無言のままに、ヤニクの行動をアーモンド型の目を薄く開いて見つめる。
彼の手が脚に触れたときは、少しばかり緊張した顔をしていたが。
二度、三度と撫でられるたびに、あの奇妙な熱がじわりと彼の手が触れた場所から強くなるようで、力が入らなくなっていく。
患部から胸につっかえ、胸から脳にざわざわとした熱さが昇り]
は、ひ……ぁ
[首筋を舐められ、ぴちゃつく音が鼓膜を微かに震わせる。
それに被さり、口から零れる情欲の声。
今まで聞いたことのないほど、それは甘くて慌てて口を手で塞いだ。
敏感な薄い耳を食まれ、軽く触れる牙の感触にぞわりと毛が逆立った。
尻尾と脚がひくんと動き、くぐもった声が狭い空間に満ちる]
ふぁ……にいちゃ、ぁ…、あつ、力、はいんな…ぃ
[混乱しているせいか、口をつくのは子供っぽいからやめたはずの呼称]
(*53) kaisanbutu 2014/08/01(Fri) 19時頃