[ヤタガラスは金の火を巻き小さな身を焼く。光の殻を割って現れたヒノトリは、欧州でフェニックスと呼ばれるものと同位体である。金色の大きな翼と、紅く長い尾羽と薄桃色のあわく光る飾り尾羽をゆったりと動かして、やさしい慈母の目をしている。浅見の肩に、楚々としてとまった。理を語り、夢見るような浅見の瞳に、人間らしい光が戻ってくる。彼らしく笑った。]
>>174
ああ、今の価値観じゃ、神様って言葉が近いのかもな。
おれは、おれじゃなくなる。
でもゾーイでもあるよ。
生命のスープにつながって、見守るよ。
みんなに降り注ぐ太陽は、システムとか
書割みたいに思うけど、必要なものだろ
そういうのになる
[胸のうちに生まれつつある新しい概念が、少年の持つ乏しい語彙と既存の言葉の中では表しきれないのが残念だった。両口角をニッと持ち上げ、安心させるおにーちゃんの笑顔、を作るとゾーイを自転車に乗せ、ヤタガラスが見せた気配の場所へと移動するだろう。命を失いつつある、男の元だ]
(175) 2010/06/06(Sun) 17時半頃