…いえ、ここには充分過ぎる程の英雄と呼ばれるに相応しい方々がいらっしゃる。
既に実力の限界を迎えた僕には、ここにいる方々の役に立つことはないでしょう。
[事実、自分が知っている彼もまた、最期には自分の力など決して必要としていなかった。
それほどまでに成長していたのだから。
自分に出来ることは、成長のきっかけを与える程度の事なのだろう。]
少なくとも僕には荷が重い事です…。
でも…そうですね、一つだけ信じられる事を思い出しました。
だから、怖かったものの一つは乗り越えられるかもしれません。
[そうだ。彼は音虎という男はそう簡単に諦めたり、負けたりするような男ではない。
だから自分もまた、秘宝の一つ破滅《メキド》の焔を渡したのだ。]
扉の先に何があったとしても、僕はそれを受け入れなくてはいけませんね…。
(496) 2014/06/08(Sun) 23時頃