[>>123 そんな言葉を言わせたかったわけじゃないのに、そう思いながらも謝るタイミングは掴めず、真っ白な頭の中、ドナルドの声だけがやけに重く響いた]
うん、うん。
[駆け引きはうまくない、に頷くと]
アタシも、得意なつもりで、そうじゃ、なかったのかもしれない。
[その後の言葉"ひとめぼれ"が聞こえたのが先か、振り向いたのが先か、どちらにせよ動きは止まって心臓の音だけが大きくなっていく。軽口で返すこともできたはずなのに、目線が交わると真剣さが伝わってきてしまい、何か言いたくて口を動かすけれど何も言えなかった]
あり…………がとう……………。
[似合うの言葉には切れ切れにそう返して、笑い掛けられたら途端にドクンと心臓が跳ねた。頬に触れられると、その場所から熱が広がっていく。
離してほしい、離してほしくない。
離れたい、まだ離れたくない。
二つの気持ちが全身を駆け巡るようにすり抜けて、無意識のうちにドナルドが撫でてくれる手の上に自分の手を重ねた]
(182) はたけ 2013/04/28(Sun) 22時頃