[店への来客も、ハロウィン当日はそれなりに。主に胃薬が多く出回っている。
食べ過ぎ飲み過ぎその他諸々。多めにストックされたそれらを普段通りの不親切で売りさばいて、足りなくなればまた補充。今日は、それなりに忙しい。]
…ぁ?
――ああ、そう言う、薬。
何処で聞いたか知らんが、まあ、
あるにはある。
[訪れたのは若い男。
別に珍しい事じゃない。ハロウィンに限らず、大きい祭の当日や前夜祭に、こういう客はそれなりに居る。
カウンター背後の戸棚から赤の小瓶を取り出すと、薬にしては多めの硬貨と引き換えに、会話の少ない商談は終わった。
材料さえ入手できれば、魔女の真似事ぐらいは出来る。
ハロウィンの夜に恋人とベッドでしっぽりする予定なのだろう。足取り軽い男の背を見送ると、]
…――フン。
[数割増しの不機嫌そうな顔をして、媚薬等の在庫を確認し始めた。
そろそろ本物の魔女から材料の調達をしなければ。]
(@7) 2014/10/20(Mon) 22時頃