[飄々と移ろい行く蝶の姿は見咎めることなく>>209
問いかけに対する答えを得たのなら、一度目尻を下げて笑みを浮かべようと。]
……櫻子さんはとても愛らしい花なんです。その辺りに飛び交う蛾とは不釣り合いな。…そうは思いませんか?
[つらつらと言葉を並べつつ首を傾げてみせる。
何処か甘い匂いと共に落ちる囁きには>>216一度迷う素振りを見せたものの]
藤之助さんのお手を煩わせるなんて、勿体無いじゃないですか。
[などと宣い唇尖らせたものの、先程耳にした鋭い音>>221を思い出したのか、襟を正して今は一匹しかおらぬ蝶に視線を向け。]
…改めまして亀吉です。
……ご縁がありましたら、宜しくお願い致します。ニコラスさん。
[ちらりと朧に視線を向けつつ。恭しく倣った通りに頭をして。
廊下の先、書斎への道を眺めれば一足先に蝶の元から離れようと。妙な胸騒ぎを感じたために。
縋るように瞳を泳がした先は、何故だか目の前に織り成す一匹の蝶へと。]
(226) 2014/09/14(Sun) 00時頃