主、寂しさ故その赤子を攫うて来たのか?
[攫うとは人聞きが悪いが、乳児の出自を聞いていない為、必然そのような表現となる。]
彼奴の言い表しそうな事よなあ。また血の導きとは。
なに、私も先までかれこれ500年は眠っておったが此の通りじゃ。オーレリアも、マーゴも起きたくなれば自ずと目を覚ますであろうから、主が気に病む事は何もない。何も此れが永訣の別れでもあるまいに。
[サイモンらしい言い回しに喉を鳴らしながら、取り留めなくも随分と素直な吐露に>>178、子どもにするように屈み込んで顔を覗き込む、のは難しいので、首を傾げて下から覗き込んだ。何も心配せずともよいと。
100年も200年も。明日も明後日もやがてはなべて等しくなろうものを。]
いつもそのように素直であれば、可愛げもあるのじゃがのう。
[なのでやはり、2000を生きた女吸血鬼は、幼子に言い聞かせるようにそう言った。赤子を抱きかかえ、廊下を去りゆく姿に、何れはその赤子も血の眷属とするのか?とクリスマスが終われば手放すつもりであったとは毛頭知らぬ。
クシャミの話に関しては、彼奴は偶に妙にメランコリックになりよるな、と、肩を竦めるに留めた。]*
(195) 2016/12/06(Tue) 21時頃