[いつもの闊達な様子にそぐわず、きゅ、と唇噛みしめるような神妙な様子>>280に、ぱちりとひとつ瞬きをする。]
なんじゃ、エリアスでもあるまいに、主らしゅうもない。
私に聴きたいこと?かって帝政華やかなりし頃の呪いの術か?艶やかな牙を磨く石灰の入手法か?夜は果てるまで尽きぬ故、いつでも、なんでも聞きにくるがよい。
[この城の間借り人の中で己に次いで長寿の吸血鬼は物静かな質であるので、彼女の想い人に何があったのかは未だ女は知ること能わず、えへん、と無駄に胸を張ってみせた。
或いは、その目元の赤みから、幾ばくか、諍いでもしたろうか、との邪推はあったかもしれないが、それもまさか、あのオーレリアと、それにべったり惚れ抜いたようなイルマの間で、とすぐに消えた。]
いや、クシャミに触られたというよりも…
[未だにお洋服汚れていました事件の謎は解決されていない。寧ろより深刻そうに言葉を濁した。]
(286) 2016/12/02(Fri) 23時半頃