[席を立ちかけた時、背後から同僚の声がかかる。>>207
普段のようにサーブ役として乙坂が立っている訳でもなし、自由に好きなものを取れるようになっているのに態々声を掛けて来たということは、と考えれば口元に笑み。
己が先程発した遠回しな誘いが聴こえていたかは知らないが、おっとりした彼女は外から見えるよりもずっと「察する」能力が高いから、今二人で座っていた意味は悟られていることだろう。]
りょーかい。
皿下げて荷物置いたら取って来るよ。
それまで見張っといて。
……俺の大事な子に余計な奴が寄って来ねぇように。
[察していると思ってはいても改めて言語化して、同僚に席を譲る。
傍にいる宅本は「敢えて声をかけた」エリカをどんな目で見ているだろう。
「予想外のことするでしょ」と苦笑を向けて、近くのテーブルから椅子をひとつ拝借して、3人掛けを作ってから後を託した。*]
(208) Ellie 2019/12/04(Wed) 20時半頃