[正直、彼が問うて来たようなこの繰り返しの原因や死に纏わる情報を多く手にしているわけではない。
怪異そのものであると言える己であってすら、だ。
航の言うように別の何処かで会う事もあるのかもしれない、と思案に沈みかければ随分な悪戯の提案。え、と思わず振り返って街灯の下を横目に見]
───根岸くん、と航くんってそう言う事する子供だったんだ?
悪戯っ子じゃん。
[根岸政宗くん。先程聞いた名を胸に刻むように呟く。
もっと呼びたかった、もっと早く名前を聞いて呼んでみれば良かった。
仲良しらしいけんちゃんにだって訊けたのに…嗚呼、ああすれば良かった、こうしたら良かった。
言ってみたら良かった事、してみれば良かった事、たくさんある。取りこぼしてばかりの生だった]
私もこんなんだからあんま大きな事言えないけど、
航くんが今の航くんで良かった。って事くらいしか言えな…………い。
よね。え、あれ
(161) 2019/09/07(Sat) 10時頃