それだけ、というのは語弊があるか。
ラルフにだけ向ける想いも
サイラスにだけ向ける想いも私にはある。
[一見全てに等しく手を差し伸べるようでいて、実のところ意味合いが違う。そのことは傍目からは判り難いものかもしれない。
ポツリ――呟いてからラルフの言葉を聴く。]
――……赦す、赦さないでなく、ただ私の望みを謂うのならば
[そして、ゆっくりと開く唇。
モノでなく、唯救う手ではなく、求めるのならば]
私はラルフを慈しみたいし
サイラスと共に在りたいと思っているよ。
[世間一般で謂われる《形》にそれを当てはめるのならば
片方は《恋人》に近く、片方は《親友》に近いのかもしれないけれど。
ディーンの中では、未だにはっきりとした区切りは出来ていない―――どちらも比べることのできない最上級のカテゴリに含まれると。]
(219) mitsurou 2010/09/14(Tue) 23時半頃