[ 少年には、血のつながった家族がいなかった。
ニールと、メルヤと。
誰ひとり血は繋がっていないのに、家族みたいに一緒に暮らした。
世界を壊そうとするものの存在に気付いてからは、歩幅が小さい分、一生懸命ついていこうと、その二人の背中をおいかけてきた。
斬って焼けばいいと言い張るニール、味見しないメルヤ。
気がつけば料理はいつも自分が作ってた。おいしい、っていってくれればいいな、と思って。
そう、オスカーも、それからシルクも美味しそうに食べていたっけ。
とっておきの、クリームシチュー。
自分が何者なのかも知らず、力の使い方も知らず
そんな自分を、導いてきた星《エトワール》に、手を伸ばす
流れ星《シューティングスター》は降り注げども、その故郷は、今まさに黒い茨>>167 に捕らわれようとしていた]
(172) 2015/06/04(Thu) 00時半頃