― 幕間 ―
[古い記憶も翼>>2:116も無き今の両家に、白と黒の太陽融合≪リ・ガーレ=サンライト≫を作り出す事は奇跡でも無い限り不可能と思われた。
だが家や血に刻まれた記憶だけは、幾ら記録が途絶えようとも決して消えさる事は無く。
それはまるで、
雨が大地にしみ込み、再び水として流れ落ちる様に。
炎が全てを焼きつつも再び養分として灰を落とすかのように。
決められた世の節理の内に、巡り続ける事の一つ。
全ては今は神聖たる黒が嘗て悪魔>>0:119と呼ばれて居た古き時から、何一つとして変わりはしない。
混じり合う事は許されぬ。混色が生むうのは裏切りと、それに繋がる滅びの道。
けれど寄り添い対となり、互いが互いのままであるならば?
コントラストの差が明白であればある程その力は強く、それでも互いに打ち消し合う事は無い。
互いの中に、それぞれの色を持つからだ。
シロは白の中に黒を持ち、クロは黒の中に白を見る。]
(216) 2015/09/17(Thu) 13時半頃