなもの。]
(*13) 2012/05/02(Wed) 09時半頃
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それより、自分の心配でもしてろ。 怪我しただろ。血の臭いがするぞ。
[自分もまた血にまみれているにもかかわらず、 優秀な猟犬のように、眷属の血を嗅ぎ分けて指摘する。]
―――今のおまえじゃ、ほっといても治らねぇぜ。 ちゃんと喰いな。今、餌を連れていってやるから。
死にかけの獲物だ。一人でもちゃんと喰えるだろう?
[機嫌良く喉を鳴らす猫のような声音。 獲物を、いたぶるような。]
(*14) 2012/05/02(Wed) 09時半頃
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(姫は── 何処におられる──)
(*15) 2012/05/02(Wed) 10時頃
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まだ寝ぼけているのか。
目を覚ませ。ヒュー・ガルデン
[名を呼び、覚醒を促す。]
(*16) 2012/05/02(Wed) 10時半頃
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おまえを担いでいると、重いんだよ。
[大した負担にも感じていないくせに、 文句を言って、笑った。]
(*17) 2012/05/02(Wed) 10時半頃
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[「目を覚ませ」と、軽佻な口調の命令にも血は沸き立つ。 血の盟約、永遠の君主の「声」。
世界は裏返り、逆しまになったことを知る。]
(*18) 2012/05/02(Wed) 10時半頃
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おまえが望むのは、なんだ?
["声"を通じて為された問いは、 もっと魂の深い場所を突くもの。]
(*19) 2012/05/02(Wed) 11時頃
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我が望みは、クラリッサ姫を現世に甦らせ、平穏で幸せな日々に戻っていただくことに他ならず。
(*20) 2012/05/02(Wed) 11時半頃
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[目の前に立つヘクターが口にした言葉とは同時に別の「声」が響く。
それが空気ではなく闇を介して伝わるものであり、それに呼応した自らの「声」もまた、意識そのものの伝播だったと気づいてわずかに動揺した。]
(意識に直接、語りかけてくるのなら、心を読むのも容易いか…)
[逃れられぬ定めがもうひとつ増えたことを知る。
まだ闇の領域が「兄弟」ともつながっていることは把握していない。 そもそも、ドナルドが闇に堕ちたことも知らなかった。 向うから声をかけられるか、そうと教えられるまで、このまま意識を読まれ続けることになるだろう。]
(*21) 2012/05/02(Wed) 11時半頃
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[騎士が口にした望みには薄い笑みを浮かべたが 内心を露わにすることはせず]
ならば、連中を殺し尽くせ。 奴らの血を捧げてやれ。
―――おまえとあれは、いまや"血の兄弟"だからな。 これからもしっかり姉につくせよ。
[方法を示唆して、けしかけるに留め置いた。]
(*22) 2012/05/02(Wed) 12時頃
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ですが、
姫を姉などは畏れ多い… おれは一介の騎士のままで充分に──
(*23) 2012/05/02(Wed) 12時頃
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そうか?
ああ、そうだな。 姉弟では添い遂げられんからなぁ。
[尊重する気もない人間の習俗を口にして、 騎士の忠道を笑い飛ばす。]
(*24) 2012/05/02(Wed) 12時半頃
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まあ好きにするがいいさ。
あれが何を望むかは、聞いてみないことにはな。
(*25) 2012/05/02(Wed) 12時半頃
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……ぁ、
[小さく意識が洩れたのは、ヘクターのからかうような言葉そのものにではなく。 とっさに「並び立つのは畏れ多い」という考えが先にたってしまったが、ヘクターの言葉を反芻すれば、わずかに不安が根ざす。]
(姫が「娘」だというのは──)
[妾腹にせよ実際の、と思っていた。 だが、「血の兄弟」という言葉には──]
(*26) 2012/05/02(Wed) 13時頃
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[ヒューにはまだ自分が「吸血鬼」だという自覚はない。 ただ、ヘクターと「契約」したことにより、人ならざる力を得たことは承知していた。]
( 姫…は、 )
[何かが胸にひっかかる。
去ってゆくヘクターに問うこともできたろう。 だが、逡巡した。]
(*27) 2012/05/02(Wed) 13時頃
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>>*13
……心配なんざしてねえよ。 するような状態だったら、俺が何しても無駄だ。
[いつもよりぶっきらぼうになったその口調に ふ、と息を吐く。 恐らくは彼のプライドを傷つけたのだろう。 余計な事をした、という後悔に唇を噛んだ。 気まずさを誤魔化すように、口早に囁く]
……アンタが斃って、俺が困るとでも思うのか?
(*28) 2012/05/02(Wed) 14時頃
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