─ 今回の公演について ─
[ 彼がチケットを購入してくれた公演は、『狼たちの議事堂』というタイトルだ。
巷で流行りの推理ゲームを元に、うちの劇団員が脚本を書いた。
ある村で、人食い狼の容疑を掛けられて集められた者達。
しかしその殆どが人間であり、他者には言えない後ろめたい秘密を持っていた。
彼らの隠したいものは、狼探しの口論じみた議論の中で暴かれていってしまう。
秘密を暴かれ狂う者達や、その内容により人間である同胞を迫害してしまう者達。物語はゲームのようには進行しない。
たった一人無垢であった少女こそが、件の人狼であったというストーリー。
近年の演劇は映像触媒の発展とインターネットやSNSの流行により、先細り傾向にある。小劇団の危機感は一層に強い。
流行り物を取り込もうという精神は良かったが、やや攻め過ぎた内容とは内部からも指摘されていた。** ]
(161) 2021/02/13(Sat) 22時頃