いえいえ、普段さぼりがちな相棒に、「この手紙全部届けるように」と。
どうせ二日かそこらでしょう。そんなに気に病まなくてもいいですよ。
……手紙は一日も早く届けたい、そういうものですが。
想いが、綴れているものですからね。
[雪の中、ポストの前で待つ少年を知っている。
都会に出た家族からの連絡は、侘しい村には多い。]
しかしアーチ君はお利口ですね。
じゃあこれも覚えて、相棒に伝えてくれますか。
『たまには真面目に働きやがれ!!』
[それは普段の陰気な郵便屋を見慣れた者にとっては、驚くような怒声だった。二人しか局員がいないのに、手紙の七割は便利な能力を持っているウェーズリーが担当している。全く不公平だった。]
多くの人の役には立ちたいですけれどね……あんまりです。
これで給料が等分なんですから、愚痴の一つや二つあるってものですよ。
[珍しく悪戯っぽく笑うと、子供のようにケタケタ声をあげた。]
(169) 2010/02/20(Sat) 00時頃