……ケイト。結局何がしたかったんですか。
[呆れた様子で眼鏡を押し上げ、進み出る。結局自分の出番はなかったのは、ケイトなりに一応我慢したということか。
ちなみに、一部始終は聞いた話の脳内補完で理解しているが、個人的にはどちらかというとサイラスの側に肩入れしたい気分である。それが、留まっているもう一つの理由。周囲の人間と関わるのを面倒がって避けていた時期が、少年にもあったから。この合宿の面子は、呆れるほど過干渉だと感じる時があるから。諍いを避けて折れていなければ、孤立していたのは自分かも知れないと思う。]
サイラス先輩にはサイラス先輩の事情があるんでしょうし、
そんなに責められること、してますかね?
[ケータイを見下ろす。サイラスの連絡先。バイクに憧れている旨を話したら、気が向いたら乗せてやると言われた。そんなに話が通じない、悪い相手とは思わない。挑発的な言動を聞くに、天の邪鬼だとは思うけれど。案外サイラスもケイトを気に入っているんじゃないか?]
(276) 2010/06/20(Sun) 02時半頃