――ふ、は。
く、……はは!
[つい先程まで威勢の良い事を言っていた輩>>287が、今は自分の下で惨めに悶えている。
その事実が、堪らなく面白くて。口元から笑みが滑り落ちるけれど、その表情は常とそう変わらないものだっただろう。
反撃とばかりに胸ぐらを掴まれれば、軽く息が詰まる。それでも殴り掛かろうとしてくる右手は、ディーンには届かなかった。
普段運動なんて碌にしないから、これまでの動きで息が切れてしまっている。けれどその余裕の無さを見破られない様に、必死になって息を整えた。……意味があったかどうかは、分からないが。
足掻く体を下に感じて、此方からも手を伸ばす。血管の浮いた手で相手の首元を掴み、ぐっと顔を近付けた]
背後に?
……ふ。私を殺したいなら、今殺せば良いだろう。
[相手に本気で殺しにかかられて、それから身を守れる自信等無い。だが挑発せずにいられなかったのは、怒りに前が見えなくなっていたからだろうか。
……それとも。もしかしたら、殺されても構わないと、そう思っていたのかもしれない]
(291) 2014/06/23(Mon) 15時半頃