[あの戦いから数年。
又従姉の身柄を、三黒に任せ。
後始末と言う名の他家との腹探りに奔走して。
少なくとも、少女の目の前で麗亞の件を強く語る者は居なくなった頃。]
……しかし。
制服とは、窮屈だな。
麗亞ねぇは、よくもまあ、隙無くぴちりと、着こなしていた物だ。
[麗亞が学校へ通い始めた姿を、何やら鼻を伸ばして(それは常ならば『嬉しそう』と言われるべき表情だったのだが)見つめる三黒の姿に、暫し不貞腐れていた少女は。仕事の合間、学校へと通うようになっていた。
但し。麗亞の通っていた学校ではなく、偏差値はともかく格はもう少し落ちる共学の公立校。
早弁、女子トーク、校舎裏の悲喜こもごも。存外学ぶ物の多い学校生活は、つまらなくも退屈でもない物となっていた。
まあ、その分滞る仕事は、こうやって。効率よく、片付けて。]
(236) yuo 2015/09/25(Fri) 12時頃