─ 図書館 ─
[うつむいたまま宍井が話す。(>>224)
俺は宍井のことを殆ど知らなくて、落ち着いてて、大人っぽいやつだと思ってたからこんな風に不安げなところは初めて見た。いや、隠してたの無理やりアレしたんだけど、俺が。]
ああ……
[少し納得がいく。]
居るな。迷惑かけるな、とか言うやつ。
知らねーよ…ってな…。
[うちの親もそうだ。迷惑を掛けるなとか、恥ずかしいことをするなとか、知らねえ。宍井は何かそういう奴らの言いなりになっているらしいけど、俺はそいつらと一緒くたにされるのは気に入らなかった。だから宍井には、俺が悪いのに『気にするな』みたいに気取って、手を振った。これでこの話は終わりだ。
次に宍井が顔を上げた時には、もういつも通りの宍井だったように見えた。
…というか、初めてちゃんと宍井の顔を見た気がした。]
(248) 2019/09/05(Thu) 22時頃