[水色だとか、ぽよぽよだとか、適当な呼称で呼ばれることも多いが、塊にはきちんと名前があった]
「ソランジュ、向こうのテーブルにこれ持ってってくれ。…あと、こっちはお前にやるよ」
[渡されたのはたっぷりの氷が載せられたアイスペール。
それを落とさぬようにむにりと受け止めて。
直後にぱらぱらと落とされた数欠片の不格好なドライフルーツは、身体に入れてころころと遊ばせる。
淡い光を放つ桃色の欠片や、つやりと光沢を持つ黒果、銀の粒が水色の身体を透けて星のように煌めいた]
「ここの外には獣がいるらしいが、お前齧られるんじゃないか?」
[氷の届け先、馴染みの客から向けられた軽口には、ぺしりとテーブルの縁をはたいて不満を示す。ごめんごめんと笑いながら客が食べていたナッツをいくつか貰ったので、まぁ良しとしたが。
開店して慌ただしくなりはじめた店内で、次はどこにねだりに行こうかと這いずりながら]**
(@4) 2022/08/05(Fri) 08時半頃