― 翌朝/ラルフの部屋 ―
[紫の両眼が開いたのは、いつも起きる時間よりも遅いものだった。
あれから、床の上で始まった行為は、ラルフの寝台へと移って。
何度となく合わせた身体を解いたのは、夜明けも近かったか。
濡らしたタオルで互いの身を清め、結果的には用意周到となった、持ってきていたシーツとタオルケットとドロドロになった元のそれを交換してから眠りに堕ちた。]
――……流石に、まだ起きないか。
[裸のまま1つのベッドで寝るを、厭われることは無かったろうか。
厭うほどの余力が、相手にはなかっただけかもしれない。
腕の中で眠る存在、その濃藍の前髪を梳きながら、小さく呟く。
そういえば、このように朝を共にする交わりは初めてだったと思う。それは、学期中の寮という体制と、表上品行方正であれば、当り前ではあったのだが。]
(311) 2010/09/07(Tue) 10時頃