[シロガネは、トレード成立をした魚を早速初期ナイフで締めた。手際よく延髄からナイフを通して、動かなくしてから早速血抜きをする。
網に入れて生かしておくより、大きな魚はさっさと締めてしまった方が傷もつきにくく、またストレスを溜めずに身が固くならない――というのはこの世界でも同じなのだろうかと思いつつ。]
そうですね……工房に依頼、ですか。
それも楽しそうですね。どなたか、良い人はおりますか?
[と、捌く最中でも世間話をしている。
手馴れた様子で、特に血に怯えることもなかった。
装備の話を振られれば。]
いいえ、自分の物は、自分で揃えます。
きっと、それが楽しくて……。
[と、言いかけてやめる。
ふと兄のことを話し始めようとしてしまったのだ。]
返せなくなってしまうかもしれない……、というのもありまして。なので、大丈夫です。
[それは決して、その装備が胸を強調したデザインだったからではない――だろう。恐らくは。]
(297) 2014/06/01(Sun) 03時頃