ー露店を後にしてからー
怪しいマガタマとやらに、怪しい女……
私が持っていると白いまま、なんだがねぇ…?
さて、どう思う?
[露店を後にして、女の姿が見えなくなった頃。
千秋と一緒にいるにしろ、分かれたにしろ“私”は堂々と手のひらの上で真っ白なマガタマを弄ぶ。
問いかけは誰ともなく向けられた。
“俺”は“私”の問いかけよりも『お前…っ!“盗んだ”のか?!』と、そちらの方が気になったようだ。
アイスと比べて500円を惜しんでいた癖に。]
構う事はない。罪悪の念に駆られる必要も
“私”はないと思うけどね。
あの女は兎角この奇妙な石を人間達に
ばら撒きたいらしい……つまり。
いただいたところで痛くも痒くもない。
[涼しい顔で“私”は言ってのける。
千秋が同行しているならば、犯罪現場を見られた“俺”はさぞ慌てているだろう。*]
(250) 2016/06/15(Wed) 18時半頃