…タルト。
[メルヤの言葉>>143を聞いて少女が絵本を取り落とす>>167。
それを拾おうとしゃがみこむ小さな背中が揺れる。
もたれ掛かってくる背中を受け止めて、けれど彼女の発作がどうすれば止まるのかは解らない。
覚えていないのか最初から知らないのか。
対処の仕方が解らないのは同じこと。]
タルト、大丈夫だよ。
もう会えないのは悲しいけれど、きっと別の病院で治療法が見つかったんだろう。
ね、彼女が良くなることをお祈りしよう?
[苦しげに揺れる背中を撫でて、言い聞かせるように言う。
嘘でも安心させる方が大事だろうとわずかな笑みを頬に張り付かせ、幼い顔を覗き込む。
喘息の発作なら吸引する薬があるはずだけど。
そんなものでここにこんな子供が送られることはない。
だからたぶん、彼女の病はこれなのだ──なにか、日常でよくあることで引き起こされる押さえようのない発作。]
(169) 2015/06/10(Wed) 07時半頃