ホントは鳥入ちゃんに相談しようって思ったんだけどさ。
ごめんね。誰かに言わないと心臓がはち切れそうだった。
[真剣に二次元に恋をした者の末路は悲惨だ。
もうどのくらい彼に貢いだか分からない。
ただ、二次元の彼と会話する、そのためには
体力ゲージというのがあり、早く回復させるために課金する。
だけれど、今はそれすらも虚しい。
もう、ナオトくんの発する一言一句覚えてしまった。
そして悟った。ナオトくんがこの画面から出てくることはない。
自分の手を引いてくれることはない。
自分を抱きしめてくれることも、ない。]
わかってたんだ。
こんな無機物《モノ》に恋をするなんて
何の意味もない、虚しいことだって。
なのに好きになっちゃって……本当、バカみたいだね。
[変な話してごめんね、と、スマホをポケットに仕舞った。]
(269) 2013/10/04(Fri) 07時頃