― 回想 ―
[永池の眉間の皺が深くなり、睨むように見られる>>23。
何かが気に障ったのだろうか。不安げに1度だけ見上げて、すぐに瞳を伏せる。
さすがにこの程度のことで、清流のもとにいる愛里を呼ぶわけにはいかない。
迷惑にならないように造花を早めに付けようと思っても、焦る気持ちから手が上手く動かない]
………っ…?
[かけられた言葉は優しさに満ちている気がして、手に造花を持ったまま思わず顔を上げる。
ちょうど教卓の上の造花に視線を送っていた永池と視線が合うことはない。
すぐに緊張が解けて、口元に笑みが浮かぶ。造花を付ける作業もその後滞ることはない]
え、あ……構わないんですか?
[取り出される携帯電話。少しだけ迷う素振りを見せて、自分の真っ白な携帯電話も取り出す。
ストラップは付いておらず、古い機種であるはずなのに、汚れた形跡が一切ない。大切に使っているからか、あるいは使うこと自体が少ないからか。隠すように両手でぎゅっと握る]
あの……電話はきっと出れない方が多いですし、かけられないと思いますから。メールアドレス教えていただいても構いませんか?
[小さく首を傾げて問いかけ、メールアドレスの交換を行った]
(@9) 2011/02/27(Sun) 12時頃