……お化けに、やられちまった……のか? ……
[愕然としたまま、呟く。彼が実際にどのような存在にどのようにやられたのかは、わからない。だが、殺されたのだという事実だけは、確かだった。夢で聞いた言葉が脳裏を過ぎる。
――お化けに、食べられてしまうかも、しれないから。
死体を目前にした今、その言葉は急速に現実味を帯び、酷い重みを持って感じられた。非現実的な諸々は、とうに呑み込んだ筈だった。実際に非現実的な能力を使ったり、非現実的な交流をしたりもしている。お化けが危ない存在であるという事も、理解していた筈だった。実際に戦闘にもなったのだ。身の安全のために戦ったり、逃げたりとしてきたのだ。
それでも。何処かで、死ぬ事などはないだろうと、考えていた。多少危険なサバイバルゲームくらいに、感じていた。しかしこうして現実に死人は出た。それを知った事で、目撃した事で、死という現実が、不意に間近に、感じられてきて]
……く、そ、……
[ぎり、と歯を噛み鳴らし、呻くように零す]
(185) 2011/10/22(Sat) 06時頃