─ヤニクと・あざとショタだったころ─
[抱きかかえられる身体は、少し体温が高くてぬいぐるみのようにくったりしていた。
浅い息を吐き、すがり付きたくても妙な熱りで力が入らず。
優しい手にただ身を任せながら、床に下ろされたときに、はふ、と溺れたように喘いだ]
ん……。
[温厚な顔に複雑な色を浮かべるヤニクの口振りに、なんとなく言わんとする方向性は察してしまって目が泳いだ。
鈴むんの後をてちてち付いて回ってた仔猫のときならともかく、今はそれなりに知識もあって。
それゆえの思春期特有の潔癖さにより、顔に差した朱が色味を増す。
それでも、じっとしているだけで堪らない衝動が込み上げる現状を放置するのも辛いし、このままだと自分の制御が利かなくなりそうで、怖い。
もじもじと脚を擦り合わせ、股を隠すように拳を握っていたが、やがて]
や、にくが、
[羞恥に消え入りそうな声で、呻くように言った。
身体にほとんど力が入らなかったのが、大きな理由]
ヤニクが、いい……。
(*49) kaisanbutu 2014/08/01(Fri) 14時半頃